茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1254回「綺麗な絵を、こんなオヤジが!」

脳科学者・茂木健一郎さんの6月2日の連続ツイート。 本日は、今朝なんとはなしに思っていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1254回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝なんとはなしに思っていたこと。

2014-06-02 06:55:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(1)グスタフ・クリムトと言えば、グスタフ・マーラーとともに、「偉大なる三人のグスタフ」の一人なのですが(もう一人が誰かは今はとりあえず考えていない)、その代表作「接吻」(Der Kuss)upload.wikimedia.org/wikipedia/comm… を、私はウィーンである時見たわけだ。

2014-06-02 06:57:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(2)それで、実際にウィーンで「接吻」を見て、私は二つのことを思った。一つは、恋人たちは崖の端に立っているな、ということ。お花畑なので、気づきにくいが、今にも落ちそうな崖の端に立っている。それともう一つ、お花畑のテクスチャーが、本当にきれいだな、ということ。

2014-06-02 06:58:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(3)クリムトの絵を、ウィーンのたしか北のちょっと行ったところあたりにある美術館で見ていて思ったのは、どの絵も、テクスチャが圧倒的にきれいだなということだった。モティーフの神話的深みも印象的なのだが、とにかく、マテリアルとして、花や草や鉱物的な模様が美しいのだ。

2014-06-02 07:02:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(4)クリムトの絵画の、ディテールがテクスチャとして美しいということは、写真で見ていてもある程度想像できるけれども、実見するとそのクオリアが心に直観されて、その、乙女を魅了するある種の世紀末的なセンチメントが、私の中にも、美の殿堂として君臨し始めたのであった。

2014-06-02 07:03:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(5)ところで、グスタフ・クリムトその人のこの肖像写真 cache5.amanaimages.com/cen3tzG4fTr7Gt… を初めて見たのは、やはりそのウィーンの美術館でのことだったのではないかと思う。うわあ、なんだ、このエロオヤジ、と思うと同時に、「やっぱりなあ〜」という不思議な安心感があった。

2014-06-02 07:04:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(6)肉感的で、はげあがったおやじが、精力に満ちた表情で、ネコを抱いてこっちを見ている。グスタフ・クリムトという人が、こんな感じのやつだった、そいつが、「接吻」のような、思い切り世紀末ロマンティックの絵を描いてやがった、という符合に、世界のおもしろみを感じるのである。

2014-06-02 07:06:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(7)「創造性のギャップ理論」は、作者と作品の間にギャップがあるほど、それは本物だ、ということになる。いかにもの作品を、いかにもの作者がつくっていると、それはいかがわしいというか怪しい(そんな世間の期待を逆手にとった事件が最近ありましたね)。

2014-06-02 07:07:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(8)小学校の美術教育(図画工作教育ではなく!)は、「接吻」と「クリムト肖像」の二つの写真を比べて、「さあ、よい子のみなさん、この猫を抱いた、ちょっと変態っぽいオヤジがこの美しい絵を描いたんですよ。これって、どういうことだと思います?」と設問することからはじめたらいい。

2014-06-02 07:09:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

きこ(9)「もっともらしさ」に対する警戒感は、私のほとんど通奏低音のようなことになっていて、そのせいで随分損をしているようにも思うけど、その起源は、たとえばクリムト肖像と「接吻」との間のコントラストにあるということを、今朝はキャフェオレを飲みつつなぜか思い出していた。

2014-06-02 07:10:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1254回「綺麗な絵を、こんなオヤジが!」でした。

2014-06-02 07:11:10

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