新聞屋さんとラミ男騒動

開店二日目でこれですよ。もう世も末ですね。
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新聞屋 @gossip_n_p

___________ 【完全新聞屋マニュアル・ハード編】 ※要注意店舗 ◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎ ◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎ ___________ (殆どが黒く塗りつぶさらているが、下の方に小さく触手と書かれている)

2014-05-18 23:18:56
新聞屋 @gossip_n_p

「触手…………?」 「どうしたんですか?転職でもするんです?」 (頭の中をぐるぐると回る、えげつない想像を起こさせる言葉を思わず口に出しては、女が職種と間違えたらしく首を突っ込んでくる)

2014-05-18 23:33:28
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「も、もしもーし」 (男が躊躇いがちに店の戸を叩いた。仕方がないので連れてきた記者の女は、店先の足のオブジェに興味津々である。)

2014-05-19 20:04:57
触手専門店 @syoks_shop

@gossip_n_p  「ようこそーーーー!触手専門店へ!!!!」勢いよく扉が開き笑顔の店主が両手を広げて出迎えた。店内は色とりどりのネオンライトと騒がしい音楽、そして奇怪な生物たちがうろつうていた。

2014-05-19 21:07:09
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「わー!凄い、凄いですね!これどうやって動いてるんですかー!?」 「……どうも、お邪魔します」 (男はド派手なその店構えに心底帰宅を夢見ながらもうねうねと蠢く触手に恐れをなし、対極的な女は興味津々に店主に尋ねた)

2014-05-19 22:00:59
触手専門店 @syoks_shop

@gossip_n_p  「初めまして、こちらの店では触手を持つ生物を中心に取り扱い販売している店でございます。お美しいレディ?そちらの触手はオモチャではなく生きているのですよ、ハハハ!」

2014-05-19 22:09:44
触手専門店 @syoks_shop

『モゥ~あの男の人、渋くてハンサムじゃなぁい?』『フン、あたいは興味ないね!』頭に牛の角を生やした豊満な身体つきの女が腕組みをしている蛇髪の女に話しかける。

2014-05-19 22:13:29
触手専門店 @syoks_shop

『ねぇ、新聞屋だって!日経かな、朝日かな?読売かな?それとも毎日?』『知るかよ』触手生物がひそひそ話している。

2014-05-19 22:14:59
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「えー!?生きてるんですかコレ!?しかも販売!?欲しいです!」 (生きていると聞けば年甲斐もなく目を輝かせ、きゃあきゃあと騒いで男を見るも男は無言で首を横に振るだけであった。)

2014-05-19 22:19:10
触手専門店 @syoks_shop

@gossip_n_p  「ありがとうございます!こちらの生物は触手に色とりどりの宝石を持っております。首にかければ首飾りに、バッグにつければ個性的なおしゃれアイテムに!他にもお客様のアイデア次第で用途は様々!お美しいレディ?いかがです、お安くしときますよ♡」

2014-05-19 22:35:04
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「きゃあ素敵!宝石だなんて女性の夢ですねー!」 「おい、その辺にしておけ。……ところで店主さん、取材させて貰っても構わないかな?」 (本当に購入しかねない女を牽制すると、カメラをちらつかせて取材の可否を尋ね)

2014-05-19 22:40:34
触手専門店 @syoks_shop

『”れでぃ”だって、まじでアイツすごいな....』『あぁ、役者だな...』『一昨日屋敷からひっぱりだした時は相当アレだったけどな...』『やっぱり人間てすげぇな』『あぁかなわねぇよ色んな意味で』『適応能力高すぎ』『あいつに触手があったらまるっと地球征...なんでもない』

2014-05-19 22:41:34
触手専門店 @syoks_shop

@gossip_n_p  (カメラを確認した瞬間、笑顔はそのままだったが店主の放つ空気が少しだけ張りつめた)「おや、取材ですか。それは少し....控えていただきたいですねぇ....」

