- _hekoheko_
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一時的に響と付き合うことになった奏響から一悶着あってからの奏アコとか、前にヘコとかターバンが言ってた王子先輩と響がくっつく話とか突然読みたいって思った。あと奏ではお父さん似のクマさんっぽい男の子と付き合う話とかー
2014-04-28 16:06:47高校卒業後、響は本格的に音楽を学ぶために海外の音大へ。奏はパティシエールとなるために実家から調理師の専門学校へ。エレンは路上ライブ中にスカウトされてシンガーソングライターに。それぞれがそれぞれの道を歩み始めた。
2014-05-06 11:39:05さて、調理師の専門学校に通い始めた奏だが、通い始めたその日から男たちがこぞって奏に言い寄るようになった。それもそのはず、中学の頃は学園のアイドルであった(無かったことにされた公式設定)ほどの美貌の持ち主であるし、響以外には人当たりがいいので、これでモテない方がおかしいのである。
2014-05-06 11:39:13奏の方も正直なところ男に言い寄られて悪い気分ではなかったが、しかし何故かしっくり来ないのであった。中には学校で一番のイケメンもいたが、どうしても付き合おうという気にはなれなかった。奏自身、そんな自分を不思議に思ったりもした。
2014-05-06 11:39:26そうして男をフりまくっているうちに『鉄壁』『難攻不落』『実はレズ』などと影でささやかれるようになった奏だが、本人はそんな噂など気にせずに勉学に励む毎日を送っていた。
2014-05-06 11:39:35その日も奏は真剣に調理実習に取り組んでいた。しかし運の悪いことに、その日の調理実習で組むことになった男は鈍くさかった。一生懸命にやっていることは奏にもわかったが、手際が悪すぎてとても見ていられなかった。結局、その日の調理実習はほとんどの作業を奏一人でこなしてしまった。
2014-05-06 11:39:45「そんなんでこの先やっていけるの?」調理実習で使用した食器などを片付けつつ、溜め息交じりの奏。「どうかな……もしかしたらダメかもしれない」でも、と男は続ける。「自分で作ったお菓子を食べてもらって、喜んでもらえたら、嬉しいから」男の口調はたどたどしかった。
2014-05-06 11:39:57「ふーん、そう……」奏はふと自分が何故パティシエールを目指しているのか考えた。実家を継ぐため? それもある。実家を継ぐことは自分の夢だ。じゃあ中学の頃にスイーツ部に入ったのもそのため? それだけじゃない。あのときは自分のお菓子を喜んで食べてくれる人がいた。
2014-05-06 11:40:06それから、奏はその男とときどき話すようになった。試験の前などは放課後に一緒に勉強したり、実習に向けて一緒にケーキを作ったり、何かと一緒にいることが多くなっていった。
2014-05-06 11:40:16さて、そんな二人をそれを周りの人間が見過ごすだろうか? 何せ言い寄る男をことごとくフってきた南野奏である。そんな学園のアイドル(無かったことにされた公式設定)が最近よく一人の男と一緒にいるとなれば、周りの人間は気になって仕方ないだろう。
2014-05-06 11:40:25「南野さんたちって付き合ってるの?」そしてついに女友達の一人が奏と男に問いかけた。「付き合ってないわよ?」しかしバッサリと切り捨てる奏。「そ、そうだよ! 南野さんみたいなすごい人と僕なんかが付き合うなんて、南野さんだって迷惑、だよ……」男の声は段々とか細くなっていった。
2014-05-06 11:40:34「ハァッ!? 私がいったいいつ迷惑だなんて言ったの!?」突如としてキレる奏。男も女友達も人当たりのいい学園のアイドル(無かったことにされた公式設定)が豹変したことで呆然としている。
2014-05-06 11:40:42「迷惑だなんて、勝手に決めつけないでよ! 言いたいことがあるならハッキリ言って! そうしないと自分の思いはちゃんと伝わらないじゃない!」奏は声を荒げながらも頭の片隅で、こんなに大声を出したのは響とケンカしたとき以来ね、とぼんやりと昔を思い出していた。
2014-05-06 11:40:49「いい、わかった!? 返事は!」「は、はい!」思わず背筋を伸ばして答える男。「……えーと……結局のところ、二人は付き合ってるの? 付き合ってないの?」意識が回復した女友達が再び問う。
2014-05-06 11:40:59