開店初日の騒動

こんな感じで始まりました。
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触手専門店 @syoks_shop

@tentkle 『ちょっときて!』 『最高の出来だよ見てほしいんだ!』 暗闇の中から囁き声が聞える。「待って下さい、今何時だと...」 『いいからいいから!ホラホラホラ!』 呼びかけられた男が布団をはぐ前に闇から無数のぬめっとした何かが伸びてきて無理やり男を

2014-05-17 23:55:18
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@tentkle 絡め取り屋敷から連れ去った!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2014-05-17 23:55:30
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「まったくいきなり連れてきてなんですか!今何時だと思ってるんです?」屋敷からパジャマのまま引きずり出され、妙な置物が無造作に並べられたまるで”ガラクタ置き場”のような建物へ連れてこられた男は眠たい目をこすりながら言った。

2014-05-17 23:56:15
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そこにずらっと並んでいるのは赤緑黄色青色とりどりの滑らかな触手を持つ奇怪な生物たちだった。ところせましと部屋にいて、男をじとっと見つめていた。どの触手も留まる事を知らぬように絶えず動いている。まるで南国の海の生き物をそのまま全部連れてきたかのようなうるささと賑やかさだった。

2014-05-18 00:00:50
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『何ってほら!できたんだよ俺たちのお店、触手専門店が!!!ほらみてくれこれはみんなで作った看板(※ヘッダー)さ!』

2014-05-18 00:02:34
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「何ですかこれ!もっと洋風でオシャレにキメなさいと言ったはずです!なんで和風なの!!!これじゃ怪しい風俗店みたいじゃないですか!!」男は看板を見るなりそう切り出した。 pic.twitter.com/Gof5koWCrS

2014-05-18 00:05:39
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「だいたいなんで狛犬をマトリョーシカみたいにしちゃったんですか。あと♡がいかにも風俗店チックで嫌ですね」頭が髪の変わりに無数の蛇で構成されている女が進み出る『それをやったのはあたいだよ!触手は子だくさんでみんなラブラブ仲良しってのを伝えたくて!』「子だくさんアピは店に要りません」

2014-05-18 00:13:31
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「だから風俗店みたいに見えるんですよ。それになんですこの逆さまになった人間の足は、誰ですこんな犬○家の看板を作ったのは!!」男の怒声に大変ゴキゲンに触手をうねらせながらまあるい巨体の生き物が進み出た。

2014-05-18 00:15:30
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『そいつは俺のアイデアさ!いつか人間をこうしてやるぞっていう人間への反逆というか下剋上の意思を表した芸術作品さ!!』「意気揚々に語っていただいたところ申し訳ないのですがこの店は触手で人間を懲らしめる目的の店ではないので却下ですね」男はぴしゃりと言い放った。

2014-05-18 00:23:15
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「あとなんですかこれ....」男は看板の左上から覗く何かを指さして言った。『あ、それ招き猫だよ!福を呼ぶしかわいいからちょこっと載せておいたの!』そう、手のひらサイズのクラゲ(?)生物が口を開いた。「心霊写真かと思いましたよ気味悪いので除けてください」『えええええええ;;;;』

2014-05-18 00:27:59
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『この竜を見てよ』植物のような触手を持つ生物が看板の竜を指さした。「竜についてはなかなかかっこいいじゃないですか、いいですねぇ,,,ですが、ピースの位置がこれ...ちょうどいい具合に鼻にジャストヒットしてるんですけど故意ですか」『故意です!!』「今すぐ除けろ」

2014-05-18 00:34:51
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「オシャレに!!しかも、ヨーロピアン調にとお願いしたはずです!一体どうなってるんですか!!!!これじゃお客さんに風俗店と勘違いされてしまいます!!開店したばっかりなのにもうこの店はおしまいです!!!!」 男はその場に崩れ落ちた。意気消沈の男に触手生物たちが心配そうに這い寄る。