2014-05-19 22:44:14
触手専門店 @syoks_shop

『あ、店主の様子が違う、きっと読売以外の新聞屋だったんだな』『イェェエエガー』『しっ!あんたたち黙ってな!』囁く触手たちを蛇髪の女が注意した。

2014-05-19 22:45:58
触手専門店 @syoks_shop

『あの、なんか、もめ事....?』蛇髪の女と牛角の女の間にいつのまにか下半身が蛇、上半身が人間のラミアの男がいた。ぎょっとして二人が飛び退く『おおおおいつからいたんだい!?ラミ男(お)じゃないかぁ!アンタどこにいってたのさぁ!』『モゥ~姿が見えないから心配しちゃった!』

2014-05-19 23:00:25
触手専門店 @syoks_shop

『あの、俺...カラオケに...歌..練習してて...それより』ラミ男と呼ばれた男は入口付近にいる二人組の訪問者の方にすっと目線を動かした。『店主...どうしたんですか...困ってるん...ですか...?俺...歌いましょうか...?』女二人がぎょっとしてあわてふためく。

2014-05-19 23:02:56
触手専門店 @syoks_shop

『モォ~ラミちゃんコワイコワイだモォ!お客さんなのぉ~もっとスマイル☆』『すま...いる...でも、店主があんなに怖い顔,,,俺...歌います...あの人たちの息の根....』『何言ってんだいラミ男ッ!そんなことしたら全員首がスッとんじまうよぉ!大人しくしてな!!』『でも...』

2014-05-19 23:05:56
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「おっと失礼、今聞いたことは忘れてくれ」 「あれ、この子たち静かになっちゃいましたね?」 (カメラをすぐさましまい込むと、やや引きつった笑みを浮かべて、今だ能天気に触手を眺めている女を呆れ返ったように見遣り)

2014-05-19 23:08:05
触手専門店 @syoks_shop

『でも、俺、店主が困ってるの...助けたいから...歌います...スゥ』ラミ男が深く息を吸い込んだ瞬間蛇髪と牛角の女がラミ男を取り押さえた。『まずいモ!誰かラミ男にさるぐつわ噛ませて!!』牛角女の声に近くの生き物が触手でラミ男の口を塞いだ。『ンーッ!?』『下半身も押えるんだよ!』

2014-05-19 23:11:38
触手専門店 @syoks_shop

@gossip_n_p  (店主は後ろをチラチラ見ながらひきつった笑顔で)「ハハハァすいません...開店したばかりで中も散らかってまして、取材はちょっと...せっかく来ていただいたのにすいませんねぇ...いやホント」(女性と遊んでいた触手も店内が気になるのか大人しくなった。)

2014-05-19 23:14:33
触手専門店 @syoks_shop

『きっ!ラミ男のやつほんと馬鹿力だな!そんなに歌いたいならカラオケでオールしてこいってんだよ!』『ンーッ!ンーッ!(そうじゃなくて俺は店主を!)』『さ、触手ちゃんたち!ラミ男ちゃんを店の奥の見えな~いところに運んで隔離してぇ~』ラミアの男は触手たちに捕えられ店内の奥へと運ばれた。

2014-05-19 23:17:30
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「いや、此方こそ済まなかったな。どうしてもこの馬鹿が行ってみたいって言うんでね、本当は取材目的じゃなかったんだ」 (空気を悪くしてしまったと謝罪しながら女を小突くと「中々面白いものを見せて貰ったよ」とは言うもののどこか苦い表情で)

2014-05-19 23:20:15
触手専門店 @syoks_shop

@gossip_n_p  「あぁ、そうだったんですか...なんというかこちら...」『店主!店主ーーーーー!!今俺が歌で助け...モガモガ』店内からドタバタと騒々しい音と男の声が飛んでくる。「あんな感じなんで...申し訳ないです...また機会がありましたら是非ィ...」

2014-05-19 23:26:33
新聞屋 @gossip_n_p

@syoks_shop 「あ、ああ。また来る…………よ、」 「えー、先輩もう帰るんですかー?」 (冷や汗を額に浮かせながら男は駄々を捏ねる女の腕を引いてそそくさと店を後にした。)

2014-05-19 23:31:40
新聞屋 @gossip_n_p

「欲しかったなあ、可愛いかったなあ……」 (店に戻ってからというものの、女はずっとこの調子である。恐ろしいことに、最初から最後まで笑顔でいた女に敬意を払わずにはいられないのだが、褒めると買ってくれと言い出すに違いないため男は無視を決め込むことにした。)

2014-05-19 23:36:50