贖罪・紫蝶の巡礼者

それは、己の"罪"と向き合う旅。 後半スクショ提供:浅木みりあさん(@MiriA_Asagi)
2
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…さて、そろそろ失礼するわ。 随分と長居してしまったわね。 流華「あら、もう帰るの? 外国からわざわざ来たなら、もっとゆっくりしていけばいいのに。」 美久「そうアル。今日はみんな家でサッカー見てるアルから、お客さん来なくてヒマだったアル。」

2014-06-14 22:50:35
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

お言葉に甘えたいところだけど…生憎、明日も行く所があるの。遠いから、朝から移動しなきゃいけなくてねぇ。 流華「そう…なら、無理に引き止めちゃ悪いわね。」 美久「また今度アル。いつか、揚羽のお店にも行きたいアル。」 揚羽「ええ、待っているわ。 それじゃあ、またいつか…」

2014-06-14 22:52:05
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…「翠 美久」(ツェイ メイジゥ)。「紅 流華」(ホン リュゥファ)。 サヨナラ、お元気で。 縁があったら、また会いましょう。

2014-06-14 22:53:31
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…ようやく、辿り着いたわ。 この国の中心街から電車とバス、さらにタクシーも乗り継いで…半日近くかかってしまったわね。

2014-06-15 17:35:27
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

こんな秘境と言いたくなるくらい辺境の荒れ地も、かつては国だった。 …魔女の呪いによってもたらされた奇病で、滅びた国…。

2014-06-15 17:35:44
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

小国なりに、栄えていたけれど… 今となっては、ただの荒野。こういうのを、「諸行無常」って言うのかしら? …それはそうと…私の記憶が正しければ、この辺に…

2014-06-15 17:37:16
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…あったわ。 私が、〈魔女〉に囚われる前に作った、「彼」のお墓…。 ごめんなさいね。こんなお墓しか建ててあげられなくて…。 pic.twitter.com/7A1upfTco7

2014-06-15 17:40:11
拡大
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…貴方とは、家が隣同士で… 幼い頃から、兄妹のように育ったわね。 親同士も、仲が良かったし…このまま大人になって、普通に結婚して、普通の幸せな家庭を築くものだと…そう信じていたわ。

2014-06-15 17:41:28
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

でも…美しく成長した私は国王の目に留まり、王宮に仕えるよう達しが出た。 できれば、拒否したかったけれど…私たちの家は、決して裕福とは言えなかったから… 家族を助けるためだと思って、従うことにしたのよね。

2014-06-15 17:42:30
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

それでも、貴方は… 「いつか必ず、一緒になろう。いつまででも待っている」と…そう言ってくれたわね…。

2014-06-15 17:43:16
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

でも、私は… 王宮仕えの贅沢な生活を送るうちに、美しい私は「特別」なのだと、いつか老いてこの美しさが失われた刻には、今の幸せも失ってしまうと…そう考えるようになってしまった。 だから私は、〈魔女〉に唆されてしまったのかもしれないわね…。

2014-06-15 17:43:56
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

そうして私が〈魔女〉の封印を解いてしまったせいで、国に奇病が蔓延した。 昨日まで健康だった若者が急激に老い、数日の内に死に至る病…。 多くの命が失われ…やがて、貴方の命までも奪った…。

2014-06-15 17:44:58
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

人々はこの奇病を、魔女の呪いだと騒ぎ… それを鎮めるため、国で一番美しい娘と呼ばれた私は生贄に捧げられることになった。 その時の私は、「絶望」と「恐怖」…そして、「憎しみ」に囚われた。 今まで散々「絶世の美女」だのと持て囃しておきながら、こうも簡単に掌を返すのかと…。

2014-06-15 17:46:06
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

そうして生じた、私の心の隙を突き…〈魔女〉は、私に取り憑いた。 肉体を手に入れたことで、完全に復活した〈魔女〉は…その呪いで国中の人間を死に追いやり、国を滅ぼした…。

2014-06-15 17:47:41
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…それから、今までの数百年間… 私は〈魔女〉の憑り代として生き永らえ、数えきれない程の"罪"を犯した。 もし、メモリアたちに救われていなければ、私は…。

2014-06-15 17:49:32
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

そういう事情があったとはいえ…随分と永い間、独りで放ったらかしにしてしまったわね…。 国中の男たち…果ては国王からまでも、結婚を申し込まれたけれど… 私が真に愛したひとは、貴方一人だけ…。

2014-06-15 17:51:08
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

故郷も、愛するひとも失ってしまったけれど… それでも、私は生きていく。 己の罪を償いながら…終わりが来る、その刻まで…。 pic.twitter.com/ZwaAlyP1qd

2014-06-15 17:52:24
拡大
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

…さて、お店もあるしそろそろ帰らなくちゃね。飛行機がなくなってしまうわ。

2014-06-15 17:54:05
メモリア(bot) @memory_a_bot

そろそろ、揚羽帰ってるんじゃないかしら。 今夜も行ってみようかしらね。

2014-06-15 19:55:10
メモリア(bot) @memory_a_bot

ザック「いらっしゃいませ…」 こんばんは、ザック。今日も来たわ。 …あら、揚羽。帰ってたのね。昨日から出掛けていたと聞いたけれど。

2014-06-15 19:59:30
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

@memory_a_bot あら、メモリアじゃない。 昨日も来てくれたみたいなのに、留守にしていてごめんなさいね。

2014-06-15 19:59:53
メモリア(bot) @memory_a_bot

@m_ageha_bot いいえ。 それよりも、あなたがお店を空けるなんて珍しいわね。どこに行っていたの?

2014-06-15 20:00:53
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

@memory_a_bot ええ、ちょっと外国にね… お酒の仕入れに行っていたのよ。 そうそう、お土産も買ってきたわ。コレよ。

2014-06-15 20:03:26
メモリア(bot) @memory_a_bot

@m_ageha_bot これは…「お芋」?現地の珍しい物かしら?

2014-06-15 20:04:30
紫揚羽(bot) @m_ageha_bot

@memory_a_bot これはねぇ、食べると胸が大きくなると評判のお芋なのよぉ。あなたやリンケージにぴったりだと思ってねぇ。

2014-06-15 20:05:32