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レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド #6

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
小説 文学 書籍 ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド」#6
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
キュラキュラキュラキュラ……オナタカミ・トルーパーズを満載にした装甲ビークルが、一糸乱れぬ二両縦列を組み、タノシイ・ストリートへと向かう。合計6両。上空には、「通報」「今」の漢字サーチライトを投射するマグロ・ツェッペリンが4台、目的座標に向けて四方から集結しようとしていた。 1
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「ホー、ホー、ホー。久々に思う存分殺せるぜ!」細身のアマクダリ・ニンジャが、装甲車のダッシュボードUNIXに足を投げ出し、ふんぞり返った姿勢で言った。その爪先は道化めいて尖っている。「まだか?我慢し切れなくなってきたなァー!」「あと10分です」右に座る運転トルーパーが言った。 2
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「あまり興奮するなよ、マーシフル=サン。もう一度言うが、オナタカミ社の戦闘データ収集が優先だ」左に座るもう一人のアマクダリ・ニンジャ、アイアンゲートが言った。「ああ、ハイハイ。アレね…」マーシフルと呼ばれた男は、サイドミラーを一瞥する。大型トレーラーが1台、最後尾に合流した。 3
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「汚染区域な」と書かれたタテフダを撥ね除け、装甲車部隊は廃国道を前進。廃ビル屋上を跳び渡る別のニンジャが、彼らに追いついた。アマクダリではない。彼は斜め上から見下ろし、車両部隊を追い越してゆく。「ン……?」マーシフルが眉根を寄せ顎をかいた。「まァいいか……濡れるのも嫌だし…」 4
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「どうした。ニンジャか?」アイアンゲートが問う。情報によれば、敵にはニンジャが1人。マーシフルの警戒能力は、彼より遥かに鋭敏だ。だがマーシフルは風景写真でも撮るように両手の指で覗き窓を作り、空を見上げて愉快そうに笑った。「バイオ三毛猫が空を飛んでたのさ……ホー、ホー、ホー!」 5
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「……」デリヴァラーはサイバーサングラスを装着したまま、屋上から屋上へと跳び渡り続ける。KMCのアジトであるソウゴウ・シセツが見え始めた。彼のニンジャ脚力は速い。装甲車部隊よりも遥かに。ラジオ放送は先程から延々と続いている。 6
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ブンブンキュカキュカ、キューキュカコー!「ヘイ、人々、次のBGMは、狂ったジャンク・オイランドロイドを楽器として迎え入れたミクスチャー・ユニット『人工的』のデビュー曲だ!」DJゼン・ストームの調子が上がってきた。「今日が最後のレディオかもしれねえ、好き勝手やらせてもらうぜ」 7
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「ヘイ、人々!俺、DJゼン・ストームが、これを叫ぶぞ!聞け、これだ、俺の最終レディオだ!暗黒メガコーポ、NSTV、ハイデッカー、日本政府、知ったことか!」タニグチは無限の弾薬を持つマシンガンめいて喋り続ける。「一切合切を、全てブチまけてやるぜ!俺が見た事や聞いてきた事を!」 8
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タニグチは軽快で不謹慎なユーモア、そして怒りを交えながら、NSTVとハイデッカーの癒着、彼らの暗黒権力と欺瞞をリスナーに訴えた。「ヘイ、俺は何度だって繰り返すぜ。NSTVが吐き出すのは全てブルシットだ。いいか、リスナーは安全だ。どんなに不安でも早まるな。自暴自棄も絶望もダメだ」9
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「ヘイ、人々、そろそろ起きろ!敵は何なのか自分の頭で考えるんだ!」タニグチは右腕でマイクロフォンを掴む。「ガキは待て!お行儀よくしてろ!銃を持つな!五年後、十年後、それまで、力を貯めろ!自分の頭で陰謀を考えるんだ!おい、人々、陰謀だ!世界を揺り動かすような陰謀を考えろよ!」 10
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「ヘイ、相棒、生まれた時から搾取は始まってた。お前の命は、重役室で爪にヤスリをかけてる奴らのために吸い上げられてる。隣に座ってるのは政治家とNSTV!手を組んでスマイル!ヨー、そうだ、八方塞がりだぜ。いい加減腹が立ってきたな!」彼の主張は一貫している。まず、見えぬ敵を見よ。11
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「ヘイ、奴らのゲームに乗るな、怒れるタナカ・メイジン!奴らはスーツにネクタイ姿でフェアに行こうと笑い、えげつないゲームを仕掛けてくる!ヨー、奴らのハナフダ・デッキには鹿が4枚も入ってる!(原注:本来は1枚)」第二に、対抗手段を考えよ。「ヘイ、待てよ!暴力も奴らのゲームだ!」 12
