【実況】リキシャー・ディセント・アルゴリズム#7(発掘・終)
- karafuto1979
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第2巻のエピソードどれも素敵すぎて、次回投票では別アカ作ってでも全エピソードに投票せざるを得ない勢い #NJSLYR
2011-07-23 20:12:48#njslyr リキシャー・ディセント・アルゴリズム、見事なまとめだった。シャドウウィーヴ=サンは美味しい立ち位置になったなぁ。 キョート編ではニンジャの新人類・ミュータントとしての側面が掘り下げられるのだろうか。
2011-07-23 21:56:53ガンドーの肩に担がれたフジキドは、窓の無い六畳間に降ろされて、ようやく眠りから醒めた。横にリュックサックやコートなどが雑然と放り投げられる。「ここは…?」リキシャー装束のままフジキドが問う。「俺の隠れ家だ」とガンドー「まあ好きに休んどいてくれよ。死んだマグロのようにな。話は後だ」
2011-07-23 22:43:35「ドーモ……」フジキドはその提案に応じることにした。この1ヶ月の連戦は、彼の体力と精神力を間違いなく削ぎ落としていたからだ。ザイバツと本格的に事を構えるには、体力を回復することが先決である。カラテが疲労で澱めば、ニューロンもおのずと澱む。これすなわち、フーリンカザンの教えである。
2011-07-23 22:47:53「じゃあ、俺はちょっと野暮用があるからな……」ガンドーがフスマを閉じかけると、フジキドはふと思い出したように訊いた。「ディテクティヴ=サン、この部屋の方角は…」「方角?」ガンドーが不思議な顔を作り、すぐに一人で得心する「ああ、そういうことか。北ならあっちだ」そしてフスマを閉じた。
2011-07-23 22:59:48「今時、敬虔な奴だな……」ガンドーは狭い階段を降り、雑然とした倉庫のような部屋を抜けた。ガンドーは、フジキドが極めて敬虔なブディストであると早合点したのだろう。北の方角に頭を向けて眠ることは、ブッダの死を再現する行為であり、敬虔なブディストにとっては許しがたい背徳行為である。
2011-07-23 23:04:06(((ブッダなんざ、いるんだか、いねえんだか……)))ガンドーはズバリのウィスキー割を軽く呷りながら独りごちる。今日は散々な一日だった。何しろ金がない。ガンドー探偵事務所、存続の危機だ。こんな時は、ゲイシャに限る。大トロ粉末でも売って、高級ゲイシャとネンゴロでもしてくるか……。
2011-07-23 23:10:39(((畜生、やっぱりコーベインの1枚くらい貰っときゃよかったな……)))。私立探偵(ディテクティヴ)タカギ・ガンドーは、フジキドを残し、夜明け近いアンダー・ガイオンへと消えた。ナンシーの紹介という点も大きかったが、ガンドーはわずか数時間のうちに、彼が信頼に足る男だと判断したのだ。
2011-07-23 23:15:47フジキドはタタミに正座したまま、荷物の中から鏡と剃刀を取り出し、長く伸びた無精ひげを剃る。疲弊し蒼ざめた、それでいて精悍な頬が現れた。髪も近いうちに切らなくては……前髪を指で挟んで伸ばし、長さを確かめながら、フジキドはそう独りごちた。サラリマン時代の習慣はいつになっても抜けない。
2011-07-23 23:21:01それからフジキドは、首から下げたオマモリ・タリスマンの中からくちゃくちゃの写真を数枚取り出し、東向きの壁にこれらをピンで留めた。妻子の墓標、マルノウチ・スゴイタカイビルの方角だった。ネオサイタマは、キョートから何千マイルも東に位置している。その二点を繋ぐための、大切な儀式だった。
2011-07-23 23:28:01(((タカギ・ガンドー、腕の立つ男だ)))フジキドは東に向かって手を合わせながら、ニューロンの中で独りごちた。(((ナンシー=サンが紹介するだけのことはある。ニンジャソウル憑依者でないのに、あのカラテ。彼がニンジャでなくて、本当に良かった。さもなくば、彼を殺さねばならぬ故…)))
2011-07-23 23:35:39