スチームパワード 第1話#3(実況なし)

「ダイハードテイルズ出版局(ニンジャスレイヤー翻訳チーム)」によるツイッター連載小説"スチームパワード"より @diehardtalesによる第1話#3のまとめ(実況なし) #1 http://togetter.com/li/648050 #2 http://togetter.com/li/653266 #3 (今ここ) 続きを読む
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ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

◇エッ!?今日は20時頃からニンジャスレイヤー殺(キルズ)のTwitter更新があるんだって〜!?さて、ちなみにこのアカウントはダイハードテイルズ出版局のもので、われわれ翻訳チーム者などが、なんか気の向いた時に、書きたいものをリアルタイム書きます。◇

2014-04-23 16:05:48
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

◇なお、このアカウントのコンテンツのタグは概ね #DHTLS が推奨されます。「スチームパワード」の他、単に翻訳アジト曲目を書くだけのダイハードラジオ局や、エイプリルフールで思いのほか普通に好評だったので味を占めた「忍者スレイヤー」シリーズも今後そのうち予定されています。◇

2014-04-23 16:08:45
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

◇本日このあと準備ができ次第「スチームパワード」の更新があります。なんだいマデリーン?お話の続きだよ。忘れてしまったのかい。うん、前回、80メートルぐらいある巨大なスチームパワードが立ったところだね。 #DHTLS

2014-04-23 16:44:07

ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

△「スチームパワード?」「敵の武器はマニトウとスチームとガンパウダー。博士はその秘密を暴き、対抗するために、密かにスチームパワードの研究を進めていた。そしてあなたは、博士からスチームパワード操縦の全てを授かった」「それで、この縁起でもないカンオケは、なんなんだ?」「操縦席よ」△

2014-04-23 17:33:33
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

△「じゃあ、ボクシングしてきてやるよ」「幸運を祈るわ」「ちょっと待った。大事なことを思い出した」「何?」「俺はまだ、スチームパワードの操縦方法を思い出していない」「これで思い出せるかも」「AIEEEEEEEEEE!」△

2014-04-23 17:34:38
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

△二度三度意識が飛んだ。気がつくと、俺は丘の半分を吹き飛ばし、湿った土や埋葬物を撒き散らしながら、ゆっくりと立ち上がっていた。正確には、それは俺じゃなく、俺が操縦する身長300フィートの蒸気巨人だった。俺はシックス・フィート・アンダーの中に座り、鋼鉄の心臓部に格納されていた。△

2014-04-23 17:35:03
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

俺はどこにいる?はっきりわかるのは、ここがとにかく狭いという事だ。まるきり動けない。背中も掻けやしない。「こいつは。たまらねえ」俺は少し頭を動かそうとしたが、ダメだった。しっかり固定されてる。それから、激痛だ。とんでもない痛みだ。脳天に杭を刺し込まれたような痛みだ。1

2014-04-23 17:41:37
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

足元にはミニチュアじみた丘や街並み。正面やや遠くに、例の真鍮巨人野郎がいる。そうだ。頭をがっちり固定された俺は、両目にあてがわれたメガネに映し出される映像を見ているってわけだ。チーン!チーン!その時、このクソ狭いコクピットに、けたたましいゴング音が鳴り始めたから、たまらない。2

2014-04-23 17:45:50
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

「やめろ!ヤメロ!」俺は悲鳴を上げるしかない。いや、待て。ゴングの発生源は、手もと付近にある真鍮受話器だ。チーン!チーン!チーン!チーン!俺は受話器を掴んだ。「もしもし!そろそろやめてくれないか」「私よ。ミシェル」不明瞭な音声が答えた。「調子はどう」「何て答えてほしいんだ」 3

2014-04-23 17:51:55
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

「あなたは今、スチームパワードの中にいる」「すごい秘密情報だ。嬉しいね」「大丈夫?目的は思い出せる?」「あいつとボクシングする」俺は敵の真鍮巨人を見た。奴が踏み込むたび、地響きがこっちまで伝わり、足元の建物やら門やらが粉々に砕けていく。「それより頭が痛いんだ。たまらない」4

2014-04-23 17:58:16
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

「すぐに楽になる」ミシェルが答えるか答えないかのうちに、確かに俺は楽になった。左腕の動脈にチクリとする感覚があった。途端に俺は、真っ白な波に押し流された。いや、コクピットが浸水したわけじゃない。比喩だ。快楽だ。恥ずかしい話だが、その時俺は声まで出ていた。ミシェルも聴いただろう。5

2014-04-23 18:06:12
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

脳天を貫く痛みは一発で吹き飛び、俺の精神は天高く飛翔した!幻覚?神秘体験?幽体離脱?なんでもいい。俺は自分を空から見下ろした。ピカピカの真鍮の巨人を。獅子のような猛々しい頭部、巨大なリングが何重にも嵌められた巨腕、煙を吐き出す背部器官。スチームパワード、サンダーウォーカーだ! 6

2014-04-23 18:18:44
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

『よいかね、△▽△君』年老いた声。わかる。記憶のフィードバックだ。『このトレパネーション手術と神経接続のテクノロジーによって、人間が動かすように元来造られていないスチームパワードを操縦する事が……そうか。さすがだ△▽△君!素晴らしい決断力だ。どのみち君しかいないのだが……』7

2014-04-23 18:26:49
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

「博士!」俺は急かした。「今、取り込み中なんだ。思い出せないんだが、確かサンダーウォーカーには……」『△▽△▽△▽△は非常に強力な武器だが、使い所を選ばねばならん。まずは△▽△▽の使い方を学ぶことから……』「何て言った?それでもいいから、もう一度……」『△▽△』「おい!待て!」8

2014-04-23 18:31:58
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

「危ない!」ミシェルの叫びが俺をコクピットに呼び戻す。俺は受話器を取り落とし、慌てて真鍮の制御ハンドルを掴んだ。敵のスチームパワード野郎が前傾姿勢を取った。その背の甲羅がバックリ割れた。「攻撃が来る!避けて!」垂れ下がった受話器からミシェルの声。「どうやって!」「わからない!」9

2014-04-23 18:42:32
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

敵スチームパワードの背中から迫り出したのは、何らかのカタパルト機構だ。俺は避けようとした。サンダーウォーカーは横へ数歩、移動した。公会堂が巨人の脚を呑み込み、プリンみたいに砕けた。ゴウン!カタパルトが放物線を描いて放ったのは、直径20メートルはあろうかという巨大な歯車だった。10

2014-04-23 18:50:13
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

俺は奥歯を噛み締めた。避けられない!俺はサンダーウォーカーの両腕をクロスさせた。あれは俺が11歳の夏だった。バスを待っていた俺の目の前で、クルマ同士が正面衝突した。吹き飛んだ車輪が、道の反対側でジャッキ作業をしていた作業員達の頭上に落下し、叩き潰した。ひどい眺めだった。 11

2014-04-23 18:57:30