- nanakawa_fu
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属性的にはクライマー萌えだし好きなキャラ軒並みクライマー多いけどクライマー?と脚質ビッチは認めないからな(二人とも好きです)
2014-05-24 12:42:58巻ちゃんのクライマーとしてのスタンス嫌いじゃないけど東堂が天才愛好家なら巻ちゃんは努力愛好家だから、それにひっかかってしまったことについては手嶋にも同情の余地あるけどでもクライマー?は許されない
2014-05-24 13:01:29三年に上がってからというもの、黒田は不調が続いていた。普段は何もありやしないのに、自転車に乗るとまるで石のように身体が重くなるのだ。「疲れてんのかねえ」それを聞いた葦木場は、黒田に言う。「ユキちゃん、東堂さんのとけいってきたら?」「なんでだよ」東堂さん、そういう力あるんだって。
2014-05-24 13:58:59「マジかよ」「うん。ずっと東堂さんと練習してたでしょ?聞くだけ聞いてみたら?」言われるがまま箱根の老舗旅館ー東堂の実家を訪れた黒田が見たものは、まるで神そのもののような着物を纏う東堂の姿だった。「待っていたぞ」「や、東堂さん、どうしたんですかそれ」
2014-05-24 14:01:07「不調の理由ーいや、違うな。お前が【登れなく】なった理由を知りたいのだろう?」「……知ってたんですか」当然だ、と東堂は笑う。「……なんとかできるならなんとかしたいですよ、だってこのままじゃ」「アシストもできない、か?」
2014-05-24 14:03:47ぞくりとした。そこにいた男は自分のよく知るクライマーの東堂尽八ではなくーーまるで、人の姿をした神様みたいな。「祟りだよ」「……は?」「お前は神に嫌われたのだ。その結果だ」「いや、待ってください、意味がーー」「本当に、分からないか?」まるで、何もかも見透かすような。
2014-05-24 14:06:26「そ、ですよ……」「……そうか」ならいい、その声は、ぞっとするほど柔らかくて。「黒田」「……はい」「オレに言えるのは一つだ」そう、呟いて。 「山は、怖いぞ。どんな人間よりも」その顔が笑っていたのか泣いていたのか、もはやわからなかった。
2014-05-24 14:09:21なんか、最近だるくてさ。手嶋は青八木にそう零す。「大丈夫か」「平気。つか変なんだよ」自転車乗った時だけ頭が重いの。なんか悪いことしたかなオレ、そう笑う手嶋。その夜、携帯に予想外の人から電話があった。「……巻島さん?」「よオ、手嶋、元気してるか?」それはイギリスに行った巻島から。
2014-05-24 15:32:42「お久しぶりです!」「毎日自転車乗ってるか?なんて聞くまでもねえか」「もちろんです」「そうか、……そりゃあよかった」「え?」「いや、なんでもねえッショ。嫌な感じがしたんでな」「……嫌な、って?」「……お前、箱根を『登りに行った』か?」「はい。やっぱり練習にはふさわしいと思って」
2014-05-24 15:34:31「……そうか」「どうしたんですか?巻島さん」「……オレはそういう、得体の知れねえものは信じない主義なんだが……生憎、オレの好敵手は違ってな」「ハコガクの東堂さん、ですか」「あいつがな、言うんだよ。―――お前の後輩もまた、山に『祟られる』のではないか、ってな」「ははは、まさか」
2014-05-24 15:36:33そう笑いながら、手嶋は背中にぞくぞくと寒気が走るのを感じていた。だって明らかにおかしい、と思い返す。だっていつだって自分が不調になるのは、自転車に乗って、『山を登ろう』としたその時だけ―――「お前、迷ってんだろ、手嶋」その言葉に、何を言うべきなのか。「オレが誘っておいてなんだが、
2014-05-24 15:37:56やめたいならやめろ。クライマー、やるならやれッショ。……中途半端、が一番、『恨まれる』らしいかんな」「……分かってますよ、」唇を湿らせる。ああ、今の顔はきっと、笑えていない。「じゃあな」「はい」電話を切り、その場に座り込む。「……はー、困るって」強くなりたいんだけどなあ。
2014-05-24 15:39:24山を半端に愛したものは山神にたたられるから 東堂は次代山神になる予定だったけど山への愛よりも箱庭の勝利に身を捧げてしまったから同じように祟られるの 汚れてしまった東堂はもう山神になれないから、次の候補は真波なの
2014-05-24 20:52:16