茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1242回「今が、いちばん早い」

脳科学者・茂木健一郎さんの5月21日の連続ツイート。 本日は、今朝の一連の流れの中で思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1242回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝の一連の流れの中で思ったこと。

2014-05-21 07:49:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(1)今朝なんかがそうだったのだが、大阪に日帰りしなければならず、出発が早い。ところが、あれがない、これはどこだと探していると、思ったよりも家を出るのが遅くなる。そんな時、ちょっと間違うと、「ああ、もういいや」と思ったり、「面倒くさい」とか思ってしまう。

2014-05-21 07:50:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(2)学生のとき、勉強をしようとしても、だらだら始められず、「時計の長い針が12のところに来たら」とか、「机のまわりの教科書や参考書を整理したら」とか、「めちゃイケが終わったら」とかいいわけして、なかなか集中しない。そのうちに、もうどうでもいいや、という感じになってくる。

2014-05-21 07:51:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(3)人間には、「堕ちていくよろこび」みたいなものがあって、「こんなにダメな私、もういっそのこと、とことんダメになってしまおう」とか、「どうせもうやったって無駄なのだから、あきらめよう」みたいな感じになってしまうこともある。しかし、そこで時間の本性について考えてほしい。

2014-05-21 07:52:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(4)時間とは、マクタガートが1908年の論文「時間の非実在性」(ditext.com/mctaggart/time…)で論じたように、ふしぎなものであるが、はっきりしていることがある。それは、過去はもう二度と戻ってこないし、変えることもできないということだ。

2014-05-21 07:55:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(5)「後悔」は、自分が過去に実際にやったこと(現実)と、やったかもしれないこと(仮想現実)を比較し、現実に至る自分の価値システムを修正する認知、感情の働きである。それ自体意味のあることであるが、行為に限って言えば、自由になるのは「今、ここ」よりも先の「未来」だけだ。

2014-05-21 07:56:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(6)「私は、私の今後の人生で今一番若い!」は、よく聞かれるポジティヴ思考だが、行為に関していえば、過去のことをあれこれ考えても仕方がない。どんなに過去が堕落していても、失敗していても、ベストを尽くしていなくても、「今、ここ」で修正して、始めればそれが最善なのだ。

2014-05-21 07:57:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(7)人間というものは、なまけてしまったり、思ったことをやらなかったりすると、その後悔や失望の思いで「どんより」してしまって、そのことでさらに有意義な行為ができなくなってしまう。だから、「今、ここ」から修正をbootstrapすることで、その暗雲を吹き払う必要があるのだ。

2014-05-21 07:59:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(8)「今が、一番早い」。人生で、始めるに遅すぎることはないという警句の意味は、つまり、今が始めるのに一番早い時期であるということである。はっと気づいたら、即座に手を動かし始めて、もやもや、ぐだぐだの暗雲を吹き払えばよい。そうしたら、素敵な自分新記録が出るだろう。

2014-05-21 08:00:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

いい(9)こんなことを書いているのも、私だって、昔、あっ、しまった、もう遅い、ダメだ、ぐだぐだと堕ちていく喜びに浸って寝転がっていた午後があるからで、推定、このツイートを読んでいる方の99%には、そのような経験があると思う。だからこそ、「今が、一番早い」と書くのである。

2014-05-21 08:01:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1242回「今が、いちばん早い」でした。

2014-05-21 08:02:47