一日二行小説「ゴーストゲーマーアカギ(仮)」

ツイッター上で一日二行ずつ更新するボードゲームをテーマにした小説です。 小説を書く訓練にいいのではないかと思って始めました。 思いつくままに書いています。
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みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

どうも困ったことになった。僕はどうやら死んでしまったみたいだ。 #一日二行小説

2014-04-28 07:03:47
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

目が覚めると(という言い方もおかしな表現だとは思うけれど)、僕は学校の部室にいた。 #一日二行小説

2014-04-28 07:05:32
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

いつも見慣れた盤上遊戯部の部室だ。 所狭しと置かれたボードゲームの山が、目覚めた僕の眼前に広がっていた。#一日二行小説

2014-04-29 01:05:33
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

一瞬、僕も何が何だかわからなかった。なぜ、部室にいるのだろうか、と。 訳が分からないまま、咄嗟にボードゲームの箱を手にとろうとした。#一日二行小説

2014-05-01 06:55:07
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

「あれ?」だが、その手は虚しく空を切った。 いつも触りなれていた箱の感触はおろか、スチール製のラックさえ僕の手は素通りしてみせた。#一日二行小説

2014-05-01 06:55:52
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

最初は夢を見ているのかとも思った。でも、僕の記憶はすぐさまそれを否定した。 すぐに思い出せたのは学校からの帰り道の風景だ。#一日二行小説

2014-05-01 06:56:27
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

部室で眠りこけてしまったせいで辺りはすっかり暗くなっていた。 ケータイにはメールが届いていた。僕はそれに返事を打ちながら歩いていた。 #一日二行小説

2014-05-02 06:28:50
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

急ぎ足で、ケータイを見ながら、赤信号の交差点に僕は飛び出して。 けたたましいクラクションの音。ブレーキがこすれる嫌な音。何かがぶつかったような鈍い音。#一日二行小説

2014-05-03 07:41:13
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

そして今に至るのだから、僕は死んだのだろう。 不思議と驚きや悲しみはなかった。ただ淡々とその事実を受け入れる自分がいた。#一日二行小説

2014-05-03 13:15:07
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

そんな時、不意にガチャリと部室のドアノブが回った。 僕は驚いて身構える。勢いよく開いた扉から現れたのは女の子だった。#一日二行小説

2014-05-04 01:03:54
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

高校指定の女子用制服を着ているが、首のタイの色から一年生だと言うことがわかる。 耳元辺りまでの長さの髪と、きりっと整った目鼻だちから、快活な印象を覚えた。 #一日二行小説

2014-05-06 13:13:50
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

部室に入ってきた彼女はささっと扉にカギをかけ、その場に座り込む。 「見つけた?」 #一日二行小説

2014-05-06 13:14:23
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

「いや、見失った」 外から誰かを探すようなやりとりが聞こえる。彼女はそれを聞くまいと目をつむって耳を塞いでいた。#一日二行小説

2014-05-08 03:56:26
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

様子から見ると、彼女はどうやら追われているようだった。 不意にガチャガチャとドアノブを回す音が聞こえて、彼女はびくりと肩を震わせる。#一日二行小説

2014-05-08 03:57:01
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

「ここは鍵がしまってるわ。向こうを探しましょう」 外からそんな言葉が聞こえたあと、何人かの遠ざかる足音と共に、部室には再び静寂が訪れた。 #一日二行小説

2014-05-09 14:42:34
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

僕はそんな様子を黙って(半ば呆然としていたとも言う)見ていた。 彼女は耳を塞いでいるので、追跡者が去ったことを気付いていないようだ。#一日二行小説

2014-05-13 09:38:42
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

「おーい、危機は去ったぞー」 僕はふざけ半分にそう声をかけてみる。もちろん聞こえるわけがないだろう。#一日二行小説

2014-05-13 09:39:18
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

だが、彼女は不意に目をあけ、僕のほうをぎょっとした目つきで見つめてきた。 「だ、だれ!?」#一日二行小説

2014-05-13 09:39:53
みやの@ゲームデザイナー @k_miyano

驚きの声をあげてから、咄嗟に彼女は自分の口をふさいだ。 そしてドアの向こうに聞き耳を立て、しばらくじっと動きを止める。#一日二行小説

2014-05-13 09:40:31