- usatora__bot
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本日も少し長めのネタツイートですので、まとめさせていただきます。
始まりは、前日の夜中から。
バーナビーさんは、お忙しいようです
ハァイ! 私ヒーロー達がバーナビーにプレゼントした兎のぬいぐるみよ。バーナビー、今日はうちで一人みたい。彼は真面目だから彼が新しく抜擢されたシュテルンビルトの有名ブランドの歴史を復習中。ここはね、10年以上前から全く広告ポスターを変えていないことで有名なの。
2014-05-03 22:37:55男性モデルの首から下だけが写ったシンプルなモノクロの写真。鍛え上げられた胸筋はまるで刀剣のように鋭いけれど、締まった腰は嫋やかな淑女のように細く。なのに、写真の主が明るく笑う声が聞こえるようでもあり。でも、モデルの主をデザイナーしか知らないの。「……見覚えが、あるような……?」
2014-05-03 22:38:39ああ、難しい顔をしないで。明日も早いのでしょう? もう眠りましょう? 私、今日はお部屋でたくさんお日さまを浴びたから、あの人と同じくらいに陽だまりの香りよ。さぁ、おやすみなさい。お疲れ様。明日は、あの人が遊びに来てくれますように。
2014-05-03 22:40:13長い一日にお付き合いくださいませ。
「朝一番に来たバニーからのメールが『タイガーさんは【Schatz(シャッツ)】の広告モデルがどなただかご存じですか?』でワケ分かんないがう。それって朝早いの苦手なヤツが5時半から聞かなくちゃなんないようなもん?」「なんて答えたの、タイガーさん」「知らね」シュテ民苦笑い。
2014-05-04 06:45:48今ブロンズの路上でバーナビーがタイガー捕まえて「どうして教えてくれなかったんですか!」「だってそれ、ヒーローデビューする前の話だぞ? 別にいいだろ?」ってなんか言い合ってる。バーナビー超不機嫌な顔して車に乗り込んじゃった。タイガーはぷぅって頬膨らませて歩き出した。ケンカはやめよ?
2014-05-04 06:48:54タイガーがモノレールの駅に向かいながら「大体何で今頃……あ、バニー友達少ねぇから知らねぇか。それ以前にオレに今まで興味なかったってことじゃん? どっちが失礼だよ、毎日のようにトレセンで裸くらい見てんだろうがよ。なんか腹立ってきた! 絶対教えてやんね!」ってぶつぶつ言ってたよ。
2014-05-04 06:56:38「バニーのぶぁぁぁぁか!」って舌を出したタイガー、子供みたいね。かわいいの。バディのケンカはシュテルンビルトの華。おはよう、いってらっしゃいヒーロー!
2014-05-04 06:59:02今日はバーナビーと仕事なんだけど、なんだか機嫌が悪そう。「シュテルンビルト公然の秘密、って教えてくれたっていいじゃないか! デザイナーのディーター・クラウゼビッツとどういう関係か聞くのを忘れた!」って控え室から聞こえてきた……バーナビー、シャッツのポスターのこと知らなかったの?
2014-05-04 07:25:41ポスターにまつわる話を知らないなら「アレ」もきっと知らないよね……。シュテルンビルト市民は若く魅力に満ちあふれたヒーローのデビューと、その後にあった嘘か本当か分からないワイルドタイガーらしいエピソードに思いを馳せる。「誰か教えてあげてほしいな。バーナビーには知っておいてほしいな」
2014-05-04 07:33:59「初めまして。シュテルンビルトを代表するデザイナーと仕事ができて光栄です」ディーターとバーナビーががっちり握手。「ところで、シャッツにはワイルドタイガーのトルソーがあると伺ったのですが?」あ、これ完全バーナビー「あの話」知らないわ。スタイリストの間では有名なのに。
2014-05-04 08:09:20【タイガーの服を用意できないヤツは業界で生き残れない】タイガーは胸囲があって、手足が長いくせに腰が細い。普通より股下も長い。それに合わせて衣装を用意できないようじゃ、スタイリスト失格。ま、タイガー本人は「ごめんな、世話かけて」って撮影を拒否するようになっちゃったんだけどさ……。
2014-05-04 08:11:13そりゃ、自分のせいで叱られたりクビになったりするの見てたら、嫌になっちまうよな……。タイガーのせいじゃないんだけど。バーナビーはやっぱ、そんな話知らないか。
2014-05-04 08:12:50だから「誰がディーター・クラウゼビッツを超一流のデザイナーへ押し上げたか」を知らないんだな。ま、ほとんどのシュテルンビルト市民は、知らないよな……。
2014-05-04 08:15:04「ばぁぁか、ばぁぁか、バニーのばか……」いつもよりしょんぼりして歩くタイガーに出くわしたわ。あれか。今朝からぷいったーで話題の「アレ」だろ? タイガーの「嫌」にはタイガーなりの理由があるんだよなぁ……。理由を聞いちゃえば、タイガーの我が儘じゃないって分かるような、理由が、さ。
2014-05-04 08:18:52「クラウゼビッツさんはタイガーさんに衣装提供していることでも有名ですよね? どういった経緯で?」おいおい、バーナビー、嫉妬が完璧に透けちゃってるぞ。もうちょっと誤魔化そうか? でもクラウゼビッツは頬へ手を当てて笑ってた。「あらぁ、タイガーは私の恩人だからよ? 知らない?」
2014-05-04 08:23:22「タイガーはまだ司法局から認可が下りる前、モデルをしていたのよ。私はその頃駆け出しのデザイナーで、現場でスタイリストもしてたの。誰も彼の体型に合った服を用意できなくてね。だから彼は、モデルとしては有名にならなかった。けれど、私の衣装選びに無償で何時間も付き合ってくれたわ」
2014-05-04 08:27:37「あなたなら分かるでしょう? けれど、タイガーの体型にぴったりの衣装を用意できた時、彼の魅力は何倍にも膨れあがる。でもやっぱり、彼はモデルとして有名にならなかったの」「……何故?」「『オレはヒーローになるから、顔を写さないでくれ』モデルとしては、使いにくいわね」「あ……!」
2014-05-04 08:29:52「朝からシュテルンビルトを賑わしていた『公然の秘密』はこのことよ。分かったかしら? バーナビー。私がこの広告ポスターを使い続ける限り、タイガーへ使用料が支払われる。あの人、寄付を受け付けてくれないから」「はは、参りました……」バーナビーが小さく呟くのを聞いたよ。「あの人らしい」
2014-05-04 08:35:31はぁ、これでバディも仲直りしてくれるかな? もちろん仲良くケンカしてんのもバディらしいんだけどさ。やっぱ、ちょっとこっちがドキドキするくらい仲がいいいつものバディが一番だもんな! ところが。「クラウゼビッツさん」「なにかしら?」「タイガーさんのトルソー、譲っていただけませんか?」
2014-05-04 08:38:32「……ぼうや、アタシの話を聞いてた?」「はい」「タイガーのトルソーと、タイガーへ服を提供することは私の恩返し。そしてお守りみたいなものよ」「……分かります」「ブランド名の『シャッツ』もドイツ語で『宝物』の意味なの。分かるかしら?」「ええ、無礼は承知です」「いいえ。分かってない」
2014-05-04 08:41:00「アナタ、私にデザイナーとしての魂を売り渡せと言ったのよ。はっきり言ってあなたには失望したわ。アナタ、本当にタイガーのバディ?」バーナビー、黙り込んじまった。ディーターは難しい顔をして、それから斜め上を仰いで両手を広げる。「いいわ、アナタがタイガー十年来の秘密を暴けたらあげる」
2014-05-04 08:44:03