ジョナ「うん。まあ、胸を張れるほど上手くはないし、君がいつも食べてる物とは比べものにならないだろうけど」 ディオ「…確かに比べものにならないな」 ジョナ「あ、…ごめん。やっぱり嫌だよね。ぼくのなんか。調子乗った。ごめん」 ディオ「この阿呆が!」 ジョナ「ええ!? なんで怒るの!」
2014-05-20 01:15:34ジョセ「う〜ん…。まあ、ジョナ兄は昔っからあんなだし」 ディオ「知っている」 ジョセ「がんばれ?」 ディオ「頑張っている」 ジョセ「泣くなよ」 ディオ「泣いてなどいない」
2014-05-20 01:20:16ジョセ「あのさ、アンタとジョナ兄が仲良くなったエピソードがあるって聞いた事があるんだけど」 ディオ「…誰に聞いたんだ」 「ジョナ兄」 「チッ…クソが…あの馬鹿が…」 「で? 一体どんな感じだったのよ」 「…フン。思い出すだけでも忌々しい。できればご遠慮願いたいところなのだがな」
2014-05-20 01:59:35「そうは問屋も値段交渉だぜ。どう? 教えてくれたら、まぁ、ジョナ兄の秘蔵ピンナップを進呈しよう」 「そのくらいもう持っておるわ」 「えっ。うわっ。キモッ」 「…だが、寄越すというのなら有り難く貰おう」 「…アンタも大概素直だよな」
2014-05-20 08:02:54ディオ「あれはおれ達が7歳だった頃」 ジョセ「なんか始まった」 「同じ地域に生まれながら、ジョジョとおれとの家の格差は激しかった。かたや貿易商の裕福な家庭、かたやドブの臭いの絶えないゴミ貯めのネズミ。母親とクソな父親の為に必死で金稼ぎを覚えて死に物狂いで働いていた」
2014-05-20 09:07:08「その間、おめでたい坊っちゃんはいつも犬と蝶々を追い掛けていたな。何が楽しかったんだか。おれの家の区域はそちらの住宅街とは一本の川で隔てられていて、こちら側からその向こう岸を毎日のように呪っていた。そしてある日、馬鹿のようにこちら側に興味を持った阿呆が現れた。それがジョジョだ。
2014-05-20 09:14:37「近くに同じくらいの友達が居なかったらしく、いつも川向こうに居るおれの事が気になっていたらしい。おれも奴の事は何度か見掛けていたし、それなりに有名な家だったからな。こちらはどこの誰だか判っていたが。
2014-05-20 09:20:04「まあ、そんな訳だし、向こうが仲良くしたいと言っているんだ。こちらにとっちゃあ良いカモだ。上辺だけだがな、トモダチをしてやっていたさ。しかし、アイツはなんだ、そんな生まれにも拘らずネズミを見れば追い掛けるし危ない地帯に突っ込んでいくし挙句泥塗れになって笑うんだ。馬鹿か。馬鹿だな。
2014-05-20 09:22:29「で、……。…………」 「…? で? どうしたんだよ」 「いや、ん、まぁ。おれからはここまでだな」 「はァ!!? そんなところでやめちゃうの!? なんで!」 「うるさい。ここまでと言ったらここまでだ。それ以上騒げば進路に響くと思え」 「うわ職権乱用!!!」 「なんとでも言え」
2014-05-20 09:26:36「でさぁ、結局何があったわけ?」 「えっ、ディオがあの話をそんなところまで話したの? 珍しい!」 「珍しいんだ」 「うん。なんかいつもその話は避けるんだよねぇ、ぼくにとっては凄く大切な思い出なのに」 「へえ」 「うーん。そこまで話したのなら、ジョセフには良いって事なのかな?」
2014-05-20 09:29:58「でね。ぼくは彼と知り合ってから毎日のようにディオの家のほうに遊びに行っていたんだ。ダニーの次に出来た友達でとっても嬉しかったんだ! けれど、うーん。あのさ、ジョセフは昔ぼくが誘拐されたのって知ってるっけ?」 「え。あ、うん。チラッと聞いた事はあるけど」
