2014年4月18日の原子力被災者生活支援チーム会見「避難指示区域及び避難指示が解除された区域における放射線量について」

毎日、朝日、東京、共同などは報じた個人被曝線量の調査隠しの疑いについて、支援チームが釈明会見。報告書を公表。けれども毎日は翌日の報道で、公表されたものは本来の「最終報告書」から肝心な部分を削除していると批判。
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木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

4月18日に原子力被災者生活支援チームは経産省の会見室で、新聞報道のあった「調査隠し」について釈明会見。隠す意図はなかったと説明。ただし公表された最終報告書に書かれた目的が当初のものとは考えられないことなどから、会見では疑問噴出。この件については毎日新聞が今日付で続報。

2014-04-19 11:29:30
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

2)支援チームは調査目的について、個人の被曝線量推計手法を確立するためだったなど、科学的な目的を強調するも、今日、本来の目的部分を削除して公表したと批判された。→被ばく調査:「目的果たせず」削除 7カ月経て最終報告書 - 毎日新聞 http://t.co/hLNzjZqREs

2014-04-19 11:35:29
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

3)支援チームの公表した報告書の目的部分を見ると、奇妙な点があることがわかる。冒頭には「避難指示解除に向けて、原子力規制委員会は線量水準に応じた防護措 置の在り方に関して、同年 11 月に取りまとめを行い、「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方を提言した」とある。

2014-04-19 11:41:57
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

4)この提言がまとまったのは2013年11月。ところが支援チームの調査が発注されたのは同年8月で、9月には調査を終えていた。つまり調査が終わった後に、後付けで追加したことになる。なぜこのような奇妙な文言を追加しなければいけなかったのか。

2014-04-19 11:43:49
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

5)毎日新聞報道は、独自入手した「最終報告書」から本来の目的を果たせなかったとする部分などを削除したと指摘。目的の「住民の帰還後に想定される被ばく量が、航空機モニタリングからの推計値に比べ一定の低い割合になることを実証するのが支援チームの「モチベーション(動機)」だった部分もだ。

2014-04-19 11:46:24
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

6)毎日新聞の指摘のとおりなら、整合性のとれない公式発表の「目的」より、最終報告書の「目的」のほうが腑に落ちる。また昨日の会見で毎日記者は、公表された報告書には「理論的背景」「政策的背景」「地理的背景」が抜けていると指摘。もしこの内容があるのなら、これもまた腑に落ちる。

2014-04-19 11:51:53
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

7)そもそも支援チームが科学的な被曝量推計手法を確立するだけという目的で調査をするのは奇妙。しかもこの被曝量の推計手法を含め、規制委の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」は昨年9〜11月に議論をしていたのだ。支援チームは検討会に参加していたのに、調査を知らせなかった。

2014-04-19 11:56:05
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

8)支援チームの田村厚雄参事官は、知らせなかったのは調査途上だったからだと説明するが、調査をしていることすら知らせないのは同考えても奇妙なこと。会見ではこうした点について、記者が納得できる説明はなく、疑問だけが大きくなっていった。

2014-04-19 11:59:58
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

9)このため会見最後に朝日記者は「先ほどから目的がはっきりしないとか、政策的目的がないという疑念があるのが印象。隠すつもりないというのなら、途中段階の資料を洗いざらい公開してほしい。第三者から見て評価できない」と要望。支援チームの戸高秀史参事官は「出すことで混乱招く」と回答。

2014-04-19 12:02:08
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

10)いずれにしろ、支援チームがまだ公表していない情報を持っているのは明らか。だいたい調査から7か月も経って、しかも開示請求や取材を受けたから公表するという順番がおかしい。福島民友の記者は、「この調査結果をいちばん知りたかったのは誰か」とも聞いていた。もちろん、地元の人たちだ。

2014-04-19 12:05:53
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

11)民友記者はこの点について会見で、「言い訳を聞いたが、都路は帰っている。いちばん知りたい人に情報が行かなかった事実は曲げられない」と批判。しかし戸高参事官は、「都路の説明会では空間線量のデータを知らせた」と反論。昨日の会見では、支援チームに反省の色はなかった。

2014-04-19 12:09:05
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

↓ このまとめを読むと、最終報告書には科学的にも、また政策的にも公表をためらう理由があったことがわかります。しかも内閣府原子力被災者生活支援チーム(≒経産省)は、わざわざ内容を削除して報告書を公表した可能性が高く、今でも被害者に情報提供するつもりはほとんどないように感じます。

2014-04-19 12:14:44
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

.@study2007 さんの「20140418帰還後の個人被ばく推定-内閣府支援チーム、資料の顛末と内容」をお気に入りにしました。 http://t.co/QzUwEqdp4L

2014-04-19 12:11:25
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

前にも書きましたが、原子力被災者生活支援チームは内閣府に属していますが、現在の人員のほとんどは経産省との併任者です。2012年に同チームがチェルノブイリ原発事故の調査をした際は、原子力安全・保安院(エネ庁)が出張費を決済していました。この関係は今でも変わりません。

2014-04-19 12:17:07
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前)支援チームは震災後の発足時は、モニタリング担当が文科省から、避難指示区域の設定など政策面を経産省からきた官僚が担当していました。この状態は2012年夏まで続いた後、規制庁が発足してモニタリングを所管したのと同時期に文科省の人が抜けて、ほぼ経産省になりました。

2014-04-19 12:19:44
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前2)支援チームは、長いこと経産省別館の2階に部屋がありました。3階には保安院、その上はエネ庁が入っている建物でした。現在は、復興庁と同じ建物に移動しています。内閣府所属ですが、復興庁マターと重複が多いので同じ建物のほうが都合がいいようです。(以上)

2014-04-19 12:22:31