ゴブリン退治

火星から血と脂の薫りの重圧ファンタジーが届いた ゴブリンなめんな
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MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

ゴブリン退治の話でもしようか

2012-09-17 17:36:41
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

ファンタジーの世界の王様ってあれはあの権力はどうやって担保しているんだ。よくわからん

2012-09-17 17:44:07
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

まあいいや。てきとうに考えよう

2012-09-17 17:44:34
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

官僚制と常備軍だ。官僚制と常備軍。そうだそうだ

2012-09-17 17:47:06

MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

偉大な統一王が御隠れになられて25年ぐらい過ぎたとされている。いつぞやの旅の騎士殿の話ではそういうことだった。(その騎士殿は新しい王様の息子の婚礼の何かに参じる途中だった。村一番の美人が召し上げられました)この寒村にそんな詳しい話は下りて来ない。今年は麦の育ちがあまりよくない。

2012-09-17 17:52:17
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

だれが偉いやつなのかよくわからない。とにかく税を徴収にくる太った下品な男は村の誰よりも偉く、誰も逆らえない。(二番目の美人が召し上げられました)今年は麦の育ちがあまりよくない。そのうえ、盗賊が増えた。鎧を着たならずものが川をこえて侵入して来て、家を焼いたり食料を盗む。

2012-09-17 17:54:10
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

どうもこのあたりを治めている偉い人が最近うまくやれていないようだ。だから治安が悪い。鎧を着たならずものは、東の戦争から帰って来た連中なのだという。領地争いではなく、異教徒との戦争だ。血に飢えているし、剣や火縄銃で武装している。だから村人が抵抗などできるわけがない。

2012-09-17 17:57:19
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

皆で柵を強くして、地下倉を改造して避難場所を作ったりした。皆でやった。しかし、肩透かしな事に、そうした準備が整う頃には、ならず者の襲撃はぱたりと止んだ。毎月の新月に訪れる徴税人も、二日経ったというのにあらわれない。おかしな話である。村人達は首を傾げあった。

2012-09-17 18:00:37
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

やがて北の端のトマスの家がクマとおぼしき獣に襲撃された。トマスとその家族のはらわたが家の外にまき散らされ、森に血の道ができていた。村人達は眉をひそめ、怖れた。ただ、トマスは怠け者で、祭事への関わりも薄く、先日の盗賊への備えにもほとんど協力しなかったので、悲しむ村人はいなかった。

2012-09-17 18:04:04
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

トマスの葬儀を行ったその夜、もっと派手な事になった。水車小屋の北側の村人が殲滅された。あっというまのことである。水車小屋の南側は無事だった。川に沿ってもう一段強い柵が張られていたからだと思われる。(南側の村人は北側よりも作物の獲れがよく、ゆえに、そうした事を行う余裕があった)

2012-09-17 18:08:02
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

迷い熊は非常に恐ろしい獣であるが、そこまでやるか?という疑問がわいた。疑問は裏付けられた。朝方、村人はそれを発見し、すすり泣いた。焼けた家の周囲に棒が等間隔で突き立てられ、そこに村人の首が突き刺さり、飾られていたからだ。恐ろしいならず者達。ならず者達……?

2012-09-17 18:12:29
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

その日の昼下がり、女が一人、村に戻って来た。死んだと思われていたが、生きていたのだ。攫われて、一人、逃げ延びた。だが、おかしくなっていた。夜には死んだ。女はうわごとのように繰り返した。「村の終わりです。村の終わりです。地獄の門が開いたのです」。村人はまんじりとせず次の朝を迎えた。

2012-09-17 18:14:44
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

夜営の男は蒼い顔をしていた。夜中に一度、光る目の集団を見たように思った。すぐに見えなくなった。そして明け方、今度ははっきりと、見た。まるで、取り残したエサを回収に来たかのような動き。逃げてゆく数人の後ろ姿。もはや疑えない。人間ではない。ゴブリンだ。ゴブリンに村が襲われているのだ。

2012-09-17 18:16:54
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

村長は領主に助けを求めるべく、息子を馬に乗せて送り出した。三日後、第二の襲撃。村人達は松明を焚き、一晩中警戒した。かがり火が幾度か、奇声を上げるゴブリン達の凶悪な容貌を照らし出した。誰も死ななかった。単に襲って来なかったのだ。まるで値踏みするように、何人…何匹かで、グルグルと。

2012-09-17 18:22:36
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

それからまた三日経ち、村長の息子は、村の希望となるべき者達を連れて、帰って来た。村人達は明らかに落胆した。成人直後ぐらいの若い男、そして、頼りない武装をした仲間が5人だ。「私達は冒険者です」と若い男は言った。「皆様の力になります。ゴブリン退治をしてステップアップします」。

2012-09-17 18:26:52
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

この6人のうち4人はその日の夜に死んだ。つづく。

2012-09-17 18:27:41

MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

村にやってきた胡乱な6人は皆若く、武勲の予感に胸を弾ませ、楽観的だった。村人達は彼らについて、どこか知らない土地の貴族の三男四男あたりであろうか?と囁きあった。リーダーの若者は言った。「ご安心ください。ゴブリンとは最初のクエストにはうってつけの相手で、我々にとっては練習です」。

2012-09-21 13:56:01
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

村人達は彼の言葉の意味がまるでわからなかった。練習?だが、ゴブリンを知っているというのは心強い要素ではあった。彼らは訝しみながらも、六人を歓待した。六人は思い思いの武装に身を包んでいた。一人は修道僧のようであり、一人は占い師のような出で立ちだった。魔術使いだという。

2012-09-21 14:00:08
MC9太郎ナラティブ @Gno_penO

(魔術?なんと胡乱な……)(では修道僧の御仁は異端なのだろうか?)(下手をすれば、この村ごと審問にかけられるのでは?)(だがゴブリンを退治してもらわねば、おしまいだぞ)(軍が動かないだなんて……)(すまねえ、門前払いされちまって、こいつらしかいなかったんだ)(背に腹はかえられん)

2012-09-21 14:03:27
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