2014-05-20 09:34:21「そうなんだ。その日、ぼくがディオの家に向かっていると突然掴み掛かられてね、訳も解らないままに連れ去られてしまったんだ。目隠しもされて、知らない場所に押し込められて、凄く怖かった。たぶんウチの事業か、お金目的かだったんだと思うけれど。…で、そこに助けに来てくれたのがディオだった
2014-05-20 09:37:15「びっくりしたよ! 突然誰かが入ってきて、周りが慌て出したと思ったら、急に静かになってしまったんだ。父さんか警察が来てくれたんだと思ったんだけど、ダニーの鳴き声が近くで聞こえて。紐とかを解いて解放された時には犯人以外居なかったんだけれど、あの中で確かにディオの声が聞こえたんだ
2014-05-20 09:44:22「その時は空耳だと思っていたし、誰が来たのかも判らなかったけどね。あれはディオだったんだ。今考えると、次に会った時に変な怪我が増えていたし、色々様子がおかしかった。もっと仲良くなったのはその辺りだったかな?
2014-05-20 09:55:11「昔から頭も振る舞いもよくて。中学では一緒の学校に通っててさ、でも途中で家庭の事情というやつで引っ越してしまってからは、この間まで全然会えなかったんだ」 「(現実的にどうかとかは置いといて、ベッタベタなアレだな…)」
2014-05-20 12:47:32「だからここで再会できた事に、ぼくは奇妙な運命すら感じているよ! 今ならディオにお返しをする事だって、きっとできると思うんだ。この話をするとあいつは嫌がるけれど、あいつが否定していてもぼくにとっての真実だし、そう考えてからずっと感謝しているんだ」
2014-05-20 12:51:29「…だあってさ」 「まだそんな事をほざいているのかあいつは」 「よかったねぇ」 「何がだ」 「嬉しいくせにぃ」 「だから何がだ」 「ふひひひ」 「その気持ちの悪い笑いをやめろ!」
2014-05-20 12:56:37「ジョジョ」 「ごめん、ぼくまた何かやらかしたかな」 「対面一番発する内容じゃないな。と言うか、やらかした心当たりでもあるのか」 「い、いや。最近はないけれど、ディオがぼくに声を掛ける時なんて大抵小言かお説教する時じゃあないか」 「お前にとっておれは一体どんな存在なんだ…」
2014-05-20 13:02:30「しかし貴様がウスノロの腑抜け人間だという事は否定しない」 「そこを否定してよ」 「…って、そうじゃあない。あ、いや、うむ…」 「? どうしたの?」 「ぐ…。お前は礼だ詫びだと、よく言うがな、別に貴様からは別にそんなものわざわざ要らん」 「何だい唐突に」
2014-05-20 13:06:02「藪からスティックに!」 「言い直す必要は!? って違う、また話が逸れた。だから、わざわざそんなものなどは要らんと言っているんだ」 「えぇ、でもやっぱり必要だよ…何よりぼくの気が済まない。してもらってばかりじゃ」 「だから貴様は馬鹿だと言っているんだこの阿呆!」 「ひどい!」
2014-05-20 13:10:20「いつも貰っている。それ以上に貰ってしまったら、おれは今度お前に何を返せばいいんだ!!?」 「??? 君の言っている意味がよく理解できないんだけれど」 「馬鹿め! やはり阿呆だな!!!」 「な、なんて高圧的な涙目なんだ! なんで泣いてるの!?」 「泣いてなどいない!」
2014-05-20 13:13:34ディオ「ジョジョ! ジョジョ! ジョジョ! ジョジョ! ジョォーーージョォーーーーー!」 ジョセ「せんせー! 黒板に八つ当たりするのやめて! チョークうるさい!!!」
2014-05-20 13:18:09