『精神崩壊前夜』

【R-15】 アイザックさんの髪の毛の話から、とんでもない方向へ妄想は進みます… ※限定公開を解除いたしました。序盤と前提がアレなので15歳以上推奨です。 平たく言うとモブレ前提のアイザックさんと、世話を焼くアルバート君の百合です。 【R-15】
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チャンはる @haru_mrst

@niwanoria 二人の家を去る見舞客達は皆良くなっていてよかったよと満足そうでした。が、アルバートにはここまで回復したからこそ、ぶつかっている壁が自分達にはあるのだと自覚していました。

2014-07-02 04:15:59
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria アイザックは全ての記憶を取り戻していました。恐ろしいレイプの記憶もです。回復すればするほど、アイザックはレイプされた事を一つ一つ思い出してしまっていました。毎晩の様に布団に潜り込み自分を抱きしめて震えるアイザックを抱きしめ返すべきなのか、アルバートは困ります

2014-07-02 04:25:13
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria @motori1110 いつの日からか、アルバート君はアイザックさんの事が好きになってしまいました。毎晩布団に潜り込んで来てくるアイザックさんの事が愛おしくて、抱きしめ返したいけれど、ふと毎回思うのです。

2014-07-04 03:36:48
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria @motori1110 いつもアイザックさんは身体に触れさせてくれましたが、それは指先だけだとか、唇だけだとか、ごく小さな範囲でした。抱きしめるという大きな接触は、レイプの後遺症で苦しんでいるアイザックを余計に怖がらせるだけなのでは無いのか。

2014-07-04 03:39:28
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria @motori1110 そう考えると、愛おしくて苦しくて、可哀想で繊細で、抱きしめ返すことができませんでした。

2014-07-04 03:44:00
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria @motori1110 しかし、そんな純粋なアルバート君の恋心とは裏腹に、アイザックさんには、アルバート君しかいませんでした。恋では無いのかもしれません。ですが、強い依存をしていました。深く深く愛していました。

2014-07-04 03:44:41
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria @motori1110 アイザックさんは、アルバート君に抱きしめ返してもらう事を期待してはいませんでした。ただ、純粋なアルバート君のそばにいたら、汚れた自分が少しは綺麗になる気がしました。

2014-07-04 04:00:58
チャンはる @haru_mrst

@niwanoria @motori1110 アルバート君がアイザックさんの事を好きなのを、アイザックさんは知りません。また、アイザックさんがアルバート君に依存していることもアルバート君は知りません。そんな不思議な世界でした。

2014-07-04 04:03:30
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria そんな膠着状態が続いたある日、アイザックさんは再びフラッシュバックを起こし、前後不覚になりました。必死に大丈夫だから、と背中をさするアルバート君に、怖かった、怖かったと初めて自分の体験を事細やかに告白しました。

2014-07-05 01:10:56
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria アルバート君は認められたと思いました。他にも、辛かったなとか、怖かったなとか、もう大丈夫だとか、色々と考えましたが、口から出た言葉は「話してくれてありがとう」でした。

2014-07-05 01:17:43
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria その日の夜は最初からアイザックと一緒に寝ました。アルバートは考えます。触れさせてくれた自分の身体の一部なら、アイザックは怖がらないのではないかと。指先と唇。そこしか触れられないのではなく、そこだけなら触れる事が出来るのでは無いかと。

2014-07-05 01:19:12
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 試しにアイザックの小さく丸めた手のひらをほぐす様に指と指を絡めました。アイザックは始めはビクリとしましたが、ぎゅっと握り返してきました。その晩は、二人で手を繋いで寝ました。アイザックが大声を出して飛び起きることはありませんでした。

2014-07-05 01:19:32
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria その次の日から2人は手を繋いで寝るのが日課になりました。暫くすると、寝る前にお互いの瞼におやすみのキスをするのも日課になりました。相変わらずアイザックは触れられるのを怖がりましたし、アルバートは彼の身体を抱きしめる勇気が出ませんでした

2014-07-05 02:27:38
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria いたずらにアルバートへ甘えて過ごす日々を送りながら、アイザックはいつ死のうか考えていました。ずっとずっと、考えていたのです。古い記憶を思い出すたびに、彼は消えてしまいたいとひっそり願いました

2014-07-05 02:27:55
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 自分のプライドとトラウマの重圧に耐えきれずに一度崩壊した自分、再び立ち直って、アルバート以外の男が怖い自分にいったい何ができるのか、崩壊後から一度も切っていない伸びた髪を耳にかけながら考えていました。

2014-07-05 02:28:12
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria ある日アルバート君は青ざめた顔で立ち尽くしていました。手には大きな花束。その日はアイザックの誕生日でした。家に帰って、プレゼントに花束を渡して、二人でケーキを作ろうと思って材料を買ってきた帰りでした。

2014-07-05 02:28:27
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 家の隅で、アイザックさんがハサミを喉につきつけようとしている真っ最中でした。持っていたもの全てを放り投げ、アルバート君は夢中で飛びつきました。鋭利なハサミはアイザックの喉を軽く引っ掻きアルバート君の頬を裂き、地面へ突き刺さりました。

2014-07-05 02:28:42
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria そのまま2人は倒れこみ、アルバート君はアイザックさんに向き合い、初めて怒鳴りました。精神崩壊当日の朝は、アルバート君にとってトラウマでした。今まさに同じ状況が再現されました。

2014-07-05 02:28:56
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 怒声はいつしか泣き声に変わり、ポエムのような罵倒の言葉は、そのまま秘めていた恋心の告白になりました。この僕を置いていくなんて酷い!そんなアルバート君の告白を聞いて、思わずアイザックさんはアルバート君を抱きしめていました。

2014-07-05 02:29:09
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 抱きしめながら、謝りました。ずっと悩んでいた死への憧れと、自分がいることでアルバートが穢れて行くのではないかという不安、強すぎる依存心、アルバート君の泣き声を上書きするようにアイザックさんも告白をしました。

2014-07-05 02:29:24
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 両想いでは無いのかもしれません。なぜならアルバート君はアイザックさんに恋をしていて、アイザックさんはアルバート君にただひたすら依存をしていたからです。

2014-07-05 02:29:46
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria ですが、2人は強い愛情で繋がっていました。愛し合っていました。 アルバート君の恋心を受け止めるように、アイザックさんは抱きしめながらキスをしました。瞼、切れた頬、そして唇へ。

2014-07-05 02:30:00
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 触れ合うだけのキスでしたが、ただひたすら唇を合わせ続けました。アルバート君に自分の愛情が伝わるまで。アルバート君が強く強く抱きしめ返すまで。

2014-07-05 02:30:14
チャンはる @haru_mrst

@motori1110 @niwanoria 先に唇を離したのは、真っ赤になったアルバート君の方でした。抱きしめたまま、緩く身体を離して、アイザックの死んだ瞳を見つめながら、好きです、死なないで、と言いました。常日頃から壮大な告白文を考えていましたが何も出てきませんでした。

2014-07-05 02:30:26