ゆまくろ、黒澤が死亡した場合

黒澤(@rerakamu) ゆまさん(@yuma_ryosuke) とのBL絡み勝手にまとめさせていただきました ゆまくろをくださったフォロワーさんに感謝です!
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ゆま @yuma_ryosuke

振り返った時にはもう遅かった。白刃が目の前まで迫っていてあっけなく、自分でも驚くほど呆気なく死んでしまった。 「あー...くそ、やっちまったかぁ...ま、でもしょうがねぇなぁ...」 こんな風に軽く考えていた。→

2014-03-18 02:08:52
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 黒軍の本拠地に戻ってみると自分以外にも結構な人数が死んでいて、その棺桶の側には必ず誰かが死体にすがって泣いていた。 ふと、恋人のことを思い出した。 ...ゆまは、俺が死んだことを知っているのか...?

2014-03-18 02:11:12
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 自分が怪我をした時でさえ苛ついて口をきいてくれなかった時すらある。もしかしたらものすごく怒っているかも知れない この時俺はゆまがどんな反応をしているかについて、少し、楽しみにしていた。 どれだけ自分を想ってくれているかが顕著に現れると思ったからだった

2014-03-18 02:15:30
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 「ゆま!!ただいま!俺死んじゃったみてぇ!」 わざと明るい声でゆまの家の門をくぐる。当然ながら誰も出てこない 「ま、幽霊なんだし当たり前っちゃ当たり前か」 自嘲しながらゆまの部屋へと歩みを進める この時から少しずつ、嫌な予感がしていた

2014-03-18 02:19:44
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 部屋の隅に、変わり果てたゆまがいた。 異様に静かだと感じたのは、ゆまが沢山飼っていた動物が居ないからだった。ひよこ、犬、猫、ハムスター...どれも何故かケージの所々に血が付着していた。なにがここで起こったのかまったく解らない...ここで俺は

2014-03-18 02:29:19
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 気付いてはいけなかったことに気付いてしまった。 「俺の...俺の体は何処にあるんだ?」 そして、ゆまが飼っていた動物達は、ゆまが大切に、大事に育てていた動物は何処にいった? 顔をあげてゆまを見ると、伏せた顔の口辺りから、血とも涙ともつかない液体が

2014-03-18 02:35:04
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke ぽたり、と零れた。 「もしかして...食べた、のか?」 なんだか急にゆまが恐ろしいモノに思えてきて後ずさる。 ゆまは依然としてポロポロと顔を伏せたまま涙をこぼしている。 「くろ...さわぁ...」 「...え?」 不意に名前を呼ばれて近づいた

2014-03-18 02:43:51
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 「ぅ...ッ、ゲホッ!!..~っ!!ぅえ...」 「ゆ、ゆま!大丈夫か!?」 ゆまが苦しんでいるのを見て思わず駆け寄る。さっきまであんなに恐ろしがっていたのに。 近付いてわかったことは、ゆまの口元にべっとりと血が付着していることと、

2014-03-18 02:48:52
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 「ゆま...痩せた...な、」 元々肉付きがいいほうではなかったが、これは明らかに度を越していた。何も食べていないのか?...いや、食べれないのかもしれない。人間など食べるからだ。無意識でも体が反発して食べるのを拒否したかったのだろう、喉元には

2014-03-18 02:56:25
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 掻き毟ったような生々しい爪痕が残っていた。 「ゆま....なんで...どうしてこんなことを...!?」 思わず声に出して問いかけたがそんなことは解りきっていたことだった 「.....おれの、せいか、俺が死んだからか....」

2014-03-18 03:01:03
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 「うぇ...っ!ゴホッ!..ぅッあ"...ッッ!」 「ゆま!おい、しっかりしてくれ...、ゆま!」 ゆまの喉から空気をもらしたような音がする。ほとんど発作的に過呼吸を起こすようになっているのだろう。 背中を擦ってやるために手を伸ばした 「おい、ゆま、

2014-03-18 03:07:25
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke するり 「え....?おい、なんで...」 手がゆまの体を通り抜ける 「ゴホッ!ゲホ....ッッ~ぅう...カハっ...」 辛そうに咳をするゆま。触れられない体 「なんで...っ、なんでだよっ!!」 拳を壁にぶつけようとする。それすらも通り抜けて。

