小太刀右京さんによるマスタリング講座(シナリオの書き方編)
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友人を探す過程については太らせることにしましょう。まずPCたちは田舎町に到達し、退屈なバーや、やる気のないガソリンスタンドのバイトや、横柄な警察官や、下品な農夫や、奇妙に無口な主婦から友人の話を聞かねばならないのです。その過程で、この田舎町の異常性を強調したいところ。
2014-04-19 01:16:54情報収集の結果見つかる、でもいいのですが、もうちょっとひねるなら、「友人の家は判定の結果見つかるが、行ってみると無人である。そこで判定を行なうと、隠し金庫から日記が見つかる」としましょう。日記を解読すると、友人が逃げ込んだ場所がわかるのです。
2014-04-19 01:17:55これで友人と会うまでのイベントはなんとかなると思います。後はトラックで逃げる箇所ですが、たとえばカーチェイスはどうでしょうか。整備不良のエンジンに悩まされたり、崖っぷちをドリフトしたりしながら、大量の狂信者を満載した追ってのトラックから逃げたり、ときには反撃したりするのです。
2014-04-19 01:19:06これでだいたいイベントは埋まった、と思います。後は、適当なモンスターデータをルールブックから抜粋し、NPCのデータをシティガイドやシナリオから流用し、街のマップに使えそうな田舎町をgoogleマップあたりから探してきましょう。固有名詞は俳優の名前あたりから持ってくると楽です。
2014-04-19 01:22:39というわけで、一例ですが自分の場合のシナリオの作り方をご説明しました。「目標を決める」→「その必要条件を満たす」→「チェックする」→「漏れた条件を満たす」の繰り返しだと、だいぶ楽が出来ます。
2014-04-19 01:23:40これでいいんじゃなかろうか、と思いますが、どんなものでしょうか。個別タイトル以外の質問でしたら受け付けます。
2014-04-19 01:25:52ちなみにネタがクトゥルフなのは、CoCでもV:tMでもビーストバインドでも神我狩でもサタスペでもトワイライトガンスモークでもメタルヘッドでもカオスフレアでも(略)使い回せるからだ、という理由付けを今思いつきました。すいません、適当です。
2014-04-19 01:26:54追記。シナリオ内のイベントを具体的にどう処理して良いかわからない(チェイスとか情報収集とか)場合、もちろん専用のルールがあれば使えばいいんですが、ないなら既存のシナリオやリプレイを参考にするとよいです。ぶっちゃけ、そのまま流用しても割と(アマチュアのレベルでは)バレないですよ
2014-04-19 01:27:54追記2。「どうやって必要条件を満たしたらいいのかわからない」という方は、いろんな映画やアニメや落語や(略)を見て、「このシチュエーションを成立させるために、前のシーンで何をやっていたんだろう」と分析するクセをつけると引き出しが広がります。
2014-04-19 01:29:04これでいいんじゃなかろうか、と思いますが、どんなものでしょうか。個別タイトル以外の質問でしたら受け付けます。
2014-04-19 01:25:52質問「ボスを倒すシナリオの太らせ方」
質問頂きましたので。ええと、「導入でボスを倒す動機を提示し、結末がボスを倒す、であるシナリオの中盤をどう太らせるか」です。たとえば、「PCたちの街に悪の大魔王が迫っている! 大魔王を倒すと終わりだ!」というシナリオですね。
2014-04-19 01:38:07まあ終わるだけなら簡単で、このシナリオは大魔王を撲殺すればいいわけです。とはいえドラマとは結果の遅延なのだ、とえらい脚本家も言っています(確か)
2014-04-19 01:40:51ではどうするのか、というと、先ほどのロジックに従えば、「結果がすぐに出る」ことが問題なわけで、ありていに言えば引き延ばしが必要になります。
2014-04-19 01:44:16なぜ引き延ばしが必要なのか。誤解を恐れずに言えばそれはキャラクターのドラマ、すなわち内在的なロールプレイの発露の場としてのイベントが行なわれず、キャラクターのテーマが表現されないまま結論に到達することが問題なのであります――ロールプレイの定義についてはトワイライトガンスモーク参照
2014-04-19 01:45:40では表現されるべきテーマとは何か。大きく分けて3つあります。 1.なんで大魔王を倒さねばならないのかという動機付け 2.PCそれぞれが持つ内面のドラマの表現 3.大魔王の強大さ、その旅の困難さの表現
2014-04-19 01:46:541の動機付けは導入で終わっているかもしれませんが、強大な敵と戦うシナリオの場合、主題を反復することができます。つまり、魔王によって被害を受けた街が現われたり、魔王の部下が悪事を働いたりし、それによって主人公たちは導入の明確さを理解するのです。
2014-04-19 01:51:152は端的に言うとPCのサブイベントです。ヒロインと絡んだり、PCの誰かの祖国に何かが起きたり、ライバルが現われたりするんですな。それぞれのPCの人間としての側面を掘り下げるわけです。
2014-04-19 01:52:08そして3ですが、これは障害としてのイベントです。たとえば、魔王の城へ行くために激流を越えたり、山を登ったり、オークの軍勢と戦ったりするわけです。
2014-04-19 01:58:18そしてこれらすべてをわかりやすく表現できる素晴らしいテクノロジーがあります――ダンジョンです。ダンジョンは閉鎖空間なので、一定以上の想定外の事態に対処出来、無法地帯なので社会的行動を考慮せずにすみ、その気になればいくらでもイチャつけ、障害は起き放題です。
2014-04-19 01:59:12まあ、もちろん地下迷宮でなくても構いません。森や山、廃墟、カオスフレアでこないだ書いたみたいに「一地方」とかでもダンジョンは書けます。複数の選択肢が存在し、そこにイベントが配置できればいいのです。そして最後の部屋には魔王がいる、というわけです。
2014-04-19 02:00:15「情報を手に入れないとたどりつけないシーン」は、つまり「鍵を手に入れないと開かないドア」と構造としては同義であり、中途に「鍵を探す」というイベントを挿入する手もあります。大分中盤を豊かにできます。ややこしくしたいなら、ドアの数を増やしたり、鍵を手に入れる手段が複数あればよいわけで
2014-04-19 02:01:26と、追記3。「最後を決めてから逆算する」が楽なのは、着地点がわかるので、「最後を決めずに最初から書く」と違って、無数の選択肢の海に溺れず、ちゃんと完成させられることです。イベント数の見通しも立てやすくなりますし。
2014-04-19 02:17:52