第二回 星座物語 まとめ
- sodaame140
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まえがき
失くしたものを探しに出かけた。
どこかで落とした気がするんだ。
もうずっと星をみていない僕は、5月の風の寒さに、凍えそうだった。
梅雨が、近づいていた。
星座を見るほどの知識は僕にはない。ただ遠くの星が光っているというだけで、星同士が繋がってるなんて、考えもしなかった。きっと暇人がいたんだよと君が言った。暇なだけじゃ、きっと星は繋げないだろう。だから僕はこう思う。きっと、隣に素敵な女の子がいたんだ。その子を口説くために、その人が。
2013-07-06 10:19:55一年前の記録を思い起こしながら、僕はPCを打っている。
あの星は繋がっているんだよと彼は言った。彼の瞳はきらきらしていて、まるで夢を見ているようだ。あの星がしっぽで、あの星が耳。彼はその星座に纏わるお話を語り出す。あの動物はね。彼の中で生き生きと動き出す物語。彼はもうどこか別の世界にいるようだ。私は星を見上げる。確かに、動物に見えた。
2013-07-06 10:26:40たとえば落としたものに、なにがあるだろう。
ぼくは成長して、適応して、色んなものを、素直に楽しめなくなったんだ。
ねえ、君の生活に、星を眺める余裕はある?
【空飛傘座】かつて少年は空を飛ぶ夢を見た。それは傘を持ち宙を舞えば自分が空を飛べるという空想である。しかし少年はその想像を本気にした。我こそは空を飛ぶ者なり。我が名を世界に轟かせ、偉大なる空の支配者となるのだ。少年は荒川土手の坂から空を舞い、転がり、そして星となった。 #星座物語
2013-07-07 00:01:29第一章 星座探索
星誕祭の夜を迎え、広場には沢山の民衆が集う。老人から子どもまで、全ての人が愉しみにしているのだ。 降りしきる流星雨に歓声が飛び交う中、静かに幼子を抱く一人の女性がいた。幼子は病持ちだった。星が見えなくなると幼子の微かな息は止まった。 きっと星を追いかけにいったのだろう。#星座物語
2013-07-07 00:02:49「カレンダー座」 闘病中の彼女に会えるまでの日を、少年は日めくりカレンダーを破り続けた。 破った日にちは紙飛行機にして空へと飛ばす。しかし、彼女と会うことは叶わず、空へと飛ばされ続けたカレンダーと共に星座になった。 #星座物語
2013-07-07 00:13:55実は彦星の事が好きなもう一人の女性がいた。 その女性は彦星に織り姫がいるのを知っていたから、彦星へのその思いを忘れようと、天の川に身を投げた。 その事を知った織り姫が神様にお願いをして、その女性は星座になり、いつまでも彦星を見守っているとか。 #星座物語
2013-07-07 00:14:06[シャトー座] 隠れることが得意だと、忍びこんだ大きなお城。実は迷宮への入り口で、星座への道しるべ。だけど、まだゲームは終わっていないの、はやく私を見つけてご覧? #星座物語
2013-07-07 00:14:29「戦闘員座」 家族を養うため、非道な上司の下過酷な労働条件に耐えながら働く戦闘員。彼らが正義のヒーローに挑み、闘い、名乗ることなく敗れていくのを不憫に思った神様が彼らを星座にした。 出動の辞令をもらった戦闘員は、前日の夜、この星座を見て涙を流すという。 #星座物語
2013-07-07 00:39:10