2014-05-18 00:44:52
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『いいじゃんいいじゃん目立つんだからこっちの方が!だいたいこの人間界にいる人間なんてどうせ俺たち触手に対して卑猥なイメージしかもってねぇんだからよ!』『そうだよ、あたいたちも頑張るからさ!一緒に世界触手征服計画で、世の中を触手だらけにしようじゃないか!』触手生物が口々に話しかける

2014-05-18 00:49:58
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『それに、俺たちの中で唯一人間であるアンタがこの店のオーナーにならないとまずいんだ。人間たちと触手の橋渡し役ができるのはアンタだけだよ!』「僕は人間が大嫌いなんですよ...」人間という単語を聞いた途端男の目は虚ろになり宙に目を泳がせ始めたが、それを無視して触手生物たちは続ける。

2014-05-18 00:54:57
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「こんな風俗店(まがい)な店にいられるかッ!僕は屋敷に帰ります」男は勢いよく立ちあがるとまっすぐ店の入り口に向かって走り出したその足を無数の触手がからめとり男はバランスを崩してその場に転んだ。「何するんですか!」『待てよ!アンタが今ココで屋敷に帰ったら俺たちとアンタはどうなる!』

2014-05-18 01:01:02
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『そうだよ!一応上からの命令なんだよこの世界触手征服計画は!ここで逃げ出したらあたいたちも、アンタも、首をスッとばされて終わりさ!何がなんでも人間共に触手や魔物たちをばらまいてやらないと....』

2014-05-18 01:06:31
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『私まだ死にたくない....本物の人間で触手プレイもしたことないのに...あんなに練習したのに披露することなく上のやつに、触手焼きにされるなんてやだよぉ....』一匹の触手生物の巨大な目から大粒の涙が零れた。

2014-05-18 01:07:59
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『なぁ、戻って来てくれよ...アンタだって最初は乗り気だったじゃないか』「だって、僕はサ○タさんみたいに煙突から触手を投げ込むプレゼントタイプの触手繁栄法を考えていて...こんな店の店主をやるなんて...人間相手にするなんて嫌です!なんのために今まで屋敷にいたと思って....」

2014-05-18 01:14:33
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『大丈夫さ、アンタだけじゃない。あたいたちだっているんだ。アンタが教えてくれた人間語も話せるやつもたくさんいる。店主ってのは肩書で、実際はみんなで経営してゆくのサ!』蛇頭の女が男の肩を軽く叩いた。

2014-05-18 01:19:12
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『俺もいるぜ!』『私も!』『みんなで魔の仲間を売って世界を触手でいっぱいにしよう!』『大丈夫、わたしらならやれるよ!一緒にやろう!』次々と触手生物たちの触手が男の身体に触れる。「みんな...」男は床から起き上がり触手たちをそっと抱きしめた。

2014-05-18 01:20:54
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「僕が間違ってました...あなた方を間違っても触手なんぞにさせるわけには行きません。屋敷に帰るのはやめです」すっと顔を上げた男の顔は自信に満ちていた。『屋敷主...!』『店主...』触手たちの何十もの目が一斉に希望で輝き始めた。

2014-05-18 01:24:52
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「触手専門店、開店です!!オーナーはこの僕、触手屋敷の屋敷主が務めさせていただく!!」男はスッと立ち上がり両手を広げ高らかに宣言する。風がないはずなのに都合よくパジャマがなびく。『わぁああやった!』『屋敷主ありがとう!』『やっぱりあたいらの屋敷主だよ!いや店主!!』歓声があがる。

2014-05-18 01:30:30
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『じゃさっそく街のやつに挨拶に行こうぜ!!俺が知ってる限りの店名リストだ!』まあるい巨体の生き物がリストを男に差し出そうとした時、その隣の触手生物が口を開いた。『まって、今って夜中だし、どの店開いてないんじゃ....』

2014-05-18 01:36:08
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「そうですよ!今何時だと思っているんですか!!夜中の1:25分ですよ。どの店も、 閉 店 し て ま す よ !!!!」

2014-05-18 01:37:13
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【触手専門店閉店】(深夜につき)

2014-05-18 01:38:17