ブルネイ泊地徒然日記5

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

自室に戻ると、大和が明日着る服をタンスから取り出しているところでした。「あ、提督。おかえりなさい。鳳翔さんのお店、行かなかったんですか？」ああ。少し、話したいことがあるから。「何ですか？」ん、まあ、その……とりあえず、座ってくれるか？「ええ」 #ブルネイ泊地徒然日記

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敷かれた布団の上に正座し、大和と向い合って膝を突き合わせる。まずは、最初に俺の……私の本当の姿について、話したい。大和は、真剣な表情でこちらを見つめ、頷いた。私は、前弩級戦艦、敷島型戦艦4番艦 三笠だ。大和は、瞬き一つ、しなかった。 #ブルネイ泊地徒然日記

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「三笠、というと、あの連合艦隊旗艦の……」そう。東郷提督や伊知地艦長をお載せした「あの三笠」よ。「……冗談、ではないですよね？」もちろん。今までは、記憶を失っていた……でも、これまでのことはちゃんと覚えているから、安心して。「俄には信じがたいですが……」#ブルネイ泊地徒然日記

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「でも、提督が嘘を仰るとは、思えません……一体、何があったのですか？」それを今から話そうと思う……といっても、ほとんど霧島からの受け売りと、私自身のほんの少しの記憶でしかないから、あまり詳細ではないけれど……でも、聴いてくれるかしら #ブルネイ泊地徒然日記

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私は自分が艦娘だった頃を完全に覚えているわけじゃない。提督の顔も名前も、共に戦った姉妹たちも、全ては靄の向こうで、ただなんとなく、「こうだった気がする」とい程度のこと。それでも、一つだけ確かなのは、私が三笠である、ということ。 #ブルネイ泊地徒然日記

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自分がどうして深海棲艦になってしまい、どうやって殺されたのかもわからないけれど、今こうしている、ということはきっと「そういうこと」何だと思う。私はその時に、自分自身のことを含む全てをドロップ以前のことといっしょに忘れてしまった。情けない話だけどね。 #ブルネイ泊地徒然日記

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それからは、身体も適当な強化クローン体、記憶もどこかの誰かの借り物を使って、一人の提督として、このブルネイ泊地でやってきて……それから、貴女と、その…… 視線のやり場に困り、そこらをキョロキョロしていると、大和は優しく微笑んだ。 #ブルネイ泊地徒然日記

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「たとえ提督が本当は戦艦娘でも、大和のことをちゃんと覚えていてくれるなら、提督は、提督のままです……だから」大和は前のめりになって右手を私の頬に触れさせた。「提督が女性でも、提督のことを、大和は、お慕い申し上げます」唇同士が触れ合うのに、時間は必要なかった #ブルネイ泊地徒然日記

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執務室でいつものように書類を処理していると、不意に日向が入ってきて、しばらく何をするでもなくじーっとこちらを見ています。何か用か？「いや……最近、私好みの幸薄い戦艦娘の気配を感じることが増えてな。なんとなく、ここに来てみた」ほお。そうか。 #ブルネイ泊地徒然日記

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いてもいいから、邪魔はするなよ。というか手伝え。「丁重にお断りさせてもらう。ところで、このところ君からメスのにおいがするんだが……」気のせいだ。「何かあったのか？」気のせいだ。「なぜそんなムキになる」気のせいだ。「……ふぅん。まあ、いい。これで失礼するよ」 #ブルネイ泊地徒然日記

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本格的にまずい。私のことがバレたら確実に犯される。確実に。エロ同人みたいに。エロ同人みたいに。 #ブルネイ泊地徒然日記

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そういえば、飛び出していった霧島と榛名はどうしているでしょう。無事に帰ってきてくれればいいのですが…… #ブルネイ泊地徒然日記

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一日の執務を終える頃、記憶を取り戻してから、この鎮守府で時々貞操の危機に関わるような気配を感じる、と何の気なしに大和に打ち明けたところ、大和の目つきが妖しくなり、「そうですね……本当に女の子になったのでしたら……今日は……」と今までにない雰囲気です #ブルネイ泊地徒然日記

