暗礁艦隊その３

CF型マシニーカhir @hir_CF

利根筑摩が履いてないと聞いた。彼女らは第四艦隊事件で溶接が見直されリベットに先祖帰りしたが戦闘の損傷で船体が歪み水漏れした。つまりはいてないということは彼女らがぱんつ=溶接に守られていないことを示すに違いない。

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「これは不味いな」 「不味いね」 七輪で正月の残り物の餅を焼きながら提督と時雨。 別に味議論ではない。 「一体何匹この周辺に潜り込んでるんだ、奴らは」 間宮を襲った者を含め七体。深海棲艦との戦争初期ならともかく現代ではまず見ない上陸数だ。ただ事ではない。 #暗礁艦隊

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利根「おお！とうとう我が輩にも改二が来たのだな！！」 提督「運営からだ…戦果を十分に上げた鎮守府以外利根型・ビスマルクの改二を禁じる」 利根「な、何故じゃ！？理不尽じゃぁぁぁ！？」 提督「俺もそう思う。運営死ね」

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既に近場の鎮守府には警戒を呼びかけているが戦力を揃えるのは難しい。鎮守府はそれぞれが独立した総合武装組織であり、他の鎮守府は単なる同業者にすぎないからだ。緊急時はそれでも相互扶助しあうこともあるが、今のところどこも自分の受け持つ地域で手一杯だ。こんな時零細は辛い。 #暗礁艦隊

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「あ、魚醤取って」 かつて深海棲艦が跋扈し始めた頃、この国は滅びかけた。資源も食料もなく、人口の半分が飢えで死んだ。各国は深海棲艦に戦いを挑んだが勝てなかった。奴らは無尽蔵に増える。単体なら倒す事は不可能ではないが数が多すぎた。奴らに一々ハープンを撃っていたら破産する #暗礁艦隊

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追い詰められた日本人は凄かった。物作りニッポン万歳。安価で小型で頑丈で高性能。自己判断までする。携帯電話を扱えないようなおじいちゃんおばあちゃんでも扱える。なによりマスプロできる。そんな超兵器を生み出した。それは、女の子の姿をしていた。 #暗礁艦隊

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深海棲艦のコピーなのでは？という説もある。実際問題奴らが材料だ。だが中身はそっくり入れ替わっている。魂はほんとかうそかは本人にも分からないがかつてこの国を守っていた船だ。不信の声はあった。だが事態は逼迫していた。なにより彼女ら艦むすは可愛かった。可愛いは正義なのだ。 #暗礁艦隊

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深海棲艦ひの反撃は極東の小さな島国から、可愛い娘さんたちによって始まった。歴史の転換であった。いまここに戦争は人類の手を離れたのだ。 #暗礁艦隊

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艦むすはその数を一斉に増した。生産は町工場でもできる。維持費は高いと言われる戦艦でも2tトラックより安い。日本はほぼ無政府状態。艦むすを擁する組織や個人は増え続けた。誰にも統制できない。だが深海棲艦という共通の敵が彼らに同じ方向を向かせた。鎮守府が乱立する理由である。 #暗礁艦隊

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そう言えば #暗礁艦隊 でセリフすらなく瞬殺された浜風出したけどけれでキャラ把握できるからセリフも出せるな

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トンテンカントンテンカン。 妖精さんは働き者だ。今日も六匹分の駆逐艦の死体をつなぎ合わせて新しい艦むすを作る。前回重巡一隻から衣笠ができたのは割とラッキーだ。大抵は使える部分を組み合わせて作る。余った部分は資材として売り払い艦むすへの再利用コストへと消えるのだ。 #暗礁艦隊

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「…なあ。これ新種か？」 「うん、ちょっとまって。彼女は初風。新種じゃないけどレア中のレアだね。大鳳や大和より珍しいよ」 「…ドロップはするんだな？」 「深海棲艦集積地で特殊化した個体を素材にしないと出来ないんだ」 「つまりあれか。一大イベントが始まったのかここで」 #暗礁艦隊

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イベント。生き延び、経験を蓄積した深海棲艦がは稀に鬼や姫と呼ばれる強力な個体へと進化、いや特殊化する事がある。彼女らはその発達した知能で深海棲艦を組織化し、強大な軍団となる。そうならないよう、普段から零細鎮守府ほど間引きに熱心だ。その彼にとってこれは悪夢に等しい。 #暗礁艦隊

