さぁ僕が考えた熊の話をしよう。

結城幸司さんによるお話です。 ちなみに、ヘペレはアイヌ語で生まれて一年以内の幼い小熊のことです。
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熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

「皆に知らせるよ」とポンムィが走った。私は耳を更にたてると河原の方から「食わせれぇ食わせれぇ人間食わせれぇ」とキムンカムイの言葉で吠える声が聞こえた。

2010-11-10 18:53:14
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

私はアレスカムイ人間に育てられたカムイであるがキムンカムイの言葉もわかって、いてもたってもいられなかった。ポンムィとミチィもやって来た、ミチィは弓矢をもっていた

2010-11-10 18:56:17
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

「ポンムィはここに居なさい」ミチィは河原に走った。私はやっぱり黙って居れず、小屋に体当たりを何度も何度もくりかえした。ドスンドスンバリバィィと小屋を破ると河原へ走った。

2010-11-10 18:59:49
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

「いくなヘペレ」ポンムィは叫びながら着いてきた。河原に着くとミチィがなにか黒い山のような固まりに矢を放っていた。ミチィの側には血だらけの若者が膝まついていた。

2010-11-10 19:03:15
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

目を凝らし山のような塊をみるとそれはなんと真っ黒なキムンカムイであった。ミチィの放った矢も意に介せず「食わせれぇ人間食わせれぇ」と怪我をしている若者に向かおうとしている

2010-11-10 19:06:42
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

「眠りの浅い腹すかしのウェンカムイめ、人食いのハグれもんめ」とミチィは矢をつかんだ瞬間にウェンカムイはソレをはね除け、二人に襲いかかろうとした「ミチィ」とポンムィの声が響いた

2010-11-10 19:10:32
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

その瞬間わたしはウェンカムイに体当たりをした。ウェンカムイはヘペレに矛先を向けた。「しめたっ」ミチィは若者を担ぎ柏の木の祠ににげた。その様子を見て私はもう一度ウェンカムイに体当たりをした

2010-11-10 19:13:57
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

ウェンカムイはいとも簡単に右手で私をはね除けた、そして左手で私の喉元にでかい爪をたて切り裂いた。ミチィと共に祠に逃げていたポンムィが「ヘペ…」と叫ぼうとしたときミチィがなきながらポンムィの口をふさいだ

2010-11-10 19:18:17
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

私にはもう力がなかった。のどから温かいものが流れた。ウェンカムイは「なんだおなじ羆などくえるかぁ、人間は何処に行った」と辺りをさまよったが柏の木は人間の匂いを消してしまうので

2010-11-10 19:21:49
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

ミチィたちを見つけられずに、山の方に帰っていった。その様子をを眠くなったような感覚のなか私はみていた。なんの力も出せずに居ると「ヘペレヘペレ」とポンムィの声がした。小さな手で私を揺すっている

2010-11-10 19:26:22
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

「お前は本物のコタンウタリだ、仲間を救ってくれた勇者だ」とミチィが泣いていた。私はもう眠い声も出ないのだ、雪の冷たさが気持ちがよい『もう眠るよポンムィ』私はゆっくり目をつぶった

2010-11-10 19:31:13
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

私が目を覚ますとあの母さんの時にみたアイヌのつくった棒っこの花が沢山並んでいた。大好きな山葡萄も餅も小桑の実も並んでいた。模様の入った呉座に私はいた。起き上がろうとしたら

2010-11-10 19:59:58
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

私は私の耳と耳の間から軽い体になり抜けて出ていた。だけど私の体の前にいるコタンのアイヌたちにはみえないらしい。エカシが凄く丁寧な言葉でアペカムイに私の魂を神の国へ無事に届けるように

2010-11-10 20:11:20
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

母さんと再会できるようにと涙で声を詰まらせ祈る。他の神々にも丁寧にヘペレを頼むと祈ってくれている。酒がアペカムイに届きアペカムイは納得している様子

2010-11-10 20:14:50
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

コタンの皆が泣いている、ハポもミチィも涙が止まらないらしい、心配なのはポンムィ、でもしっかりしていてエカシの言葉を聞いている『よいアイヌになるなぁ』とアペカムイに告げるとパチンっと薪を鳴らして答えてくれた

2010-11-10 20:19:10
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

私の体はどんどん軽くなり、天へ空へと吸い込まれる、私は『ポンムィ』と声をかけてみた。だれも気がつかないがポンムィは空を見ている『遊んでくれてありがとう』コタンの皆にも『たくさん美味しいものありがとう』と言って

2010-11-10 20:24:26
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

母さんが歌ってくれた♪銀の心は山に置いて、金の心はコタンに置いて♪と歌いながら母さんの待ってる天の世界へゆっくりゆっくり登ってゆきました。と人間に育てられたアレスカムイが語りましたお話はコレまでです

2010-11-10 20:29:59
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

終わった終わったツィッターで物語は面白いけど。誰も読んでなさそうで淋しいね。実験的にやりました。読んでくださった方々イヤイライケレ

2010-11-10 20:33:02
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

@labrapapa ヘペレは小グマ、母さんは親グマ、狩人=ミチィ、ポンムィの父 、ポンムィ=アイヌのこども、エカシ=コタンの長老、ウェンカムイ=悪い熊、アペカムイ=火の神様、が主だったものです

2010-11-10 22:08:22
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