茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1237回「トンデモに、対抗せよ！」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１２３７回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、笑いではない、マジなツイートです。

茂木健一郎 @kenichiromogi

とた（１）というわけで、首相先導の「解釈」変更で、日本もめでたく集団的自衛権とやらを行使できることになったようで、ご同慶の至りである。これで、ようやく、日本も「普通の国」に近づいてきたようだ。ところで、報じられるところによると、野党の一部も大賛成のようである。

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とた（２）普通、野党というのはOppositionという英文でもわかるように、与党に対するcheck & balanceのためにこそ存在するわけだが、日本の場合、野党の方がむしろイケイケドンドンとなっている現状が見られる。そのため、まともなcheck & balanceがない。

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とた（３）「普通の国」を目指して、「改憲する」という動きも、与党以上にイケイケドンドンの野党がいるわけで、実にオメデタイというか、このまま、わが国は、軍隊も持って、戦争もできる「普通の国」にろくな抵抗もなく邁進することになるのだろう。まさに、一億火の玉である。

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とた（４）連合国によって「憲法」を押しつけられたという怨念すさまじく、ルサンチマンが生み出す情熱は、人類普遍の価値よりも強い。同性婚が議題に上ることもなく、死刑廃止への道も遠く、所得の再分配の冷静な議論も行われず、「普通の国になりたい！」という妖怪人間のパッションが国を動かす。

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とた（５）さて、ここまで「色物」、「トンデモ」が与党、野党を問わず跋扈する動物園状況は、１０年前には想像できなかった。しかし、巷間を見ると理性の声もある。では、なぜ「色物トンデモ」が声が強くなるのかというと、つまり彼らが極端で声が大きいという以外の理由は見当たらない。

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とた（６）ツイッターを見ていても、在日は追い出せ、南京大虐殺はなかった、憲法は押しつけだ、といった声はうるさく、しつこい。現代の普遍的価値や、未来を志向する人たちはお上品すぎて、彼ら妖怪たちの勢いには負ける。永田町でも、トンデモ色物系の方がうるさいし目立つ。

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とた（７）ここで参考になるのは、たとえばアメリカの事例で、毎日のように政治状況をコメディ化する番組が存在し、ＦＯＸ（日本で言えば、産経新聞）の報道姿勢を揶揄するスケッチなどが放送されている。それでこそ、バランスがとれる。FOXの狂気に対抗することで、全体として均衡がとれる。

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とた（８）「右」と「左」という言い方もくだらないと思うが、さまざまな異なる意見の人がフェアかつストレートに議論してこその、民主主義国であろう。現状では、「右」のトンデモがうるさく、目立つので、どうしてもリベラル派が押され気味である。対抗手段をとるべきであろう。

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とた（９）それにしても、同性婚や死刑廃止、教育の機会の平等、所得再分配、貧困問題の解決などの政策が全く俎上に載らず、憲法改正だ、手段的自衛権の行使だ、ばかり言っている現政権はトンデモ化していて、それ以上に野党の一部がトンデモ化している日本の現状を、何とか変えないと仕方があるまい。

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以上、連続ツイート第１２３７回「トンデモに、対抗せよ！」でした。