マイ鎮VSアサイラム(ディレクターズカット)後半戦
今回の試合は前二回とは幾分趣が違う。 主な違いは3つ。 夜戦であること。室内戦であること。提督との通信が許可されていること。 「合間合間に替え玉を入れるのが、観客を飽きさせないコツでして」鳳翔のプロモーター根性もなかなかだ。付き合わされるこっちはいい迷惑だが。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 21:47:54建物は巨大なマンション型テーマパークを使う。内部は大々的な改装が施されており、鳳翔いわく「きっと気にいる」とのこと。中にUZIやバールでも落ちてるのか?マイアミは下から、アサイラム側は上からのスタートだ。 試合前に、天龍と夕立が挨拶する。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 21:50:31「ハロー、天龍さん。お前の命を貰いに来た」最初からトバす夕立。 「世界水準の俺に挑むとはいい度胸じゃねえか。胸を貸してやるからどんときな!」駆逐艦相手だとどうにも甘いのがこいつだ。まあ、足りない部分は俺がサポートする。いつもの旗艦業務と同じだ。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 21:52:15普段俺たち提督は、戦闘時は旗艦と視覚・聴覚を同じくする。そして俺の指示は、旗艦に随伴する伝令用妖精の口を通して彼女たちに伝えられる。 天龍が建物の中に入ると同時に、俺も準備をする。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 21:56:09「提督さん、繋がったよ。ご用事は?」無線から陽気な声がする。好きにやれ。いつも通りだ。「オケオケオッケーっぽい!」 #加賀さん観察日記
2013-12-14 21:56:54「室内戦はさすがに未経験だろうが、耳元で怒鳴られながら戦うのは慣れているな?天龍」「問題ナシだ。いつもの通り、話半分で聞き流…おっと失礼」「それで中破しては風呂場に叩きこまれてるんだろうが」「戦歴が長いから、まあ多少はね?」多少どころか常連だろうが。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 21:58:07建物の中は…ああ?俺の鎮守府内じゃねえか。いや、ちょっと違うな。こんな家具は置いた覚えがない。「あれ、これ金剛の紅茶セットだ」飲むなよ、何が入ってるかわからん。「飲まねえよ。瑞雲入ってるし」おかしいな…うちの伊勢は瑞雲と紅茶を合わせて飲む習慣はない。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:00:38冷蔵庫の中には大量の瑞雲サンドがおいてあった。瑞雲の間に瑞雲を合わせ、瑞雲ソースをかけて瑞雲を使って突き刺して食べる、濃厚な瑞雲味の瑞雲だ。俺の鎮守府には決して置いてないもの。「提督これ、混ざってないか?あっちの鎮守府と」だろうな。鳳翔の奴、何考えてんだ? #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:02:10提督室周辺には特に夕立の影はなし。 見覚えのある(だが少し雰囲気の違う)廊下が奥に続いていて、おそらくこの先は工廠だ。「以前の戦いもあそこがラストだったなあ」懐かしいな。行ってみるか。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:05:15夕立につけたマーカーを起動する。モニタに映るのはいつもの鎮守府めいた内層だが、そこらじゅうにUZIだのバールだのが転がっていたり、ロシアンマフィアの死体があったりする「提督、ここ筑摩さんの部屋っぽい」あいつの出身はマイアミだっただろうか。 #加賀さん観察日記
2013-12-14 22:07:54「そうしよう」廊下には明かりがついていない。こちらは専ら夜目だけが頼りだ。天龍は廊下の奥を進む。勢いいさんで口笛を吹いているので咎める。沈黙。しばしの後…「あのさ提督、明かりつけるのだめ?」ダメだ。「じゃあせめて歌を」ビビってんじゃねえぞ。#艦これ航海日誌
2013-12-14 22:07:56工廠についた。 いつもの熱気はなく、暗く冷めていて…そして何故か血腥い。理由はすぐに分かった。艦娘の素体がそこかしこに転がっているからだ。パーツがきちんとつながっているものもあれば、そうでないのもある。そして目茶目茶な組み合わせのものも。狂気の産物。#艦これ航海日誌
2013-12-14 22:11:25「天龍ちゃ~ん」いつもの声が、何故かする。向こうから来るのは龍田だ。顔はそのまま、その下は装甲空母姫。 天龍の顔が苛立ちで歪む。「提督」撃て。20.3cm砲が龍田らしきものを砕く。そして一気に爆破炎上する。 天龍は吹き飛ばされ、こちらの画面にもノイズが走る。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:13:51倒れた天龍を、工廠のあちこちから現れた艦娘が取り囲む。「金剛デース」「戦艦長門だ」「赤城です」体の一部をそのままに、残りを深海棲艦に替えた醜悪な生き物たち。天龍は刀を手に、そいつらを刻んでいく。「てぇとくぅ~ヒャハハハ!!!」金剛のデュープは笑いながら死んでいく。#艦これ航海日誌
2013-12-14 22:17:56「なんなんだ提督!こいつらなんだ!」俺だってわかるかよ。わかるのは連中、武器は持っていないってことだ。爆風に巻き込まれないよう距離をとり、火砲で仕留めろ。「了解、糞ったれ!」艦娘もどきを切っ払い、囲みから抜けだそうとする天龍。 その足元に銃弾が射ち込まれる。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:20:31「素敵なパーティーしましょう?」工廠の天上から夕立が踊り出る。こいつがこの悪趣味な人形を作った張本人のようだな。天龍は夕立の姿を認めるなり砲を撃つ。夕立はそれをすい、と避け、手元のスイッチを押す。艦娘もどきの体が何倍にも膨らみ、爆発する。臓物が天龍の体を覆う。#艦これ航海日誌
2013-12-14 22:23:51あまりの凄惨さに、天龍は嘔吐する。 「みんなみんな、おなかいっぱいっぽい?」夕立も血に濡れ、くすくすと笑う。その手に握られた連装砲は天龍の頭部を狙う。「避けろ!」「わぁってる!」頭のセンサーを削られながらも直撃を免れる天龍。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:26:31夕立は両手の連装砲を天龍に向けて次々撃ちこむ。頭、太もも、心臓、喉。いずれも当たれば致命打、その全てが殺し手。天龍はそれを機動と己の刀で捌いていく。 10手のうちの直撃、なし。 夕立は顔を膨らませる。怒ったか?奴は口から爆雷を取り出しぽいぽい投げつけてくる。 #艦これ航海日誌
2013-12-14 22:29:35