200Ｆ企画：男の話をしよう（6）
ネタバレ満載自己責任。彼の童話作家が筆執るは喜劇と悲劇に踊らされた愚かで愉快な男達の物語…ってな？わりぃ、かなり遅れました。言い訳はしねぇよ
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「女の話をしよう。」
@MarchenML
さて、お立会い、といきたいところだが。今宵はささやかな宴と相なろう。アンデルセンが語りまするは、後の世に文化の礎を築いた男たちの話。静かな夜に、仄かな灯火を。 #男の話
2014-03-15 21:03:38
「女の話をしよう。」
@MarchenML
誰にも入れぬ石造りの部屋。男はモノのように佇み、動く土人形の挙動を確かめた。命の灯るモノ、命の消えそうなヒト。男はその精魂を土人形に込める。最早ヒトなど要らない、新たな世界の再生を。心無き男は神のみ子の如し。創世記は今、書き変わる。 #男の話
2014-03-15 21:04:25
「女の話をしよう。」
@MarchenML
人の世にはあらゆる物語がある。男は識りたい、そして書き記したい。一の物事に百の彩を与え、流麗、風雅、台詞は嵐と吹き荒れる。もっと劇的に、もっと華やかに！起伏のない人生などは詰まらない。男はペンを持ち、生きるか死ぬか、登場人物を嘲弄する。その筆が、終の文字を書き記すまで。 #男の話
2014-03-15 21:11:19
「女の話をしよう。」
@MarchenML
俺はきっと立派になる、と息巻く田舎の小僧がいた。分不相応に歌を唄い、詩を吟じては人にひけらかす大馬鹿者。世間の白い目に怯えながらも、己を喧伝することを止められない。俺はここにいる！我が才を見よ！騒ぎに人が集まり、やがてそれを称える。いつしか小僧は名声を手にしていた。 #男の話
2014-03-15 21:20:15
「女の話をしよう。」
@MarchenML
その癖男がほしかったのは、当たり前の人の情だった。男の話は多くの人に褒められたが、想いを届けたい人にこそ響かない。……そう。俺は文藝と心中したのだ。妻を娶り、子を成す暖かさを犠牲にして。悔恨はない。だがただ一度、この想いが誰かと繋がれたのなら。心残りは筆先に滑り落ちる。 #男の話
2014-03-15 21:20:28
「女の話をしよう。」
@MarchenML
山なし落ちなし、意味はなし。些か小さな宴席だったが、今宵はこれで、おしまい、おしまい。……自分を語るのは、どうもムズ痒いな。 #男の話
2014-03-15 21:29:22