「蜘蛛の魔術師」リプレイみたいなもの

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 賞金首の討伐命令を受けた冒険者は、「蜘蛛の魔術師」と呼ばれた賞金首の男と相対していた。確かに老人、確かに魔術を操る……けれど、目の前の男は魔術師ではない――剣士だ。それも、例えるなら伝説の狂王と地下迷宮の話に出てくる「サムライ」という名を冠した達人。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 同時に、今まで頭の隅につっかえていた疑問が綺麗に解消した。数十年前に指名手配されてからずっと逃げおおせ続けた魔術師が、何故今になってその足取りを掴ませたのか。 ――目の前の男は、魔術師ではなく戦士。魔術師とは対照的に、戦士にとって肉体の老いは全てを蝕む宿命。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 簡単な結界、簡単な使い魔の番人。到底、高額賞金がかかるほどの熟練魔術師の手によるものとは思えない。なれば、これは侵入者避けではなく……侵入者を試すためのもの。これくらいは乗り越えてもらわねば困るということなのか。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 「学連の追っ手ではなさそうだが？」老人の眼光、言葉。冒険者は背筋にぞくぞくとした何かが走るのを感じていた。確かにこの男は蜘蛛だ。巣を張らず、獲物に飛びかかるのを好む類の。 「ああ。だが、アンタの敵だ」ニヤリと口元を歪め、宣告する。「――アンタを、殺しに来た」

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 互いに名乗りを上げ、刃を切り結ぶ。驚くべきことに、双方の手には同じ形状のものが握られていた――二本一対の短剣。冒険者も、「魔術師」も、魔術を己の能力増強や刃の威力増強・追加効果付与に用いることを得意とする戦士だったのだ。 しかし、戦闘の趨勢は魔術師に向いていた。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 老いさばらえた剣士は、失われた己の身体能力をこの地に敷いた活力の陣で補っていた。冒険者は老人の経験に劣る己の剣術・魔術をその若さで補っていた。 しかし、魔法陣で増強された老人の技の前では、その若さも差を埋める決定打にはならなかったのだ。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now なるほど。巣を張らないというのはオレの誤解。ここは彼の巣に違いなかったというワケか！ 冒険者が呻いた次の瞬間、老人の双剣が冒険者のそれを弾き飛ばし、間髪入れず胴体を深く切り裂いた。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now ごぶ……と音を立て、冒険者の口から鮮血が溢れる。体をぐらつかせ、そのまま地面に倒れ伏す……かのように見えた。 しかし次の瞬間、地面に倒れていたのは魔術師だった。冒険者が獣のように魔術師に跳びかかり、その首筋に喰らいつき、枯れ木のような体を地面に叩きつけたのだ。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 荒く息をつきながら、冒険者は重たい体を立ち上がらせる。真っ赤に染まった口を服で無造作に拭う。魔術師が蜘蛛なれば、冒険者はそれを食らう獣であったのだ。 剣術も魔術もオレの負け。ただ、勝負には……勝たせてもらった。すまないな。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 魔術師という名の剣士の最期を看取り、首印ではなく彼の遺した技術書を手に、冒険者は森を後にした。己の生み出した技を後世に遺さんと目論むとは、やはりこの老人は魔術師より剣士という名の方が相応しかったろうに。

食物繊維 @iqn1206

@cw_now そして、己は「蜘蛛」に囚われた獲物に過ぎなかったのだ。何故なら、彼の目論見にまんまと嵌ってしまったのだから。 かつて「蜘蛛の魔術師」と呼ばれし男が編み出した魔術剣技は、男亡き今も、この世で獲物を屠り続けている。（了）

食物繊維 @iqn1206

@cw_now とりあえず寝る前に蜘蛛の魔術師とやらとタイマン中。魔術師っていうか魔法剣士っていうか……サムライ？

食物繊維 @iqn1206

@cw_now 回避高いな。なら魔法か……。 奇しくも＿６と性能似てるのが嬉しいな！　メイン宿の＿６は剣士じゃなくて野伏/盗賊/吟遊詩人/死霊術師/最近吸血鬼化したアホだけど！（おいｗ

食物繊維 @iqn1206

@cw_now そしてバフが切れてあっさり負けた（おいｗ 最新作の報酬スキル、極めるとバランス崩壊かなって思ったけど、持続短いからそうでもなかったｗ

食物繊維 @iqn1206

@cw_now そして名乗りをあげる場面で「ドーモ、追っ手＝サン。ムドウです」「ドーモ、ムドウ＝サン。ボウケンシャです」とオジギをし合う光景が脳裏に、な……（苦笑