茂木健一郎さんの連続ツイート第1256回「居場所」

脳科学者・茂木健一郎さんの6月4日の連続ツイート。 本日は、ある思いについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1256回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ある思いについて。

2014-06-04 08:25:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(1)昨日、ゼミで論文紹介やResearch talkをやったあと、駒場のイベントに行こうというので目黒川沿いを歩いた。石川と星野が、ずっといろいろなことを議論していて、それをぼくは耳の片隅で聞きながら、川沿いのこんな風の吹くところをみんなで歩くのは楽しい時間だなと感じていた。

2014-06-04 08:27:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(2)駒場で、ぼくは予想通りかなりの爆発をしてしまって、しかしあくまでも論理的に筋の通った話をしているつもりなのだが、いつものように、わかってもらえない人には全くわかってもらえなかった。しかし、こういう議論が、コマーシャルなベースではなくできるのは、いいなあとも思った。

2014-06-04 08:28:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(3)それで、会場に池上高志(@alltbl)がいるのに気づいて、ひええとなり、それからちょっと爆発がやりにくくなってしまったのだけれども、大学が、「居場所」としての機能を果たしていることはきっと事実で、ぼくの本当の論点は、そのような居場所に、誰がどのようにアクセスできるか

2014-06-04 08:29:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(4)という点にあるのかもしれない。MOOCが発達しても、study groupが出来て、そこが居場所になったり、東京芸大の授業の後、上野公園のトビカンの前でやっていた飲み会が一つの居場所だったり、そのような居場所が、人を心地よくさせ、関係性を育むことは間違いないと感じる。

2014-06-04 08:31:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(5)ヘイトスピーチで通りを一緒に歩いている人にとっても、結局そこが居場所になっていたりするうのであり、彼ないしは彼女に本当に必要なのは、そんな人道に反することを主張しなくても安らいでいられるような、日だまりの場所なのかもしれない。それで、駒場のイベントが終わった後

2014-06-04 08:32:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(6)ぼくは植田工(@onototo)とさっと教室から逃走してしまって、というのも行き先が決まっていたからだった。渋谷のぼくたちの居場所といえば、BYG。昨日は飲んでいたら、いきなりオーナーがいらして、初めてお目にかかってしまった。BYGはなんのことか以前から疑問に思っていたが

2014-06-04 08:33:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(7)Beat Young Generationなのだという。へえ〜と言いながら、初めてお話するオーナーといろいろ交流した。BYGは、渋谷の中では、奇跡的に音楽に対する愛と、心地よい空間が提供されている場所で、オーナーが、力強く、「ぼくはここを売りません!」と言っていたのが

2014-06-04 08:34:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(8)とてもうれしかった。BYGが売られたら、新しく建つビルの中には、もっと客席間隔が狭くて、外に呼び込みの人が立っているような、経済効率が良い店になってしまうだろう。そうなると、そこはもうぼくたちの居場所ではない。目黒川沿いの散歩といい、駒場のセッションといい、上野公園の

2014-06-04 08:35:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

い(9)飲み会といい、心地よい居場所の共通した性質は、それが経済合理性ではないという点にあるのだと思う。席に着いた瞬間、「お一人様ドリンク一点、フード一点のご注文お願いします。当店は2時間制になっています」なんて告げられるところは居場所ではない。心地よい居場所は奇跡である。

2014-06-04 08:37:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1256回「居場所」でした。

2014-06-04 08:37:18