座礁艦隊その８　～百合百合艦隊～

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

テントへ戻る途中、敷地の端に死体袋が並べられているのが見えた。襲撃で死んだテロリスト達だろう。線香が備えられているが、イスラム教徒に仏教式の供養はどうなんだろうか。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

朧のテント。ベッドに彼女を寝かす。部屋は衣装ケースの上にカニのぬいぐるみがあったり、ドレッサーに化粧道具があったりと、なんというか、女の子の部屋だった。掛け布団に包まってるのはチンアナゴの抱き枕だし、目覚まし時計はヒトデの形をしている。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

本体重量80kgを超える兵器が、頑張って女の子らしく振舞っている。滑稽だったが、同時にいじらしかった。穏やかな寝顔を見せるこの子は、どこまでも人間らしくあろうとするのか。 「うーん…」 朧が寝返りを打つ。 「叢雲…」 ん？ 今の寝言よね。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

「叢雲ぉ……」 はいはい、なあに？ と彼女に近づく。朧の両手が寝ているとは思えないほど素早く私の肩に回され、 「んちゅ」 のるん。舌が入っ #座礁艦隊

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<しばらくお待ちください> #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

ようやく引き剥がして離れる。ちゅる、と彼女の舌が私の口から引き抜かれ、涎の糸を引く。金属や油の味などまったくしない、人間と同じような……いやいやいや、この子本当に寝てるんでしょうね。……寝てるわ。何だったんだ今の。同性同士のファーストキスがまさかここで。ああー…。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

あんなことをやらかした後でも朧は起きない。あ、これはチャンスだわ。彼女の妖精さん達を呼ぶ。どこからともなく、カニやヒトデなど様々な水棲生物が集まってくる。朧の妖精さんはなぜかみんなこの見た目をしている。あなた達、主人の消化器洗浄作業してくれる？ 起こさないようにね。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

カニが朧の迷彩服のボタンを外しにかかったところを確認して、彼女のテントを出て自室に戻る。打って変わって殺風景な部屋。まあ、来てからなにもいじっていないわけだけど。鎮守府から持って来たのは…、ベッド横のカウンターに伏せられた写真立てを起こす。これだけだ。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

司令官の写真。ちゃんとしたスタジオで取られたもので、椅子に座って背筋を伸ばしている。作戦指揮を取っている時のような、引き締まった表情。彼の顔を、唇を、指でなぞる。 「ツーショットじゃないのだけは認めてあげますよ」 写真立てを伏せる。アンタ、一言掛けてから入りなさいよ。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

巻雲はケラケラと耳障りな笑い声を上げながら、半分になった頭部を揺らした。 「本当にあなたはズルい人ですねえ。兵器にもなりきれず、人間にしがみついて。いっそどっちかに傾倒した方が、あなたにとっては楽じゃないですかあ？」 アンタや朧のやり方が楽だっていうわけ？ #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

「いえそんな。少なくとも巻雲は楽をしてるワケじゃないですよお？ これでなかなか大変なんです。自分で言うのもなんですがね」 クソ人間の形は変えられないものね。 「失敬な。クソ人間どもが私たちの真似してるんですよ。結局この姿が理にかなってるんです」 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

後半はともかく前半は理解できないわ。艦娘が生まれたのはつい最近じゃないの。 「はー、あなたもやっぱり分からないか。難儀なもんですね。いやま、それは置いといて。私もできれば戦艦や空母みたいになりたいですが、そこは贅沢でしょうね。せめて重巡程度までなれれば…ブツブツ」 #座礁艦隊

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さっさとドック行け。何か言ってる巻雲を蹴り出し、入り口のファスナーを閉める。離れたのを確認してから、ドレッサーの前にパイプイスを置く。迷彩服を脱ぎ、インナーも脱ぎ、下着も取って鏡の前へ立つ。ブーツだけを履いた凹凸の控えめなボディが露わになる。 #座礁艦隊

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北上「オー！　イッチ！　オー！　イッチ！　オーイッチ！」 大井「北上さん部屋で一人で訳のわからない無駄な動きしてるけど素敵…」

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パイプイスに体重を預けられるよう、やや浅めに腰掛ける。プログラムを走らせると、一瞬体表が引きつる感覚の後、胸から下腹部にかけてのメンテナンスハッチが開いた。鈍い銀色の肋骨と、見た目は人間のそれに酷似した駆逐艦の内臓がむき出しになる。 #座礁艦隊

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腹の筋繊維も繋がりを外されているので、自然と体がイスの方へ曲がってゆく。それを背筋で支え、保つ。まもなく妖精さん達が集まり、胃と腸を切り開いた。大腸は肛門へ繋がってはいるが、艦娘は排泄しない。エネルギーに変換し切れなかった食べカスは消化器官の中へ残留し、腐敗する。 #座礁艦隊

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別に溜めたままでも艦娘自身に影響は無い。しいて言うなら腐敗臭がしてくる程度だけど、人間と一緒に暮らす場合、衛生的な面が一番の問題となる。このメンテナンスハッチもドックがあれば必要ない。洗浄作業も体を開くのも、一緒に生活し行動する人間のための作業なのだ。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

妖精さんの一体が私の口からシアン色の洗浄液を流し込む。液体は食道を洗い流し、胃の切開部の回収チューブから吸い取られる。十二指腸以下は腹腔内全体に浸すようにして、ジャブジャブ洗う。使用済みの洗浄液は妖精さんが何処かへ捨てに行く。 #座礁艦隊

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一連の作業を、私はいつも見届ける。自分が人間と違う存在であることを確かめるために？ …とはなぜか断言できない。見ておかないと落ち着かない。気が済まない。それだけだ。自分の臓物がいじくられるのを、ただ興味本位で見ているわけでもない。と、思う。分からない。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

変な声が漏れる。無意識に体がうねる。私はこの作業が行われている間、痛覚以外の感覚を遮断していない。右手の甲で口を押さえる。鏡の向こうの私の顔は紅潮していて、荒い呼吸と共に肩が大きく上下する。手に湿った吐息の感触。性器からひとすじの雫が、つう、と垂れてゆく。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

妖精さんが臓器の裏に手を入れ、摩る。その度にピリ、ピリと背筋に電気が走る。体幹の力が抜け、ずる、とパイプイスから崩れそうになる。すでに腰は座板より前に出ていて、背中と足で支える格好。胃の腑の上、収縮する横隔膜の向こうに、淡いオレンジ色の光が揺らめいている。機関部の炎。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

その炎を垣間見て、私は心安らぐ。艦娘の呼吸は機関部の吸排気だ。自分が艦娘であることを強く確認する。その紐を掴み続けていないといけない。そうでないと……。 ーーーーッッ! 妖精さんが仕上げとばかりに生殖器を擦り上げ、私は達した。 #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

猫型空母の話と天狗の話を読み長良、艦娘の体内洗浄オナニーを書くぼくは……

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

……………… #座礁艦隊

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

裸でパイプイスの横へ倒れている自分を認める。どれくらい気を失っていたのだろう。もう胸も腹も完全に閉じられ、自由に動く。零れた洗浄液や溢れた体液も妖精さんによって拭き取られ、木板にわずかに染み込んだあとが残るだけだった。 #座礁艦隊