英都物産②〈本社〉

【1】〜【9】
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∞まゆか∞【終了】 @8mayuka8

〈本社〉【1】 あれから2ヶ月。 彼氏と別れたことは、大倉さんは知らない。 そんな中、大倉さんの本社出張が決まった。 「今回は泊まりで行くから、美味しいお店、リサーチしといて〜」 お気楽なLINE…。 そのお店、私は一緒に行けるのかな… 『この辺りで美味しいお店、ありません?』

2014-03-11 16:50:32
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【2】 詳しそうな安田さんに聞いてみる。 「お?デートしてくれるん??」 『違いますよ〜。大倉さんが今度来るから、美味しいお店調べといてって…。』 「…まゆちゃん、大倉となんかあった?」 『別に、なんもないですよ。出張中、あちこちご飯連れてってもらったし、そのお返しに…。』

2014-03-11 16:50:57
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【3】 「ふ〜ん…。まぁええわ。大倉の方をつついてみるか。」 独り言みたいに不穏なことを言う安田さん。 いつものニコニコ顔が消えてる…。 「どんなモン食べたいん?」 あ、いつもの笑顔に戻った。 見たことの無かった安田さんを垣間見て、ちょっとドキッとしてしまった…。

2014-03-11 16:51:18
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【4】 「ちょっと考えとくわ。それよりさぁ、今日、メシ行かへん?マルも一緒に。」 『あぁ…いいですよ。』 「よっしゃ。マルには言うとくわ〜。じゃ、後でな」 いつもの笑顔で、午後の外回りに出かけて行った。 丸山さんと安田さんとは、こうして時々仕事終わりに食事に行く。

2014-03-11 16:51:45
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【5】 「まゆゆ〜!!!!」 遠くから大きく手を振って叫んでる。 私のことをそう呼ぶのは丸山さんだけだ。 近づくとハグを求めて大きく手を広げている。 『しませんから。』 「冷たいなぁー。俺、こんなにまゆゆのこと好きやのに。」 『はいはい。ありがとうございます。』

2014-03-11 16:52:05
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【6】 その呼び方も、キャラじゃないからやめてって頼んだけど、ちっとも聞いてくれない。 最近はもう、諦めた。 今日は焼き鳥屋さんだった。 カウンター席に、私を挟むように2人が座る。 男性だらけの職場に初めて女性営業職が採用されたので、みんな優しくしてくれる。

2014-03-11 16:52:20
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【7】 中でも年の近い2人は、いつも私を気にかけてくれる。 翌日が休みだったこの日は、珍しく2軒目に行こうって話になった。 次のお店へ向かう途中 「あ。携帯忘れてきたっ!先行っといて!」 丸山さんがさっきのお店へ戻って行った。 「アホやな、あいつ(笑)置いていこ。」

2014-03-11 16:52:42
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【8】 「ココの最上階やねん。」 飲食店がたくさん入る小さなビルだった。 大きくないエレベーターに安田さんと乗る。 「今から行くとこ、2軒目使いもできるけど、メシも美味しいで。大倉に勧めてみたら?」 『そうなんですか?ありがとうございます。』 「じゃ、お礼してくれる?」

2014-03-11 16:53:10
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【9】 『お礼って何がい…』 「ほっぺにチュー、して♡」 『え……』 「ん。」って、ほっぺを私の方へ近づける。 ちゅ。 「やった♡ マルにはナイショな。絶対うるさいから。」 最上階に着いて、扉が開く。 お店の照明が暗くて良かった。 たぶん、頬が赤くなってる気がする…

2014-03-11 16:53:28