ゼロ・トレラント・ミカサブレード 前編

撃破したと思ったらゲージがミリ残りしてた
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劉度 @arther456

「何やってんだお前!?」普通の人間ならまだしも、相手は深海棲艦、それも艦砲射撃に平然と耐える化物である。そんな相手に艤装も付けない生身のローキックを放つなど、無謀そのものだ。「なぜ深海棲艦がここに!?」「気付いてなかったのかよ!?」 23

2014-05-03 22:03:49
劉度 @arther456

「シャアアアッ!」蛇のような雄叫びを上げ、離島棲姫が蹴りを放つ。エビ反りめいた逆立ちから放たれるスコーピンキック!槍の一閃を思わせる蹴りを、不知火はナイフで受け流す。ギィン!火花が不知火の頬を照らす。この威力、この硬度、直撃すれば人間の体などひとたまりもない! 24

2014-05-03 22:07:11
劉度 @arther456

「ちぃっ!」突き出された足を斬り落とそうとナイフを振るうが、その前に離島棲姫の足が離れる。その勢いを回転に変え、もう片方の足がウィンドミルの要領で繰り出された!顔を狙う足を、不知火は左腕でガード!だが……重い!「ぐあっ!」ガードごと不知火の体が吹き飛ばされる! 25

2014-05-03 22:10:32
劉度 @arther456

「嘘だろ……?」不知火が文字通り蹴散らされた。驚愕する提督に離島棲姫が匍匐前進で迫る。ぺたり、ぺたりとゆっくり姫が這い進む。提督は身を捩って逃げようとするが、後ろは壁、逃げられない。汗がじわりと体を蝕む。赤い瞳のプレッシャーに、提督は壁に押さえつけられる。 26

2014-05-03 22:14:17
劉度 @arther456

不意に体が傾いた。どんどん後ろに倒れている。後ろ?後ろには壁が、と思っているうちに体が地面に投げ出された。大粒の雨が顔を打つ。何が起こったか理解する間もなく、突然提督は襟首を掴まれる。「っ!?」声を上げる間もなく、提督の体が夜闇に消えた。 27

2014-05-03 22:19:22
劉度 @arther456

【ゼロ・トレラント・ミカサブレード】前編おわり 後編へつづく

2014-05-03 22:20:19