茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1241回「妖怪、へんさち～」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１２４１回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日の落とし前。

茂木健一郎 @kenichiromogi

よへ（１）昨日、福岡大学の講演会で、開始後２０分くらいで、ちょっとした小芝居をした。「妖怪ヘンサチ〜」というもので、日本の教育界を、「へんさち〜」という妖怪がむしばんでいるというスケッチ（朝食のフルーツヨーグルト食べたら、博多のホテルで収録して公開しようと思います）。

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よへ（２）昨日行った福岡大学は、比較的都心にあって、キャンパスも広く、気持ちよく、郊外の山の上に移転してしまった九州大学よりも、立地ははるかにいいように感じた。それで、学生たちに、「この中で、九大蹴って福大に来たやつはいないのか？」とたずねたら、残念ながら手が上がらなかった。

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よへ（３）九大があって、福大があって、それぞれ個性があって、好きな方にいく。ぼくは、それが一番健全なあり方だと思う。アメリカで言えば、ハーバードは遠いから、近くの州立大学に行く、というような。ところが、日本では、予備校が妖怪へんさち〜の根拠地で、害悪をまき散らしている。

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よへ（４）妖怪へんさち〜が邪悪であるということは、少し考えてみれば論理的にわかるはずなのだが、ぼくが根本的にわからないのは、予備校に通って、偏差値入試で良い大学に入ったやつらが、ぼくがそういうと反発して、わけのわからない（そしてトリビアルな）ナンクセをつけてくることである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

よへ（５）仮に、ぼくが１８歳で、予備校に通って（実際にはぼくは予備校は模試を何回か受けただけで授業を受けたことはなかった。大学院の時、予備校の講師のバイトはしたことがある）、へんさち〜のいい大学に合格したとしても、妖怪へんさち〜を批判されたら、「全くその通りだな」と思ったろう。

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よへ（６）妖怪へんさち〜の根本的な邪悪さは、本来、多次元で容易に比較できない人間の個性、あるいは大学の個性というものを、取るに足らない統計的数値で一次元にマップして序列化してしまうことで、そんな余計なことをやっている予備校は、やはり悪の産業で、ない方がいいと私は思う。

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よへ（７）予備校なくなっちまえ、と言っても、林修さんの番組には出るし、林さんに会えばにこやかに話すのは、ぼくが邪悪だと言っているのはシステムであって生身の人間ではないからで、そのあたりの機微も、ムキになって妖怪へんさち〜を擁護する単純な人たちには伝わらないようだ。

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よへ（８）もちろん、問題は構造的なもので、そもそも妖怪へんさち〜で予想できるような入試をしている日本の大学がダメという言い方もできるし（東大野球部、何十連敗をしているくらいだったら、マー君とか入れればいいじゃん）、何でも数値化してきちきちしたがる市場の愚かさもあるだろう。

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よへ（９）ぼくの一連のツイートに対して、まだ、予備校関係者からの直接の反論はないが、いずれにせよ、さまざまな便宜で仕方なく妖怪へんさち〜とつき合っているとしても、その現状をムキになって肯定するのは、人間のメタ認知としてどうかと思う。現状を超えなければ、成長などない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート１２４１回「妖怪、へんさち〜」でした。