月江詩人会 連詩・第四期

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Kohji Nakahara @Huyuno_hoshi

1 君の顔は汚い(まるでxxxみたいじゃないか)と思った僕の心は異常に澄み切っていて「愛してる」と声に出したら(これはほんとうの言葉だ)ぽかりを地べたに転がってゆき誰も拾いはしなかった(君が拾えば良かったのに)けれど「大嫌いだ」と言ったら君は泣くのか(むつかしい!) #月江詩人会

2014-01-26 16:53:03
りよ @riyo0

2 (むつかしい!) (もう声にもならない!) あの頃は 世界の定義を探したものだけど 今では 此処が何処で自分が何者なのかさえ危うい (だから声を!) わたしは私の解くべき問題を解かなければならない その言葉を見つけ出さなくては、 行けない #月江詩人会

2014-01-26 23:48:34
Michika Edit @michika_yam

3 行けない コートを着たって ブーツを履いたって この街じゃ 太陽だって寝坊気味 むくむくとやっとこ起き上がる 透明の朝 いけないいけない また呑み込まれるところだった 歪んだ地軸はいつだって 颪に挑ませる 強烈なハレーション #月江詩人会

2014-01-29 00:43:31
megumi @dannnpa

4 強烈なハレーション 心と躰がばらばらばら 脂肪を分解するように 思考を溶かしてゆく いつか見た夢でもらった招待状 わたしはそこにいかなければならないのに! まだ会場は見つからない #月江詩人会

2014-01-30 22:26:31
広瀬佑輔 @funoukenmei

5 まだ会場は見つからない/この時ボ・ディドリー氏52歳/自分の業績があまりにも過小評価されていることについて/朝8時35分/悩む/5億ダラーくらいもらってもいいと思っている/ヘイ!ボ・ディドリー/シカゴのすずめは何と鳴く/ズンジャカジャッジャ/ズンジャッジャ #月江詩人会

2014-01-31 09:03:19
かべこ(@kabemix) @kabekox

6 ズンジャッジャ ズンジャッジャ 君が別れてきたものたちの行進にさらば いつまでも振り続ける右手は灯台? 静かに海は吠えていて 勘違いされた幻想の波が打ち寄せる ほら、 幸福ってなんだったっけ 沈黙の次に美しい葬列は もう、 見えなくなったみたいだ #月江詩人会

2014-02-01 15:45:21
やんぼー @11127071

7 「もう、見えなくなったみたいだ」 君つぶやきとは真逆に 僕は一面の星空に抱かれていた きっとこのひろいひろい宇宙からしたら 僕と君なんてほとんどおんなじで 少しの違いさえ気にならないくらいなのだろう なんでも好いと言えるような、幸福と悦楽 月が笑った #月江詩人会

2014-02-02 11:00:02
ゴンタ3号 @gonta3go

8 月が笑った 月が笑ったよ じゃあ月は優しいの? さあ 月は月だよ くり抜いた眼球に 三日月の鋭角 LEDの街灯が汚す 明白で汚す 最上級の殺シテを 擦り付けてやったよ ほら 気持ちいいだろ 冷たくってさ 酸欠みたい ああ 空っぽでいっぱいなんだ #月江詩人会

2014-02-03 21:20:58
遠山衛 @Banbieno

9 空っぽでいっぱいなんだ 最低賃金無賃乗車ソの汽車の汽笛はドレミファソラシでうえのドとくればパンダじゃん!やっぱり やっぱりミにいこうかな?そしたらファソラシファソラシ明日は天気悪そうだシドレミファミレスで珈琲一杯無銭飲食不法滞在でソラシドソラシド 俺声裏返って #月江詩人会

2014-02-03 22:44:33
さとこ @satokobamaru

10 俺声裏返って 「驚いた?」って聞かれ 「驚いた」って反射的に答え 「半分ね」と言ってひときれのピザを さらに半分にしようとする 彼女の表情を窺う #月江詩人会

2014-02-05 09:54:49
Kohji Nakahara @Huyuno_hoshi

11 彼女の表情を窺う「彼女は繊細だからね」(奴らは何を宣っている?)そっとそっと丁寧に「彼女は硝子細工の様だ」(ステンドグラスに謝ってくれ!)慎重に窺う『そんなに不安なお顔をしないで』そんな風に言われたら(常識はずれに)可愛がってあげたくなるじゃないか「嘘だけど」 #月江詩人会

2014-02-07 02:40:49
りよ @riyo0

12 嘘だけど 食べられなくも無い エバーミングされた本当よりは ずっと喉を通る わたしたち よく食べた こんなにも 信じたかった そういう生き物だった 色んな味を覚えれば 好きや嫌いや 善し悪しも 分別つくように なるかしら いただきます #月江詩人会

