「人間原理」に関する短い考察

森達也氏が雑誌「ちくま」に連載中の「わたしたちはどこから来て、どこへ行くのか」を読んで考えたこと。
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寮美千子 @ryomichico

森達也氏が「わたしたちはどこから来て、どこへ行くのか」を雑誌「ちくま」に連載している。科学を探究しながらも「知性のある何かによって宇宙や生物は設計された」といった話にかぶっていく。生命や宇宙法則の精妙さに驚き、それを「誰かが設計した」とするのは、「ものみの塔」の感性。

2014-05-20 14:30:01
寮美千子 @ryomichico

「宇宙の法則は、人間を生み出すようにできている。宇宙は人間を生み出すために存在する」という「人間原理」があるが、納得できない。このような法則を持つ宇宙だったから、結果として人間が生まれただけ。人間以外の多くを生み出している宇宙なのに、なぜ人間のためだけと?@ryomichico

2014-05-20 14:30:26
寮美千子 @ryomichico

「百年の寿命しかない人間が137億光年の広がりを思う。宇宙は自分を認識して欲しくて、宇宙を認識できる生き物である人間を生み出した。人間がいるのは宇宙の意志だ」という説があるが、人間が生まれる前も、滅びた後も、宇宙は淡々と存在するはずだ。@ryomichico

2014-05-20 14:30:56
寮美千子 @ryomichico

宇宙を擬人化して「他者からの認識欲求を持った存在」として考えるのは、あまりにも想像力が小さいし、幼い。くまさんとうさぎさんがたのしく語りあう絵本の世界から出ていない。 @ryomichico

2014-05-20 14:31:29
寮美千子 @ryomichico

人間だけを、特別な生き物として考えるから「人間原理」が生まれる。人間は地球生態系の大きな流れのなかの一つの要素でしかない。人間がこんなに活動しない方が、地球生態系はすこやかに循環できた。宇宙も地球も「人間のために」存在しているわけじゃない。@ryomichico

2014-05-20 14:32:28
寮美千子 @ryomichico

「知性」というものが、結局「人間原理」に行き着くところに、人間という生き物の小ささと尊大さを感じる。知れば知るほど、人間は「万物の霊長」「神に似せて創られし者」などではないと理解するのが、ほんとうの「知性」ではないか。@ryomichico

2014-05-20 14:33:00