肉塚斬首之介さん ( @kyounenn25 ) の怖い話

肉塚斬首之介 @kyounenn25

今更そんな事言われても困る。

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[鬼の子]

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少し長い話なので何日かに分けて呟きます。話は怪談収集癖のある知人のA君のから始まる。A君の談。

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僕の働いてる、まあ小さい会社なんだけどその会社の去年の忘年会の時に知らない顔の男性がいたんですね。社長の友達らしくて。で一緒に呑む事になったんですよね。

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忠明さんって名前の物静かな人で身なりは綺麗で40前ぐらいの。その日はまぁ適当に呑んで別れたんだけど後日社長から忠明さんがお前を気に入ったからまた呑みに行きたいらしいからって言われたんですよね。まぁちょっと意外だったんだけど。ほとんど会話を交わしてなかったから。忠明さんと。

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社長が結構胡散臭い人だったんで忠明さんもちょっと胡散臭い人なのかなって思ったんだけどなんか妙な魅力がある人で忠明さん。自分でもよくわからないけど「はい！是非！」って変な高揚感があって。

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でサシで呑みに行く事になったんですよね。ただ社長が「変わってるからあんまり深入りしないように」って何故か俺に言って。社長は忠明さんより二周りぐらい歳上なんだけどなんか忠明さんを畏怖してる感じは忘年会の時から感じてはいたんですね。

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で待ち合わせの場所に行くと忠明さんがいて「俺の知ってる店でいい？女の子とかいない店だけど。」って言うから「はい。」って応えてジャズが流れる小さいBARみたいなところに行ったんですよね。

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で忠明さんと肩を並べて呑んでたら忠明さんが「変な話好きなの？」って聞いてくるから「えっ、あっ、はい。」って答えたんですね。多分忘年会の時に他の人に喋ってたのを聞いてたみたいで。

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で「変な話あるけど聞く？」ってまた忠明さんが言うからまぁ興味あったんで「はい。」って言ったんですね。その瞬間、初老のバーテンの顔が曇ったんだけど。忠明さんは静かに話し始めて。

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そこから記憶が無いんですよ。いやビール一杯呑んだだけで酔っ払ってたわけでもなく。気づいたら帰るところで店を出て忠明さんを見送る背中を見ててそこで我に返った感じなんですよ。

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ただなんか凄い変な話を聞いた記憶があるような無いような不思議な気分で。でそれからしばらくしてそのBARに1人で行ってみたんですよ。どんな話してたかバーテンの人が覚えてないかな。って思って。

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で店に入って注文して聞いてみたんだけど社長に言われたみたいに「あんまり深入りしないほうがいい。」って言われて。これ以上聞くなって雰囲気だったんで一杯だけ呑んで帰ろうとしたんですね。

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したら入り口のドアが開いて。客が来たのかと思ったんだけど入ってくる様子が無いんですよ。で店を間違って誰か来たんだと思ったら。

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包丁。よくキッチンとかにある普通の包丁が床をスーッと這ってドアから入ってきたんですね。「えっ⁉」って思ったら何か店内を見回すような動きしてまたスーッと這ってドアの外に出て行ったんですね。

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で固まっちゃって。僕。横にいた他の客も確実に見てたんですよ。僕と顔見合わせましたもん。したらバーテンが急いで電話し始めて。その時「◯◯さん」て相手を呼んだんだけどそれが忠明さんの名字だったんですね。

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で、とりあえず僕家に帰って…。まぁ、それだけの話なんですけど…。

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その話を聞いた僕は興味を持った。というかワクワクした。是非そのBARに連れて行ってくれとA君に頼んだ。しかしA君は難色を示す。仕方ないので場所だけ聞いて1人で行こうとするとA君の電話が鳴った。忠明さんからだった。A君は電話に出て「はい。はい。」と返事をしている。

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そのうち「えっ⁉はい。あー」と何やら焦っている。そして電話を耳から離すと「忠明さんが話があるからまた呑みに行こうって言ってるんだけど…横の彼も一緒にって…」と言った。

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もちろん今日A君と僕が会っている事を忠明さんは知らない。一瞬躊躇したが僕がA君にOKの仕草をするとまた暫く相槌を打った後にＡ君は電話を切った。待ち合わせは例のBARの前らしい。「店には一緒に入店したほうがいい」と忠明さんは電話の最後に言ったらしい。

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こうして僕は3日後の夜に忠明さんと対面する事になった。

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最初に言いましたが長い話なので続きはまた呟きますね。

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で３日後の夜に忠明さんに会う為に待ち合わせ場所の例のBARの前にA君と向かったんですね。A君は相変わらず浮かない顔をしてたんだけど。BARは繁華街から少し外れた路地にあるビルの２Fで目の前には当時流行っていた「出会い系喫茶」があった。