2014-03-18 03:11:47
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 「ひっ...く、ヒっ...く、ろさわ...なんでっ...なんでいなくなっちゃっ、なんっ..置いてっちゃっ、やだって....言ったのに...っ!!黒澤ぁ!!!」 ゆまが嗚咽混じりに俺を呼んでいる。 自分の不甲斐なさに涙が滲んできた。どうして。どうして。

2014-03-18 03:17:37
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 「ゆま...ごめん...、俺、おれは...!」 止めようと思う間も無く涙が頬を伝って滑り落ちていく。いいさ。どうせゆまには見えていない。俺が無様に泣く姿も、俺が苦しんでいるのだって、見えていないから。

2014-03-18 03:21:36
ゆま @yuma_ryosuke

@yuma_ryosuke 同じ空間にいて、同じ気持ちでいるのに、けして相手には届かない。 死はこんなにも重いものだったのか 互いに相手の心に気づけないまま、1人ぼっちが二人、泣き続けた。

2014-03-18 03:25:17
れらかむ @rerakamu

ありがちなハッピーエンド 「そういえば今日はゆまの誕生日」ふと思い出した。ゆまに花とそれと…何だっけ思い 出せないが何かプレゼントしてやろうと思っていたのだ。 つづきます

2014-03-18 07:30:05
れらかむ @rerakamu

@rerakamuこんなめでたい日に死んでしまったことに対して特に俺は運命だとかそういう迷信めいたものには興味がないもののタイミングの良さに呆れた せめて俺からの好意を受け取って欲しかった今日荷物が届くようゆまの家に郵送したはずだが俺が死んだと知れ渡っていたら届かないかもしれない

2014-03-18 07:32:34
れらかむ @rerakamu

@rerakamu 、良くわからない不安感 に俺はただ待つ事しか出来なかった どれくらい時間が経ったかも分からない頃玄関のベルが鳴る、居留守を使うかと心配に なったがゆまは気だるそうに起き上がると玄関へ向かった。ゆまの後ろは漂うようにしてついていく

2014-03-18 07:33:24
れらかむ @rerakamu

@rerakamu 荷物を受け取っている様子を見ていたが俺からの荷物という事にゆまは 驚きを隠せないようだった。少しほくそ笑むサプライズが上手くいったのだ だが俺の期待した反応とは違いゆまは配達員を送り出すと同時に箱も開けず泣き崩れてしまった。

2014-03-18 07:33:54
れらかむ @rerakamu

@rerakamu 違う俺はそんなお前を見たくてプレゼント送ったわけでない。ただ笑顔を見 たくて、最後に笑うゆまを見て死にたかった、死ぬなんて、死んでからの事なんて何も 考えていなかった

2014-03-18 07:35:26
れらかむ @rerakamu

@rerakamu 黒軍では遺書の書き方を教える授業があったが俺は自分が死ぬとか死んで誰にどう思わ れようとどうでもよかった。だから遺書を書きはしなかった、だが今は違ったゆまにだ けは俺がいなくなっても生きて欲しいとそう切に願った

2014-03-18 07:36:00
れらかむ @rerakamu

@rerakamu 鈍い動作でゆまが荷物の封を切る枯れないよう専用の運送会社に頼んだ花束が入っているはずだ。ゆまは泣きながら花束を持ち上げると何かに気づいたようだった。ああ俺も 何か忘れてしまった物がその下に入っているはずだ。ゆまの正面に座るように箱の中を見る

2014-03-18 07:36:31
れらかむ @rerakamu

@rerakamu そこには手紙があった。ゆまへの感謝の言葉をいくら並べても足りなかった事を思い出す。もっと伝えたい事があったのに、後悔の念で押しつぶされそうだった そこでふと手紙から目を上げたゆまと目が合った 目を見開くと相手も赤い目更に赤くしながら目を丸めた

2014-03-18 07:37:17
れらかむ @rerakamu

@rerakamu 僅かな期待でまばたきをするとそれを返してくる。もしかして、と気づくまでの間にぼろぼろと泣いてしまう。ぼやけて見えないがきっとゆまも同じ状況だろう 触れる事はできないが確かにそこにいる存在と額を擦りあわす 言葉では表せない感情 が胸の中を満たす。

2014-03-18 07:38:33
れらかむ @rerakamu

@rerakamu涙をこぼしながらも嬉しさに笑みを零す、二人で すると先ほどまでの負の感情が体から抜けていくように錯覚した。あぁ成仏とはこういうことか。未練などないと思っていたが俺はどうやら恋人という存在に尋常ではない執念を燃やしていたのだと気づくそれが幸せな事だと。そう思った

2014-03-18 07:41:52