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BGMは「ウェイク・オブ・アングリー・タナカ」に変わる。「ヘイ、人々!怒りに燃えるタナカ・メイジンを釈放しろ!振り上げた拳をどこに振り下ろす!?そのくらい自分で考えろ、この大馬鹿野郎!その怒りは本物か?!奴らの与えるファストフードな憎悪か?!奴らは同士討ちを狙ってるぜ!」 13
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CRAAAASH!ガラス窓を割り、突如何者かがレディオ放送中のアジトへ着地!全員がそちらを向き、チェリーやホタルダは銃を向ける!だが、トリガは引けなかった。侵入者はニスイだった。彼はクルーの甘さを見て取った。「ヘイ、人々、大丈夫だ。曲を聴いててくれ」タニグチはマイクを切る。 14
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「武器を調達してきた」デリヴァラーはレインコートを脱ぎ、担いでいた大量の武器や医療キットをチャブの上にバラ撒いた。クルー全員の分だ。「でも一番重要なのは、ためらわずにトリガを引く事なんだ。俺を撃ったって良かった。敵か味方か判断してたら、やられる。これから来るのは全部、敵だ」 15
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デリヴァラーの声は機械めいて冷酷かつシリアスだった。「敵を甘く見すぎてる。あと10分足らずで、奴らはここに来る。ここに、来る。何故こんなに長くレディオを続けたんだ」彼の焦燥感が、クルーを恐怖で圧し、黙らせる。「ヨー、ニスイ。ちょっとこっち来い」タニグチが仏頂面で手招きした。 16
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「奴らがクソ放送をやりやがった。リスナーに真実を伝えにゃならん。リスナー全員がスタンバイしてるワケじゃねえ。できるだけ長くやる必要がある」タニグチが言った。この驚くほど剛胆な男は、ニンジャの恐怖を克服していた。血と硝煙の臭いの染み付いたニンジャを前にしても、怖じ気づかない。 17
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ニスイは父の隣に歩み寄り、目を見た。「解った。でも敵が来てる。逮捕とか生易しいものじゃない。殺しにくる。だから、殺さなくちゃ」「ヘイ、俺たちの武器はレディオだ!ファック野郎共の横暴を、最後までドキュメンタリ放送だ!」「以前から疑問だった。父さんは、勝利する自信が無いのか?」 18
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「ファック!またその話か?」タニグチは拳を握りしめた。「この放送でクルーと自爆して、自己満足な勝利か、父さん。昔歌っていたことと違う」……他のクルーは息を呑んで見守った。この親子喧嘩には、誰も介入できない。ハッカーたちは攻撃に備えてタイプし、技師たちは波形を調整し続けた。 19
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タニグチは不安定な姿勢にも関わらず、息子を殴りつけようかと考えた。だが堪えた。「今も昔も、俺のメッセージは一貫してる。何だと思う?」「自分の頭で考え、自分の手にある武器を見ろ」「そうだ。暴力で抵抗しても永遠に終わりは……」「状況が変わったんだ、父さん。俺はニンジャになった」 20
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「だから俺は殺せる。人間にはできないゲームをやる。どんな敵が来ても殺す。全員殺す。俺の望みは父さんを助けることだ。リスナーがどうなっても、父さんが助かればいい。リスナーはまた作ればいい」デリヴァラーは奥ゆかしくない自らの望みを吐露した。「ファック!」タニグチが拳を振るった。 21
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「無理だ。解ってるだろ、父さん」デリヴァラーは父の拳を易々と受け止めた。「ニスイ!てめえはKMCクルーか!?俺の息子か!?それともニンジャか!?」「……その全部だ。だから一緒に銃を持って」「リスナーを見殺しにする奴はクルーじゃねえ!勘当だ!銃なんざ捨てて、とっとと逃げろ!」 22
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「父さん、センタ試験は受けられそうにない。でも、これで良かったんだ。自分が何になったか、解る。ニンジャだ。血も涙も無いニンジャだ。もっと速く、こうなっていれば良かった。そしたら、もっと速く、父さんを助けられた。……言いつけは守らない。放送を続けてくれ。俺が全部、殺してくる」 23
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「おい、待て、ニスイ!ファッキン馬鹿野郎!」「ニスイ!」タニグチや他のクルーが、ニスイを呼び止める。だが彼は、機械的なアサシンの足取りで窓へと向かった。「もう時間が無い」KABOOOM!施設前の駐車場で火柱!「仕掛けておいた対車両地雷が爆発した。戦闘開始だ」そして跳躍した。 24
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2014年4月27日
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