log・色々

色んな小ネタ・即興短編 2014年辺りに書いたやつ
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↓千年祭自分ログ

sunny_m @sunny_m_rainy

色んな人の千年さんについての語りを見ていると、それぞれの千年さんたちの話を読みたくなる。けど、ひとりの千年さんについて、各時系列に分けて色んな人が書いた話も読みたい。

2014-04-29 23:32:12
sunny_m @sunny_m_rainy

灰色の亡骸(同胞)達を踏みしめてでも与えられた歌を歌い継ぐために生きる千年さんも、放浪しても必ず同じ場所に戻ってきて誰も知らない歌をその地で眠る人に歌う千年さんも、死んだあなたのことをそれでも守り続けて歌を歌う千年さんも、美味しいです。

2014-04-29 23:44:38
sunny_m @sunny_m_rainy

ロマンだけを追いかけた私的千年さんは、歌を集める旅をする人で、年をとらないモノで、永い時の途中で動く事のできない人(脚が悪い的な)に会って、その人のために歌を集めるようになって、旅に出てる途中でその人は定位置からいなくなって、探して、探して、途方に暮れて、放浪の果てにスミレの丘。

2014-04-30 20:32:09
sunny_m @sunny_m_rainy

定位置にいたはずの人がいなくなった理由は、死、なのだろう、けど、千年さんは死んだ姿をしらないし、死ぬ前に雲隠れされたから、実感なくて、まだどっかにいるんじゃないか、って、放浪!みたいな!ね!

2014-04-30 20:34:56
sunny_m @sunny_m_rainy

壊れた同胞たちからパーツを頂くバージョン千年さんをロマンで追いかけたらば、次のようになる→死ぬの嫌、ていうのが事の始まりで、パーツを拾ったり奪ったり貰ったりして、その度にパーツの元の持ち主の記憶が千年さんを侵食していって、だんだん自分の記憶もあやふやになって、

2014-04-30 20:44:05
sunny_m @sunny_m_rainy

→記憶があやふやになるの怖くて、でも死ぬの嫌で、すがるようにうたう歌があって、でも誰からもらった歌なのかあやふやになってて、色々と回線が混線してるくせに、気がつくといつも歌うのはこの墓標の前。ていう。

2014-04-30 20:47:14
sunny_m @sunny_m_rainy

名刺裏SSていうかもう名刺じゃないよね的なものの全体図そのいち。 加筆修正してうpしました。 【テキスト:KAITO】―千年祭― ~千年の独奏歌名刺裏SS~(by sunny_m) #piapro piapro.jp/t/NW3X  

2014-06-30 23:19:31

↓お薬飲みなさいSSログ

sunny_m @sunny_m_rainy

sunny_mは大丈夫。お薬があるわ。お薬がたくさんあるから。もう誰もいないわ。お薬を飲みなさい。お薬を飲みなさい。お薬がたくさんあるから。お薬を飲みましょう。安心しなさい。嘘じゃない。怖くない。 shindanmaker.com/344032

2014-05-08 21:16:31
sunny_m @sunny_m_rainy

あなたは大丈夫、お薬があるわ。姉は微笑みながら私にそう言った。お薬を飲みなさい。優しく微笑んで姉が私にお薬を差し出した。たくさんのお薬。私のために姉が用意をしてくれたたくさんのお薬。お薬を差し出してきた姉の手は赤く濡れている。

2014-05-08 21:46:15
sunny_m @sunny_m_rainy

姉の行い全て私のための事なのに、けれど、目の前に晒されたほのかな温かさをはらんだ赤が恐ろしい。口を引き結び首を横に振る頑なな態度の私に、姉は辛抱強い態度で語りかけた。もう誰もいないわ。だからお薬を飲みましょう。

2014-05-08 21:47:30
sunny_m @sunny_m_rainy

穏やかで優しい、けれど有無を言わせない強さを持った姉。強い姉はお薬なんかいらないのだろう。お薬がなくても大丈夫なのだろう。でも私は駄目だ。姉のような強さを知らない私はきっとお薬がないと駄目だ。たとえ嘘だろうがなんだろうが、お薬が私には必要なのだ。私は震えながら口を開いた。

