脛に傷を持たない文化はない、罪がない文化はない

佐々木 中 @AtaruSasaki

今日の私の「提督」勘違いツイートの件で心あるオタクのかたからありがたいご指摘をいただきました。少し考えることがありますので、連投しますね。

佐々木 中 @AtaruSasaki

まず、オタク文化がある種の性的表現にかかわることによって、ペドフィリアや性暴力に近親の印象を与えるという事実がある。そして人は「キモい」とそれを呼ぶ。しかし、キモくない文化などありうるでしょうか。その文化に属さない人に違和感を与えない、全く無罪の文化が？ 僕は「無い」と思います。

佐々木 中 @AtaruSasaki

たとえば、私はヒップホップが大好きです。今から最近の大変優れたアルバムから2曲PVを紹介します。閲覧注意で。まず一曲目。Freddie Gibbs & Madlib - Thuggin' (Official) - Piñata http://t.co/O37lTiF2Rf

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佐々木 中 @AtaruSasaki

二曲目です。やはり閲覧注意。Freddie Gibbs & Madlib - Shame (Official) - Piñata http://t.co/AnQbkfEyv5

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佐々木 中 @AtaruSasaki

さて、このPVを見てどう思われました？正直、引きますよね？麻薬と暴力と死と女性差別そのものの世界です。ヒップホップ最低、キモい、そしてこんな音楽が好きな佐々木も最低、キモい。そう思われても仕方ないし、当然だと私は思います。しかし。

佐々木 中 @AtaruSasaki

しかし、脛に傷を持たない文化はないのです。罪がない文化はない。どんな文化でも、戦争や暴力や差別や犯罪に加担した歴史を持っている。音楽でも文学でも哲学でも科学でも、なんでも、です。あなたの好きな文化も最低なのです。だがーーだからといって「開き直ってはいけない」のだと考えます。

佐々木 中 @AtaruSasaki

自分の文化だけ免罪されるとか、罪あって何が悪いとか、考えてはならない。愛する文化の罪を見つめ、その後ろ暗さを自覚し、それでも愛し続けることです。他人から見たら汚泥の海に見えるかもしれない、ただ私はそこにダイヤが埋まっていることを知っている。だから泥塗れと馬鹿にされてもいい、と。

佐々木 中 @AtaruSasaki

先程のPVを喜んで見ている私はどうかしています。非難されれば甘受します。ただ、ヒップホップには別の希望がある。だからといってその悪しき表現は相殺されない。このような宙吊りの中で、なんとか良きものの欠片でも創造しようと努力すること、それだけはやめなければいいのではないでしょうか。

佐々木 中 @AtaruSasaki

以上です。連投失礼しました。