会社法改正 おかしい チッソ優遇法案 #minamata

2014年5月12日開催の 院内集会 2014年5月13日開催の 参議院・法務委員会 のまとめ。
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社説:チッソ優遇法案 水俣病は未解決なのに
毎日新聞 2014年05月17日 02時30分

 どうして水俣病の原因企業チッソだけを優遇するのだろうか。

 国会で審議中の会社法改正案は、株主の利益を守るため、親会社が子会社株を売却する際、株主総会の特別決議を義務づけた。決議には出席株主の議決権の3分の2以上が必要となる。ところが、チッソをこの規定から免除する法案を日本維新の会が提出し、衆議院で可決された。与党に加え民主なども賛成に回っており、今国会で成立する見通しだ。

 2009年に成立した水俣病被害者救済特措法は、チッソに未認定患者への一時金(1人210万円)支払いを求める一方、全事業部門を100%子会社のJNCに移管することを認めた。JNC株売却は「救済の終了と市況の好転」が条件で、その際には環境相の承認が必要だ。

 チッソはJNCの配当を患者補償や債務返済に充てている。将来は株売却益を補償や返済に充てた上で、自らは事業清算し、JNCが水俣病の加害責任から解放された会社として活動できることを目指している。

 維新の会は、会社法改正で特措法が制約を受け、法の趣旨が損なわれると提案の理由を説明する。

 しかし、株式譲渡の新たな足かせを嫌い、事業清算を急ぐチッソを、国会が後押ししているように見える。水俣病不知火患者会の大石利生会長は、参院法務委員会で「多数の未救済者が取り残される中、加害企業の消滅につながる法案は許せない」と訴えた。立法府は被害者の声をしっかりと受け止めるべきだ。

 特措法に基づく救済申請者は約6万5000人に達した。救済対象者の判定作業は今夏にも終わる見通しだ。チッソの森田美智男社長は今月1日の水俣病犠牲者慰霊式で、特措法の救済対象者確定で救済も終了するとの考えを明らかにした。

 だが、公害健康被害補償法に基づく水俣病認定申請は熊本、鹿児島両県で800人を超える。認定患者はチッソから一時金などを受け取れるが、昨年4月の最高裁判決が感覚障害のみでも水俣病と認めたことで、両県の認定審査業務は機能停止状態にある。国やチッソを相手取った損害賠償請求訴訟も続く。

 公式確認から58年が過ぎてなお、水俣病問題は解決していないのだ。石原伸晃環境相は「株式譲渡を承認できる状態にない」という。だれが環境相になろうとも、特措法が掲げる「あたう限りの救済」が終わるまで、株売却が承認されてはならない。

 特措法は議員立法で成立した。政府に、水銀の健康影響や効果的な疫学調査の手法開発など水俣病の調査研究の実施を求めている。政府の取り組みをチェックし、対応を促すことこそが立法府の責務だろう。