ヘイトスピーチとは何か

ネネ @churro0141

小学校の時、男の子3人に国へ帰れ！チョーセン！と言われた。今でも覚えている。そんな幼い頃から、我々への嫌悪感がどのように形成されたのかは今でもわからない。はっきりとしていることは、その時に、私は人とは違うらしいと認識したこと。それとその時から周りに自分のことを話すのをやめたこと。

ネネ @churro0141

幼い子供の軽い冗談のつもりだっただろう。男の子たちはそれがどんな意味を持つのかわからないまま、言ってたのもあるだろう。 悪口や暴言喧嘩なんて普通に生きてたらたくさんあって、そんな昔のことなんか忘れて当然。 それなのに、今でもはっきりと思い出せる。苦い苦い、記憶。

ネネ @churro0141

隠していても、知る人は知る。 からかいは、ずっとあった。 なんで人とは違うのやろうと、ずっと思っていた。

ネネ @churro0141

中学校なる前くらいから、どんどんインターネットが発達して、ネットの世界でまた愕然とした。ひたすら流れるひどい書き込みが、怖かった。擁護するような言葉はほとんどなかった。絶対に自分のことは、隠さないといけない。そう確信した。

ネネ @churro0141

友達はたくさんいた。けれども、ほとんど誰にも自分のことを言わなかった。

ネネ @churro0141

高校生になって、そろそろ言おうかなと思った友達がいた。その子と別の話をしているとき、たまたま別の在日の人の話になった。そのとき、信頼しきってた友達に、韓国人って怒りやすいやん？それにキムチ臭くない、、？ と言われた。その子はもちろん私のこと知らなかったから。また愕然とした。

ネネ @churro0141

またや、と思った。信じたら、裏切られる。人を信じようとするから、自分はアホなんやと思った。何も言えなかった。 何も言えなかったから、笑って、そうやね。と静かに答えた。何も言えなかった。

ネネ @churro0141

もっともっとたくさんの出来事に遭遇した。わたしは自分のことを言ってない分、こうやって相手にうっかり？発言させてきた。韓国と日本がなにかある度、間接的な差別を目の前の相手から受けてきた。家族も同じ。けど辛いからほとんど共有はしてない。

ネネ @churro0141

大人になって、自分の人生で一番辛い出来事に遭遇した。今度は間接的でも何でもない、真っ向からの差別。それを聞いて、家族も泣いた。みんなで泣いた。

ネネ @churro0141

その期間も、相談できる相手なんかほとんどいなかった。もう人を信用出来る気力がなかった。信用したとして、相手が同調してくれたとしても、こころの底ではなにを思っているか、わからない。それが人やと思った。

ネネ @churro0141

そんなことがずっとあって、その史上最悪な期間も、ネットはひどいもんやった。避けてても目にするくらい、差別は溢れかえっていた。御堂筋では頻繁にデモがあった。これは日本人の総意です、在日はシネ！誰もがお前たちを嫌っている！と言っていた。

ネネ @churro0141

日本人の総意ですと言われて、あ、そうかもしれんな。周りにいる人、みんなそう思ってんのかも。 そこまで人間不信に陥ってた。

ネネ @churro0141

あれが日本人の総意だなんて、もちろん今は思ってないよ。実際は全然そうじゃない。たくさんの人と出会い、カウンター通じて勇気づけられたこともたくさんある。けど、差別に追い詰められた人間は、そこまで落ちていくんです。それが人種差別です、それがヘイトスピーチです。

ネネ @churro0141

批判を恐れず言うけども、 奴らは善良な日本人を代表して、と発言をする。あれが総意でないと否定するためには、もっと日本人に出てきてもらわないと困る。

ネネ @churro0141

私もこうやって、出てきたから。恐怖や悔しさを噛み締めながら。もう自分のことは否定したくない。誰にも自分のことを否定して欲しくない。そうやって人を追い込めるヘイトスピーチは許さない。人種差別は許さない。 #5月10日奈良ヘイト害宣を潰せ #5月11日大阪御堂筋ヘイトデモを潰せ

守山玲司 @Rage022

「差別原論」（好井裕明・平凡社新書）第二章〈差別とはなんだろうか〉より、ジダンの「頭突き」をめぐる「差別に対する応酬に、即時性が必要と考える理由について。 「いくら鋭く広く共感できる力を仮りに持っていたとしても、差別を受けた人や非差別の現実が受ける”痛み”や”苦悩”は、→

守山玲司 @Rage022

完全には理解できないだろうし、完全なる共感は不可能だろう。しかし完全なる共感不可能性を十分にわかった上で、被差別の“痛み“”現実”への想像力をできるかぎり働かせることは、私たちが差別を考える上で、必須の営みなのである（中略）差別とは、客観的に示したり、→ @Rage022

守山玲司 @Rage022

量ったりすることができない損害として表される一方、もっと微妙で主観的であり、人間の心や身体の奥底にまで至る”痛み”や”苦悩”をもたらす出来事なのである。（中略）まだ記憶に新しい出来事から。２００６年にドイツで開催されたサッカーワールドカップ。→ @Rage022

守山玲司 @Rage022

フランスの名選手ジダンは、試合中イタリアの選手に頭突きをして、一発退場した。（中略）ジダンほどのベテランプレーヤーが、ただの野次や暴言で自らを退場に導くような行為をするはずがない。私はそう思う。それもワールドカップの決勝戦という最高の舞台で。ではなぜ頭突きを→ @Rage022

守山玲司 @Rage022

してしまったのだろうか。やはりそうした理性や思惑、冷静な計算などをいとも容易く越えてしまうような怒りを換気させる何かが彼に投げつけられたのである。（中略）ただ単にからかわれるのではない。自らの肉親を貶めるような人種差別的、性差別的な発言が繰り返されたので→ @Rage022

守山玲司 @Rage022

あろう。（中略）言葉ひとつという差別が、人間存在の奥深くまで 、一瞬のうちに侵入し、その人を完膚なきまでに傷めつけるのだと。だからこそ、「いまの言葉は、こんなに痛いのです。だからみなさん、こんなことを他人にしないように配慮しましょう」など、悠長なことをあとから→@Rage022

守山玲司 @Rage022

言えるのではなく、まさに言われたその場で、差別が自らを襲ったその場で、応酬せざるを得ないのだと。（中略）ジダンは頭突きをせざるを得なかったのである。差別が「ひと」に与える痛みや暴力への「いま、ここ」での応酬であり、思いっきりの抗議として彼は退場していったのではないだろうか」

守山玲司 @Rage022

差別をする側が、相手の存在にとってかけがえのない部分、そこを汚せば相手が最もダメージを受けるであろうという部分を知っていて、「属性的な差別」で相手を痛めつけることにも言及している。ダニエウ・アウベスに投げられたバナナについても同じことが言えるのではないだろうか。@Rage022