TRPGサポート記事 何を書くのか
なんとなく思い立ったので、TRPGのサポート記事の書き方、について自分が心がけていることなどを並べてみます。自分の考えてるメソッドの開陳が誰かの役に立てば、という、小太刀マンのやってるやつの真似っこです。あまりにニッチなので、誰の役に立つかはわかりませんが。
2014-05-13 23:29:54一応注意事項として、総論より各論が優先します。つまり以下に一般論的に僕が述べることより、個別の場面での判断が優先されるべき、ということ。それから、「ユーザ層」のような曖昧な言葉をざっくり使うので、常に例外が存在します。まあ、言わずもがなの話ですね。あと長いです! では始めます。
2014-05-13 23:30:11TRPGサポート記事、ここではプレイエイド/テクニック系の記事で僕がこころがけていることは3つあります。(1)客層とタイミングから内容を考える(2)なるべくポジティブな表現を使用する(3)読んで面白いものにする まあ、どれも当たり前の話なんですけれど。
2014-05-13 23:30:46(1)の客層とタイミング。例えば「トーキョーN◎VA THE AXLERATION」は2013年9月の発売。ゲーマーズ・フィールドは隔月なので、10月始まった連載が先月で4回めです。テーマは順に「どんなゲームか」「プレイ中に何をするか」「キャスト作成」「初めてのRL」。
2014-05-13 23:31:58だいたい1年くらいの構想を立てて連載を始めたんですが、5回めと6回めは「プレイ中のRLテクニック」「シナリオの作り方」の予定。つまり、最初の三回は主にプレイヤー向け、後半はRL向けです。で、RL向けでなくプレイヤー向けから始めたのは、TNXというタイトルの状況からです。
2014-05-13 23:32:19N◎VAの場合、既存のファン及びコミュニティが活動的で、RLは経験者が務める、というケースが多いだろうことがひとつ。またN◎VA初心者でもTRPG経験者であるケースが多い、と想定しました。なので最初は「N◎VAとか何をするゲームなのか」を主眼にしました。
2014-05-13 23:33:14平たく言うと「GFを読んでいるけどN◎VAをやったことがない人が読む」という目的の記事ですね。もうひとつ、RLをやる際に、N◎VA初心者に説明を行なう際のサンプル」としても使えるよう書きました。エントリー層向けですが、既存ユーザの役にも立つ記事にしよう、ということです。
2014-05-13 23:34:33次。(2)の“なるべく”ポジティブな表現を使用する。「~してはいけない」よりも「~するとよい」、「~すると失敗する」ではなく「~すると成功する」という記述の方向にする、ということです。どうしてこういう書き方をするかというと、その方がセッションが成功しやすいからです。
2014-05-13 23:35:12「~したら失敗する」の場合「~してはいけない」「~していないか?」の方に意識が集中し、「間違い探し」「失敗探し」に視点がよってしまいます。失敗に敏感になり、見つけやすくなってしまう。さらに言えば、「~してはいけない」に集中しすぎると、逆につい「~して」しまう、というケースも。
2014-05-13 23:35:32なので、遊び方やテクニックの紹介では、なるべく「~したらうまくいく」「~するとよい」という書き方をし、その方が効果が高いと思っています。余談ですがリレーを題材にした佐藤多佳子『一瞬の風になれ』でバトン渡しの練習でまさにそういう話が出てきます。コーチングの技術なのかもしれません。
2014-05-13 23:35:52最後、(3)は読んで面白いものにする、です。面白くなければ読んでもらえないし、覚えてももらえない。文章自体もそうですが、例えば「どんなゲームか」の回で「既存ユーザも『他人に説明する用』に使える記事にした」のもそういう意図です。「役に立つ/使える」と思えたものは面白いと感じます。
2014-05-13 23:37:47僕は初心者向けの記事には、最低ひとつは「ベテランが読んでも役に立つ」部分を入れるようにしています。最新号の記事「初めてのRL」でいえば、「キャスト紹介のテクニック」なんかは、これまであまり解説されていなかった(そしてよく使われている)テクニックだと思います。
2014-05-13 23:38:43また、初心者向け記事というのは、どうしてもいろんなゲームやエディションで、同じ内容の繰り返しになります。それ自体は、そうすべきです。繰り返し書きたくない、という理由で、書くべき内容を外すのはいけません。必要なことは、堂々と何度でも書くべきです。
2014-05-13 23:39:07その上で、時代は進み、TRPGの技術やメソッド、ユーザサイドの状況も変わっていくので、必然的に内容も変わってくるはずです。シナリオを選ぶ範囲に、http://t.co/zp5OFVr2ov のようなユーザによるウェブ公開シナリオに言及したのそのひとつですね。
2014-05-13 23:39:39また、ユーザコミュニティのあり方も変わってきています。定例日に集まって遊ぶ、という形式はまだ健在ですが、固定サークルでない、「緩いプレイグループ」が、ウェブの発展と共に増え続けています。「初めてのRL」に、「RLをすることのメリット」を書いたのは、そういう流れでもあります。
2014-05-13 23:39:54たとえば先輩からGMやってみてよ、と言われたり、順番にGMをやるシステムだったりするサークル形態だけでない、じゃあ、どうしてGM(RL)をやるのか……ということで、RLの面白さ、メリット。逆に敷居の高い理由とその解決法なども解説しています。
2014-05-13 23:40:19ん~、だらだら書いてたら超長くなった。以上です。小太刀マンほどうまくまとめられてませんが、TRPGのサポートで個人的に気をつけていることでした。狭い対象の話ですが、誰かのお役に立てば幸いです。
2014-05-13 23:42:14そうそう、ポジティブな言い回しを使う、は「なるべく」です。ネガティブな言い回しを使う時には慎重にしよう、くらいの意味のほうが近いかもしれません。今の一連の話でも自分使ってますしね。
2014-05-13 23:43:28おおお、中村やにお先輩(@yanioman)のサポート記事ライティングノウハウがえらい役に立つ記事でした。どなたかがまとめてくれることを祈りつつ、触発して自分もちょぼちょぼと。
2014-05-13 23:45:04自分が心がけているのは、「お客さんのテーブルに自分はいない」です。猛烈に当たり前のことなんですが、つい忘れるので。「自分は上手くやれる」「こういう意図だからわかるはずだ」というのはひとまず頭からすっ飛ばして原稿にかかります。
2014-05-13 23:46:26サポート記事というのは基本ルールブックやサプリメントだけでは伝わらないノウハウについて語ることがほとんどなので、「何が伝わっていないのか?」「どういう理解がされているのか?」に頭を悩ませることになります。このあたりは皆さんのプレイレポートが大変参考になります。ありがとうございます
2014-05-13 23:48:08