2014-02-07 19:32:31
Michika Edit @michika_yam

13 いただきます それは決まって冬にやってくる 止んだ世界の一点で ただひっそりと降りつもる 甘くて白い 冷たい綿あめ 溶けることを知っている 解けることを知っている 白銀の朝 駆け出した一匹の黒猫 一度だけ振り返る 最高に甘い嘘を どうぞ召し上がれ #月江詩人会

2014-02-07 21:22:02
megumi @dannnpa

14 どうぞ召し上がれ 甘い甘い一粒の嘘 その舌触りは雪ににている きらきら輝く粉砂糖 右も左も上も下もなにもかも すべてが真白に覆われる ホワイトアウト 前後不覚の現実に みっともなくしがみつく #月江詩人会

2014-02-15 00:22:50
広瀬佑輔 @funoukenmei

15 みっともなくしがみつく 「みっともないだなんてそんなこと  まだ若いんだし」 とおれは思った 「おれは  勘だけで国道を横切れる」 と猫は思った ふたつの思惑が交錯する その瞬間 とくにこれといって何もなく あいさつもなく 真昼の月 と青と町 #月江詩人会

2014-02-19 16:56:41
かべこ(@kabemix) @kabekox

16 青と町と黄色とそう その赤信号を信じきって 止まり続ける大人たちは 一秒でも無駄をなくそうと ついに時を止めてしまった 帰り道を忘れた子供心は 感情こだまする薄明かりの中へ そう、ここはとてもあたたかい 剥き出しのまま放置されていた 真昼の月のようにね #月江詩人会

2014-02-23 16:59:25
やんぼー @11127071

17 真昼の月のように スーパーで地団駄を踏む子どものように 異質な存在感を放っているアレはなに 君だってそうだろ 知ってるふりと知らないふり 上手に繰り返して 本当はわかっているんだろ スターバックスの大きいサイズだって知っている あの子どもは 僕だったのです #月江詩人会

2014-02-26 00:43:51
ゴンタ3号 @gonta3go

18 僕だったのです 途切れ途切れの 僕だったのです 詠み人知らずの 僕だったのです 僕だったのです ふいに流れはじめた物語の 水面を踊る妖精達 変性意識 真昼の夢 罪なのは 罪なのは 愛撫なのか 指先か 殺し文句が 静かに絶望している #月江詩人会

2014-02-26 21:29:54
遠山衛 @Banbieno

19 殺し文句が静かに絶望している 喉元過ぎて尚熱さは増して火傷したあなたとわたし わたしの中であなたは充分に膨張した 原因不明そう言った咽喉科も燃やしてしまおうか? 殺し殺され愛し合うふたりは絶望的な熱さである #月江詩人会

2014-02-27 12:39:37
さとこ @satokobamaru

20 絶望的な熱さである それは体の中、胃の近くに存在する透明な物体の熱さである 不安定な形で内在し、安定した形で外へ出る A:「おーい、おはよう 調子はどうだい?」 B:「ありがとうございます 最高です」 さて、会話の続きは? #月江詩人会

2014-03-01 13:03:11
Kohji Nakahara @Huyuno_hoshi

21 さて、会話の続きは?「鞄を失くしたんだ」それからそれから?「大事なものが入ってたんだ」そうなんだ、何が入ってたの?「秘密」そんな事言わずに教えてよ?「とっても大事なもの、僕にも君にも」なんだろう?「なんだろうね」ごまかさないでよ「僕にも解らない」一緒に探そうか #月江詩人会

2014-03-03 20:23:49
りよ @riyo0

22 一緒に探そうか 実はもう 手の中に収まってる 君は無いって言うけど そうじゃない 持っているのに使ってないだけ (千の腕があったら 全部あの子に差し伸べて もう泣かなくていいように) 新しい風の気配がする 春の扉の前で 握ったその手を 開いてみて  #月江詩人会

2014-03-05 13:39:41
Michika Edit @michika_yam

23 握ったその手を 開いてみて サ ヨ ナラ 飛び出すわ 「手品でもはじめたの?」 羽がなくて飛べないの 舌がなくて言えないの どうしようもない 真昼の月 ハンガーにかけて 不幸を愛しすぎる 笑みがこぼれる 私はきっと今美しい #月江詩人会

2014-03-05 20:05:45
megumi @dannnpa

24  私はきっと今美しい 真昼の月を冬の梢からみあげる 羽なんて持っていないから 憧れだけ抱えて きらめく突風が髪をなびかせて 春の扉を開けた ふと、振り返ると 耳元で冬の風が通り過ぎた #月江詩人会

2014-03-12 01:10:58
広瀬佑輔 @funoukenmei

25 通り過ぎた 何も残らなかった いさぎよかった 全ては忘れられた 海は荒れていた 供給過多だった さよなら中毒だった 青い部屋だった 痩せた背中だった 黒い髪だった バッサリ切ったあとだった うなじは 白くて (嫌な予感) 冥王星が惑星だった ころ #月江詩人会

2014-03-15 21:21:16