茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1235回「花見もいいけど、緑飲みもね」

脳科学者・茂木健一郎さんの5月14日の連続ツイート。 本日は、このところ、抱いているある思い。
5
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1235回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところ、抱いているある思い。

2014-05-14 06:55:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(1)私のツイッターのアイコンも、日本の最北端に桜前線が到達したことをもって、通常の「緑の木」の図柄(ぼくが、色鉛筆で2、3分でちょこちょこっと描いたやつ)に戻った。ところで、私も、他の日本人と同じように花見が大好きなのだが、花見について、常日頃思っていることがある。

2014-05-14 06:57:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(2)「花より団子」ならぬ、「花よりお酒」であるから、花見の時にはお酒を飲むのであるが、冷静に考えると、あの時期はなかなかに冷えるのである。特に、日が落ちて、風が吹いてきたりすると、たいへん寒い。中にはホッカイロを忍ばせたり、ダウンジャケットを着込む人もいる。

2014-05-14 06:58:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(3)花見というものは、実は、寒いのをがまんしてお酒を飲んでいる、というのが、人生のスルドイ実態なのではないだろうか。なぜ、人は、ソメイヨシノが咲いたからと言って、寒いのを我慢して飲むのであろうかっ! それは、桜はきれいだし、命のはかなさを感じさせるが、しかし、寒い。

2014-05-14 06:59:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(4)花見というのは、咲いている期間が限られているから、「シンクロ」しやすいということもあろう。いわば、一種の「フラッシュ・モブ」。この時こそ、と人が繰り出すから、友人や同僚との都合もつけやすいし、お祭り感も強まる。しかし、何度も書くけど、案外、寒いんだよね。

2014-05-14 07:02:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(5)江戸っ子が、そばなんていうものは、そんなにたっぷり汁につけて食うもんじゃねえ、と粋がっていたのが、死ぬ間際になって、一つだけ思い残すことがある、なんだ、いや、一度でいいから、そばを汁にたっぷりつけて食べてみたかった、という落語があるが、花見も、寒いのやせ我慢である。

2014-05-14 07:03:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(6)それで思うのであるが、野外でお酒を飲む、という楽しみは、もう少し温かくなって、Tシャツか何かでへらへら笑いながら、という方が本当は楽しいのではないか、と思うのである。風が通り抜けるのを感じながら、仲間とビールや酒、ワインを酌み交わせば、この世はパラダイスだ。

2014-05-14 07:04:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(7)問題は、何を肴に飲むのか、ということなのであるが、ありふれているようで、木々の緑というのは、実に豊かで、多様な表情を見せるものなのですねえ。だから、緑の葉っぱをみながら、それを肴に酒を酌み交わす、という、「緑飲み」というのは、なかなかいいものだと思う。

2014-05-14 07:05:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(8)そりゃあ、一度に咲いてぱっと散る桜の花びらに比べると、緑は、ずっとそこにあるし、希少価値がない、ありふれている、という印象が強い。しかし、見慣れていると思っている木々の緑も、よく見ると、実に深い味わいがあるものだと思う。どうでしょう、緑飲みの普及。

2014-05-14 07:06:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

はみ(9)あるいは、飛んできた鳥や、蝶々を肴に酒を飲んでもいいと思う。とにかく、ぼくは、花見は実は寒すぎることもあるというやせ我慢の法則を、世間に訴えたいと思う。昔東京芸大で授業をしていた頃は、終了後、上野公園で緑飲みをやって、それが実に楽しかったのである。

2014-05-14 07:08:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1235回「花見もいいけど、緑飲みもね」でした。

2014-05-14 07:08:26