『ヘヴンズ・ストーリー』を観て思ったこと

『ヘヴンズ・ストーリー』を観て思ったことをつぶやきました。 『フロム・ヘル』を読んで思ったこともつぶやいています。
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@sekizaiten

ヘヴンズストーリー観た!劇場を出ると山崎ハコさんがいらしたので挨拶した。いやすごい映画でした。

2010-11-05 17:35:44
@sekizaiten

ヘヴンズストーリーは久しぶりに理解の範疇を超える映画だった。蓮實重彦の言う「動体視力」が、自分にはまだ全然足りないのだと思う。しかし、客をなめてわかりやすさばかり追求した映画があまりにも多い中で、4時間38分を費やして、それでも安易な理解を拒絶するような本作こそが高潔だ。

2010-11-06 00:46:36
@sekizaiten

最近「わかりやすさ」についてよく考えている。昨日流失した船舶衝突の映像も、どちらの船の罪なのか、そもそもの真偽ですら、真実などわかりっこないのだ。庵野秀明の言葉を借りるなら「あれはただの絵だ」。問題はそこから何を感じ、何を考え、何をするかなのだ。それは見る者に委ねられている。

2010-11-06 00:54:15
@sekizaiten

それを政治的な判断で見せまいとするのは間違っている。見て判断して政治すればいいのだ。映像それ自体には何の力もない。力を有しているのは人だ。映像を恐れる必要はないし、過信するべきでもない。その代わり、我々が映像を触媒にして行使する力にこそ絶えず意識を傾注しなくてはならない。

2010-11-06 01:05:09
@sekizaiten

話が逸れたのでヘヴンズストーリー雑感。柄本明の子供殺されすぎ(cf.『悪人』)!でも、長台詞で説教する『悪人』の柄本明より、全力疾走して息の上がった本作の彼の方がずっと良い。演出の明暗だと思う。あと忍成修吾くんはとんでもないものを盗んで行きました!ゼロ年代の日本映画史です!

2010-11-06 01:13:10
@sekizaiten

俗な見立てですが、『リリイ・シュシュのすべて』が投げた問いに10年かけて『ヘヴンズストーリー』が受けて応えたような感慨がある。始まりと終わりを司った忍成くんはとんでもないものを(ry。その間に私は映画を観たり撮ったりし、「リリイ・シュシュ」が嫌いな時期もあったけど、もういいんだ。

2010-11-06 01:27:14
@sekizaiten

あとこの機会に言いたいんだけど、アラン・ムーアのグラフィックノベル『フロム・ヘル』を読了しまして、これがまたとんでもない作品でした。物語の構造とか「街」と「怪物」と「神」が出てくるところなど『ヘヴンズ・ストーリー』と共通項は多い。なにより読後感が同じ!「わけわからんけどすげえ」。

2010-11-06 01:34:21
@sekizaiten

『フロム・ヘル』早稲田の図書館に入ってるから(入れた人gj!)絶対読んだ方がいいと思うなーまだ俺が借りてるけど。作家の底知れぬ知性と才気に、己の無知蒙昧ぶりを思い知りましたよ。

2010-11-06 01:44:33
@sekizaiten

今日3時から映画版やるらしいね『フロム・ヘル』。未見だしせっかくだから観るか。切り裂きジャックの話で、現在に至るも事件の真相は薮の中。アラン・ムーアはこの未解決事件の一解釈をものすごい説得力で提示するんだけど、その実はオカルトを通りこしてSFまでいっちゃう荒唐無稽なもの。

2010-11-06 01:50:47
@sekizaiten

ところが、ここからが面白いのだがアラン・ムーア自身も自分の解釈を妄信しているわけでは全然ないのだ。そこが恐ろしくバランス感覚に長けておりクールでもあるのだが…あまり多くは語るまい。ぜひ読んでほしい。

2010-11-06 01:55:23
@sekizaiten

『ヘヴンズ・ストーリー』についてもう少し。現場で働かれた先輩から伝え聞いた話なのですが、瀬々敬久監督は『予算がいくら少なくても風景はタダなのだから徹底的にロケハンする』という考えを持っているそうです。映画は事前に聞いたその話にたがわぬ、すごいロケーションの連続でした。

2010-11-06 02:03:14
@sekizaiten

『ヘヴンズストーリー』のどの辺がヘヴンなのかとか、やはりわかったようなことは言えないものの、映画を観ていると、全ての場所がこの世のものではないようにも思えるような。そんな風景が映っていることに一番感動したかもしれません。ちなみに『フロム・ヘル』のロンドン散歩シーンも白眉なのです。

2010-11-06 02:12:56