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その軍団との戦いは単一の鎮守府の手に負えるレベルではない。そのため多くの鎮守府を巻き込むこの戦いは揶揄を込めてイベントと呼ばれている。 「分かった。彼女も起動しよう。人手が必要だ。あと、未起動の予備艦リストを後でくれ。何人か起こす。」 「うん、わかったよ」 #暗礁艦隊

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「うう…ちょっとは役に立ちたいわぁ」 あれだけの騒ぎがあった後だけに村立図書館は閑散としていた。 置いてある本は古臭いがきちんと保管されている戦争初期の混乱から知識を守ったのは図書館だ。その知識の宝庫に山城はいた。 #暗礁艦隊

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艦むすは前世の記憶を持って生まれてくる。なので戦闘に関しても古臭い面こそあるがスペシャリストだ。とはいえ新種の兵器であるがゆえに艦むすの戦術は洗練されたとは言い難い。山城はWW2以降の書籍から何かヒントを得ようとしていた。 #暗礁艦隊

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読んでいるのは着弾観測について。深海棲艦・艦むすは共に原形艦より遥かに小さいため、着弾の水柱が立つと隠れてしまう。砲弾の着弾までの時間の問題もあり、わざわざ上空からの着弾観測する意味は小さかった。 「うーん。やらないよりはマシかしら…」 山城は何か 思いついたようだ。 #暗礁艦隊

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「というわけで、諸君にはカッコカリイベント海域カッコトジル、仮称E1へ突入、威力偵察してもらうことになった」 「あの。素朴な質問なので恐縮なのですが。提督、何故陸の地図なんでしょうか？」 「いい質問です神通くん。結論から言うと、深海棲艦が上陸した可能性があるからです」 #暗礁艦隊

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磁石で地図を貼り付けた黒板にさらさらと書き込んでいく提督。 「我々は目と鼻の先に泊地を作られた可能性がある」 「ひっく。あのさー提督。たまたま大勢上陸してきたってのは？」 「ある。なので調べてもらいたい」 「へーい」 隼鷹に答えると、提督はメンバー割り振りを発表した。 #暗礁艦隊

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「で？なんでピクニックみたくなってんのよ！？」 ぶち切れる霞。機関と武装の代わりにリュックとロッドを持たされている。 「まあまあ。落ち着こうよ」 そう言うのはどうみてもハイキングする気満々な格好の時雨であった。緑と紺色のチェック柄の服装と枯れ草色の帽子がよく似合う。 #暗礁艦隊

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「じゃあ準備いいかな？」 「こら人の話聞けってば！」 「提督の決定だよ？」 「でもこんな…」 「決定だよ？」 「あーもー！！分かったわよ！？」 「よし。じゃあ行こうか」 時雨に押し負ける霞であった。 #暗礁艦隊

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「ねえ。なんでわざわざ地図はともかくコンパス見てるわけ？人間の真似事？」 艦むすは擬人化させられた艦艇であるため一切の機器なしでも自力で航法ができる。 わざわざ小休止してまで地図を確認している時雨は不合理だ。 「そうだよ？“人間っぽい”よね？安心した」 #暗礁艦隊

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「は？あんたとうとう壊れた？」 「いやいや。これは人間に見えるのが重要なのさ。何のためにハイカーに偽装してきたと思ってるのかな」 「えっ？まさか深海棲艦に脅威だと思われないため？」 「霞、提督そんなに嫌いなの？ちゃんと説明してたじゃないか」 時雨の言葉に同意する仲間達 #暗礁艦隊

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「しょ、しょうがないじゃない！？霞型は提督嫌いがデフォルトなんだから！？」 「直してくれると、僕、嬉しいかな」 「うっ…考えておいてあげるわよ！そ、それより時雨、あんたこそあの提督のとこがそんなにいいわけ！？」 「…僕は、提督の犬だから」 「…はぁ！？」 #暗礁艦隊

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「おかしいってば！？やっぱり壊れてるわよあんた！？」 「どうだろうね。あの人は艦娘を人間とは見てない。かと言って、道具というのも違う。パートナーとして見てくれてるし、愛してくれてさえいる。僕が死ねば泣いてさえくれると思う。けどそれは、長年連れ添った猟犬に対するものさ」 #暗礁艦隊