サゴ

真砂夜【@shiki_akitsu_k
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真砂夜@企画垢 @shiki_akitsu_k

を溢した。続けて、聞いたことがないのに、いやに胸に落ちる何かが告げられて。考える前に、ソレがその「まこと」であることを悟る。 「仕方ねぇだろ。……この数相手じゃ他も呼べない。都の祓い屋はこういう日にゃ外に出ないからな」 「だけど」 「いまさら耳は塞げないだろ、腹括れ。死ぬぞ」

2014-07-18 22:39:24
真砂夜@企画垢 @shiki_akitsu_k

 その飾り房のついた剣を持っていた手は、昔はもっとつるりとしたものだったけれど、今は時間と火を受けてすっかり襤褸になっている。それでも、握りの癖はいっしょで、手首の柔さなんかも間違いなくあの頃とおんなじ。  ツカはハァッと振り払うように息を吐くと、足元を踏み込みパッと宙に踊った。

2014-07-18 22:39:51
真砂夜@企画垢 @shiki_akitsu_k

 薙ぎ倒すような振るい方は、封印していたのだけれど、もう今は仕方がない。たん、たん、と踏んで体全体でもって場を祓いながら、寄せ役の型から外れた彼は、鍛冶師の型を外れた者と背中をぴたりとあわせた。 「後悔しますよ」 「もうしてる」  惰性で笑いながら、ふたりは背中を離した。

2014-07-18 22:39:59
真砂夜@企画垢 @shiki_akitsu_k

 乱舞の宴が始まる、その場のことを、たぶん、誰も知らない。 #退魔師里

2014-07-18 22:40:09
真砂夜@企画垢 @shiki_akitsu_k

自分の刃にかけるのと同じように、自分の愛しいものには手をかける。零れた刃は、また研ぎ直してやればいい。身を預けるほど弱くなっているならほら、一から融かして、打ち直してやればいい。さぁ、やさしく、してあげようね。

2014-07-19 08:42:40
真砂夜@企画垢 @shiki_akitsu_k

最終的に「サァちゃんはむっつりですねぇ、ね、いつもなに考えてシコッてるんです。あ、僕しかいない。枯れてますねー、むっつりのくせに枯れてますねー」とかって踏まれてる。

2014-07-19 08:46:38