- r_omote_una
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@TOS 「…藤十郎君は、きっとこの世界において、おかしい、という存在なのかもしれない。でも、僕には、藤十郎君は、とっても大切で、大好きな存在だったんだ。僕も、おかしいのかな?いや、僕はきっとおかしかったんだろうね。だから、全てがこうなってしまったのかな?」
2014-05-05 23:19:59@TOS 「…っあ………………ッ!…………どうし、て……?………どうして……あ…ああ……うあああああああ…!!ごめん、なさい、ごめんなさい…ごめんなさい…!!藤十郎君…き、みは……ああ…ごめんなさい…!!」
2014-05-05 23:25:23叢雲藤十郎は愛を知らない。
その意味をいつか知る事はあるのか。
@TOS 叢雲藤十郎は昔から彼を嫌うものはいなかった。いつも笑顔で、明るく、誠実な彼。色んな人に愛された。だが、彼を唯一、父だけは愛してはくれなかった。
2014-05-05 23:28:14@TOS 父の愛を知らずに育った彼は、人からの愛という感情がわからなかった。とりあえずいつもこうしていれば自分を少なくとも嫌う人間はいない。めんどくさいことにはならなかった。
2014-05-05 23:29:41@TOS 中学の二年のクラス替えで、彼は元いたクラスメイトたちと離れ、別なクラスメイト達と共になった。その新しいクラスメイト達とはうまくやっていた。クラスも明るい雰囲気だった。が、いつも、一人の少年だけは外されていた。藤十郎はそれが気になっていた。
2014-05-05 23:36:45@TOS その少年は小さく、大人しかった。自分が声を掛けると本人も驚くが回りも驚いていた。本人は「ひっ」と声を上げると逃げてしまった。不思議に思っていると、クラスメイト達が藤十郎へ言った。
2014-05-05 23:39:29@TOS 「アイツ、元々のクラスで虐められてたらしいんだよ」「え?虐め…なんでです?」「元々小学から虐められてたらしいんだけど、アイツが昔からいた小学のやつらがこの学校へ一緒に入って、その延長で色々やってるらしいんだよ」「…ふーむ」
2014-05-05 23:41:24@TOS 藤十郎は少しだけ興味がわき、その本人へアタックし始める。最初は逃げられていたが、徐々に普通に話を聞いてくれるようになっていった。だが、そんなある日、藤十郎が趣味の殺人をしていると、後ろから聞き覚えの声が。あの少年でした。
2014-05-05 23:44:02@TOS 少年は怯え逃げようとしますが小さい少年はすぐに捕まってしまいます。少年を殺してしまおうかと思った藤十郎でしたが、たまにか生かすのも面白いかもしれない、と考え
2014-05-05 23:45:46@TOS 「ね、○○さん、○○さんが言わなければ、俺は○○さんを殺しませんよ」「ひ!え…?」「その代わり、言ったらすぐ殺しますから、そのつもりでお願いします!」「ええええええ!?」
2014-05-05 23:47:28@TOS その日から、その少年と藤十郎はずっと一緒にいるようになりました。とはいっても、ただ藤十郎が追いかけているだけですが。でも、そのおかげでいじめをしていた者たちは藤十郎のせいで少年に近寄れなくなり、いつの間にかいじめはなくなっていたのです。
2014-05-05 23:50:26@TOS 「待ってくださいよ○○さん!一緒にお弁当食べましょう!」「うわあああ、ま、またそういって、僕を脅すつ、つもりじゃあ……!!」「そんな、脅すなんて!監視です」「同じじゃないですかー!」
2014-05-05 23:52:58@TOS 言うことは怖いし、表情は変わらない、そんな藤十郎に最初は恐怖を覚えていた少年でしたが、いつの日にか、藤十郎に敬語を使わなくなり、彼を友だと思うようになっていました。藤十郎は、よく、わかりませんでした。
2014-05-05 23:55:19@TOS 「その…なんで、だろ。いつの間にか、藤十郎君が近くにいるのが、当たり前になっちゃった。」「あー…そういえば、そうですね」「……いじめ、無くなったんだ。」「本当ですか?おめでとうございます!」
2014-05-05 23:58:36@TOS 「その、あのね、なくなった理由、藤十郎君がいつも近くにいたから、近寄れなくなったらしくて…」「えっそうなんですか?」「と、藤十郎君…あの…その…あ、ありがとう!」「え」「だ、だって、藤十郎君のおかげだから…」「…俺何にもしてないですよ?」「そ、そうだけど…」
2014-05-06 00:00:19@TOS 「か、間接的には、藤十郎君のおかげ、だから!だから、その、お、お礼に…こ、これ…」「なんですか、これ?…マドレーヌ?」「ぼ、僕、これくらいしか出来ないから…」「え!?これ○○さんが作ったんですか!?」「そ、そう…だけど」
2014-05-06 00:03:01@TOS 「すっごい!俺お菓子は難しくてうまく出来ないんですよ!○○さんかっこいいですね!」「…!か、かっこ、いい?」「かっこいいしかわいいですよ!おいしいんでまた作ってくれません!?」「う、うん!藤十郎君がそう言うなら!(ぱああ」
2014-05-06 00:04:28@TOS どうしてあの人は俺に対して態度が変わってきたのだろう。ただ俺はあの人に興味が湧き、近づいて。そしたらなんか趣味がばれて、とりあえず、言わないようにいつも追いかけていただけなのに。何故あの人は俺に誰にも見せない表情をするのか。お菓子はうまいけれど。わからない。
2014-05-06 00:15:34@TOS 藤十郎は愛を知らなかったので、当然少年の感情もわからなかった。ただ、いつの間にか近くにいる存在になっている、ただそれだけの存在だと思っていた。それ以外は何も自分は感じていないと思っていた。
2014-05-06 00:19:15@TOS ある日屋上でお弁当を食べていた。いつものように。だが、今日の少年はどこか雰囲気がおかしかった。お菓子を持ってきてもいなかった。「…今日、○○さんおかしいですね?どうしたんですか?」藤十郎が聞くと、少年は顔を上げて言った。
2014-05-06 00:22:50@TOS 「…僕、父さんを殺したんだ」と。そして彼は、藤十郎への想いを吐き出すように告げると、「殺してくれ」といった。そんな少年の言葉を聞くと、藤十郎はゆっくりと少年の首へ手をかけた。そのまま力を込めた。
2014-05-06 00:27:32