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ねえ、何で私の部屋にそんなモノがあるの？「龍田さんからお借りしました」いきなりそんなの無理だから！「大丈夫です。ちゃんとローションもあります」無理！無理だって！「さ、洗うところからはじめましょうね？」待って！抱き上げないで！大和！？大和さん！？あっ #ブルネイ泊地徒然日記

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昨晩はひどい目にあった……まさか大和があんな……あんな……でも……「女の子」にされるのが、あ、あんなに気持ちいいなんて……うぅ……悔しい…… #ブルネイ泊地徒然日記

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居酒屋鳳翔でワインを頼むと、「提督、お酒の趣味お変わりになられました？何かあったんですか？」ときかれました。流石に鳳翔さん、鋭いです。危なく吹き出すところでした。 #ブルネイ泊地徒然日記

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艦娘たちに私の正体、ましてや性的指向についてバレるわけにはいきません。いいように嬲られ慰み者になるのがオチです。特に戦艦空母、軽巡艦娘にはバレてはいけません。つまり主力組です。霧島組です。無理な気がしてきた。 #ブルネイ泊地徒然日記

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カウンターでお酒をいくらか飲んで大和もそこに合流したあたりで、座敷席の方から誰かに呼ばれました。振り向くと無数の酒瓶に囲まれてべろんべろんになった赤城と、すでに潰れて赤城に膝枕されている加賀がいました。いつからあんなに飲んでたの…… #ブルネイ泊地徒然日記

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「てえとくぅ、しゅつえきしましょぉお」一升瓶を振り回しながら怪しい呂律の赤城がそう言います。何言ってるんだ。さっさと部屋戻って寝ろ。というか、よく見ると赤城も加賀も道着が開けて色々と零れそうになっています。何でこの娘たちこんな無防備で……目のやり場が…… #ブルネイ泊地徒然日記

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「なんれれすかぁ！しゅつえきしまじょおぉよぉ！！」真っ赤な顔と危ない目つきの赤城がやにわに立ち上がり、当然加賀は頭を畳にぶつけて、歩き方を練習いる途中の赤ん坊みたいな状態でこちらに近づいてきました。もう服は脱げかけです。「れっぷうとばしたいんれすおぉ！」 #ブルネイ泊地徒然日記

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「いいですよねええぇ！！てえとくぅぅう！！」ひっつくな！ああもう鬱陶しい！ 赤城の身体は酒のせいか生来のものか、湯たんぽのように暖かく、胸とか腹とか色んなところが柔らかくて……うへへ……いけない！私には大和が！というかすぐそこに大和が！ニヤけるな私！ #ブルネイ泊地徒然日記

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赤城と加賀は、たまたま店に来た伊勢と長門担がせて部屋に返しました。大和と飲み直しです。「提督……さっき赤城さんの体に、興味がお有りのようでしたが……」じっとりとした視線を向ける大和も、可愛らしいものです。「あんまり、他の娘にデレデレしないで下さいよ……？」 #ブルネイ泊地徒然日記

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昨晩大和と呑んでいたことと、部屋に帰ってからのその後のコトはしっかり覚えてるんですが、なぜ私は大和に裸絞をキメられているのでしょうか。私の体の危機管理能力、これでいいのか。 #ブルネイ泊地徒然日記

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演習が終わったあと、興奮状態の夕立に噛み付かれました。頭を撫でようとした所、目にも止まらぬ速さで頸動脈をガブリ、です。いくらかの青い血潮を浴びてからようやく冷静さを取り戻した夕立は、「てーとくさん。味、変わったっぽい？」と首を傾げています。 #ブルネイ泊地徒然日記

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時雨に夕立を引き剥がしてもらい、かなりの血が抜けて意識が朦朧とした私は大和に負われてドック行きです。我ながら情けない……しかし、やっぱりこの鎮守府、変に鋭い娘ばっかりですね……いや、夕立はさすがは私の娘、という気持ちも強いんですが…」 #ブルネイ泊地徒然日記