八十神白夜とは

八十神白夜 @YasogamiByakuya

常々思っていた、俺はもっと輝ける舞台があるのではないかとーーそう、殺し合いや弾劾裁判のような血生臭く閉鎖的で矮小な世界ではなく、大空に羽ばたくべき存在なのだと

八十神白夜 @YasogamiByakuya

もっと大きな、世界そのものを相手にした、それでいて現実的な頭脳戦……それこそが俺の居場所であるはずだと

八十神白夜 @YasogamiByakuya

だというのに

八十神白夜 @YasogamiByakuya

これはなんだ！！ 「世界を相手に」とは言ったが神を相手にしたいと言った覚えはない！！ 何が悲しゅうて関東の片田舎で妙ちきりんな猟奇殺人に関わったが為に物騒な獲物片手に人外と戦わねばならん！！ 答えろ苗g……白鐘！！！

八十神白夜 @YasogamiByakuya

この村に来てからと言う物、どうも違和感だらけで困る。具体的にどう困っているかと言うと、あり得る筈のない記憶のダブりが見受けられる。俺はかつてここではない別の学校に入った筈だ…そこで細やかながら級友との親交を温めていた筈。 しかしその記憶はあるところでプッツリと途切れていた。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

その学校で短くない時間を過ごした筈だ。しかし、不思議な事にその記憶は一度リセットされ、今度は血塗られた学園生活が幕を開けた。次々と起こる殺人事件、殺されるのも殺すのも皆、元は共に机を並べた学友ばかり。閉鎖空間での生死をかけた生活をなんとか潜り抜け、俺はそこを脱出したーー筈だった。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

そして再度記憶はリセットされる。 希望ケ峰学園に限らず、俺は何度か高校生活を送った。どんなバグがあったのか知らんが、俺はその度に記憶がリセットされて行った……今回を除いて。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

何故か「今回」、俺は全ての記憶が閲覧可能になっているようだ。全ての記憶を持ち越して常に意識出来ている訳ではないが、関連する何かについて考えた時、何重にも過ごしてきた記憶が思い出され、糸を手繰り寄せるように辿って行けばその時あった事を思い出す事が出来る。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

しかしこれはどうも酷く脳を刺激するらしい。今まで思い出したことの無い世界の事を思い出そうとすると強い頭痛に見舞われる。その為俺は自分に枷を課した。現在鮮明に覚えているのは希望ケ峰学園の事と、この八十神高校の事。それ以外の世界の事は出来るだけ糸を手繰り寄せないようにしようと。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

他の世界の記憶は薄く淡く霞のように思い出している事もあるが、頭に負担をかけない程度にしておきたい。 ……にしても、この現象は一体何だと言うのだろうか。所謂並行世界とリンクでもしてしまったのだろうか。もしそうだとすれば、きっとすぐに思い出せた記憶は近い世界なのかもしれんな。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

並行世界……あり得ない話だとは思うが、そう考えれば納得の行く点が多い。この八十神高校での生活も数度目だが、その記憶の何れも微妙に違っている。例えば先輩の恋人だったり、事件を解決した日付だったりだ。何故か事件が起こる日だけは不変のようだが、救出に向かう過程はバラバラだ。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

しかし今回はまた様子が違う。知らない筋書き、知らない人物、知らない結末……俺の記憶が妙な事になっているのも関係しているのかもしれないな。

八十神白夜 @YasogamiByakuya

八十神高校学園祭最終日、俺は今、知らない事件に遭遇している。妙な鐘の音の後、ベルベットルームという存在だけは鳴上先輩から聞いていた部屋に入ってから、テレビを介していないにも関わらず現れるシャドウや、ダンジョンの中で出会った善と玲、FOEの存在……さて、これからどうなるのやら。