2014-05-08 21:48:04
sunny_m @sunny_m_rainy

姉はまるで雛に餌をやる親鳥のようにお薬を私の口の中にお薬を入れる。赤く濡れた手から与えられたお薬を私は咽下する。ごくりとお薬を飲み込んだ私を見て満足げに姉が笑う。その手を濡らす赤よりも鮮やかに姉が笑う。いつの間にか震えてはなくなっていた。お薬が効いてきたのかもしれない。

2014-05-08 21:48:26
sunny_m @sunny_m_rainy

姉の赤い手が私の頬を褒めるように撫でた。撫でられた私の頬にはひとすじの赤い色彩が宿る。もう怖くない?姉が訊く。もう怖くない。姉に与えられた赤の他にはなにもかもをなくした私はそう返事をした。

2014-05-08 21:48:35
sunny_m @sunny_m_rainy

お薬飲みなさい即興、という名の現実逃避。…短いのを書く練習って言っておく。…難しい(´・ω・`)

2014-05-08 21:53:40

↓水槽の中の青年ログ

sunny_m @sunny_m_rainy

海水と同じ濃度の溶液で満ちた、円柱状の水槽の中。直立状態で青い髪の青年は収められていた。頭から水中に沈み込んでいるというのに、青年に苦しげな様子はない。瞼を閉じたまま、その青い髪を、身に纏う白いコートの裾を、首に巻いた青のマフラーを、ゆったりと水中にたゆらせている。

2014-07-11 00:02:59
sunny_m @sunny_m_rainy

閉じた瞼の向こう側には、髪よりも深い蒼が存在するらしいが、残念ながら見たことはなかった。「ずうっと眠っているの」青年の今の持ち主である少女はおっとりとした様子でそう言った。「彼の最初の持ち主であるひとが亡くなってからずうっと」少女の言葉に、私は少し考えてから質問をした。

2014-07-11 00:03:22
sunny_m @sunny_m_rainy

「壊れているのでは?」「ううん、眠っているだけなのよ」そう少女は言って「彼は、自分のマスターがいない世界に絶望して眠りについてしまった。けど、彼を生かし続ける事は、彼の最初の持ち主、彼のマスターの遺志なの」

2014-07-11 00:03:38
sunny_m @sunny_m_rainy

眠りについてしまった彼を長く保つため、こうして溶液に浸し、保存しているのだという。スリープ状態だと、体を維持する部分が傷んでしまうのだそうよ。少女の説明に私は再び視線を青年へ向けた。確かに青年の格好は前時代的だし、カラフルな髪色も今の流行りでない。

2014-07-11 00:03:56
sunny_m @sunny_m_rainy

「しかし、眠っているアンドロイドにピアノを聴かせるなんて仕事ははじめてです」一体どんな金持ちの道楽だ、と皮肉を滲ませながらそう言ってみたのだが、少女がおっとりとした態度を崩すことはなかった。「ギャラに不満でも?」「…いいえ」私の言葉に、少女は良い音を期待しているわ、と微笑んだ。

2014-07-11 00:05:09
sunny_m @sunny_m_rainy

「私も、彼も、音楽に関しては厳しいわよ」おっとりと笑んだままそう言って、見て、と少女は水槽の中の青年を指差した。促されて視線を向けたが、相変わらず青年は目を閉じたままだ。意図が判らず首を傾げた私に、ほら、と少女は再び指差した。「ほら、口元よ」

2014-07-11 00:08:21
sunny_m @sunny_m_rainy

少女に指摘され、青年の口元から泡がこぽこぽりと生じていることに気がついた。蒼灰色のひかりを帯びて気泡はこぽこぽと水面へと立ち上り、儚く消えてしまう。「歌を歌っているのよ」少女はそう言った。「彼のマスターが彼に教えた歌を、今でも繰り返し歌っているの」

2014-07-11 00:09:35
sunny_m @sunny_m_rainy

とても優しい声なのですって。聴いたこともない彼の歌声に思いを馳せているのか、夢見るような調子でうっとりと少女は言った。「この水槽から出したら、彼の歌は聴けるのですか?」私の問いに、ええ、と少女は頷いた。「その代わり、彼は壊れてしまうけど」

2014-07-11 00:10:15