- husou_kankore
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騙城作『千の想いを』番外編『千の部品の中で』のさらに番外編 『戦う男たちの静かな日常』 【介入制限:独立した物語の為不可】
2014-03-30 21:01:41二人の男が大海に向かって釣り糸を垂らしている 一人の男の膝には子供が寝息を立てながら眠っていた やがて子供を膝に寝かしつけている男が口を開く 「徳さん・・・いつも夕張が迷惑をかけてすまねぇな」
2014-03-30 21:02:52徳さん・・・と呼ばれた男がそれに答える 「へへ・・・夕張ちゃんは今が遊びたいさかりだから気にすることはないさぁ それより月形さんこそ・・・無理はしねぇでくださいよ」
2014-03-30 21:05:02月形は寝入っている夕張の頭をその無骨な手で撫でる 「ああ、だが無理はするさ・・・こいつは・・・アイツが遺した大切な宝物なんだ」
2014-03-30 21:05:27徳さんはその光景を優しく見守り 「夕張ちゃん・・・歳を追う度に美唄さんに似てきましたねぇ」 「そりゃあ親子だからな」 月形はぶっきらぼうに・・・しかし優しく夕張を見つめながらそれに応えた
2014-03-30 21:05:49「俺は・・・先に逝ったあいつの為にも・・・こいつを幸せにしてやらなきゃならねぇ その為なら悪魔にだって魂を売るし命だって賭けてやる」 「月形さん・・・」
2014-03-30 21:08:01「それより徳さん、もう今更聞くことじゃないのかもしれねぇが・・・徳さんに後悔はなかったのかい?」 「美唄さんは・・・月形さんにベタ惚れだったからなぁ、俺が入り込む隙間なんてなかったさぁ それよりも今の俺は夕張ちゃんが元気に育っていってくれる事が何よりも嬉しいのさ」
2014-03-30 21:08:50「・・・・・・徳さん・・・俺にもしもの事があったら夕張の事を頼めるか?」 「それは聞けないよぉ、夕張ちゃんには月形さんが必要なんだ 『もしも』なんて認めねぇ 俺だってさ、月形さんと夕張ちゃんが幸せになってくれるなら・・・命張るつもりだしよ」
2014-03-30 21:09:34「ふっ・・・徳さんは昔からそういう奴だったな なら・・・そう簡単にくたばる訳にはいかねぇか」 「そういうことさぁ ああ、しかし今日はいい天気だぁ」 「全く・・・バカみたいに良い天気だ」
2014-03-30 21:10:32これは・・・二人がまだ健在だった頃の・・・夕張の知らない日常の一コマ 騙城作『千の想いを』番外編『千の部品の中で』のさらに番外編 『戦う男たちの静かな日常』了 なおEDのようなもの:http://t.co/uIr4HLdkKS
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