七夕ツイノベ企画　#七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

何百年も続いたこの逢引。我々を作り上げた者達は、我々を七月七日に思い出し、想像し、創造する。……七月七日以外の我々もまた、存在して然るべきであるのに……この日に縛られて、永遠とも付かぬ時を過ごし、此れからも過ごすのだろう……。 #twnovel #七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

@imasugoinemui2 我々は完結している。七夕に縛られた我々は、幾度もの七夕を過ごし、只、逢瀬を繰り返す。其れは出口の無い円環だ。……そうだ。縛りだ。縛りなのだ。これは呪縛とも言って良い。我々は一つのシステムとして機能し続ける。 #twnovel #七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

@imasugoinemui2 機能外の事を禁じられた我々は、確かに呪われているのだ……。我々は愛しあう。そう機能付けられたが為だ。其処に我々の意志の介在する余地はない。そもそも我々に本当の意志など有り得るのだろうか……。 #twnovel #七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

@imasugoinemui2 疑問を抱くが、其れでも尚、私は織姫の事を心から愛しているのだ……機能付けられたからか……最早、判断を付ける事も適わぬ……。 #twnovel #七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

@imasugoinemui2 只、一つだけ、この自問自答の中に見つけ出した解答がある。 そうだ……「我々」は呪われているのだ。「私」ではなく「我々」……そう……私は独りではない……孤独に呪われている訳ではないのだ。 #twnovel #七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

@imasugoinemui2 其の事に気が付いた時、私の中で解けた部分があった。ほうわりと、温かく、丸い様な、何か……。そうだ……私は確かに織姫を愛している……私は「我々」であったからこそ、今迄、存在して来れたのだ……。 #twnovel #七夕一夢

風月よだか @imasugoinemui2

@imasugoinemui2 そうして目を瞑り、眦に込み上げてきた熱いモノを零さない様に耐え忍ぶ。胸に手を遣り、美しき貴女に思いを馳せる……。ーー今夜は晴れると良い……。そんな事を素直に思えたのはいつぶりだろう……。 #twnovel #七夕一夢

𝕤𝕙𝕚𝕣𝕠 @yakak21

#七夕一夢 「イヤね、また雨」まだ乾ききらない洗濯物を部屋の隅のラックにかけながら母は綺麗な眉をひそめる。#twnovel 薄雲の空から降る雨を掌に受け私は瞳の奥の彼に逢う。最後の夜も雨だった。いつかもう1度…晴れた七夕の夜に…。「窓閉めてね」母の言葉で彼にそっと別れを告げる。

七歩 @naholograph

今年も会えないと寂しそうな貴方をメールで慰める。年に一度許されたその日が雨ならば会えない。今年は会えそうで嬉しいよ。ええ私も。微妙な天気だね。きっと会えるわ。会える人数を数えて7月7日の日程を組む。世界は広い。晴れた夜空の『貴方』たちに私は会いに行く。#twnovel　#七夕一夢

まあぷる @nemu_tatibana

机の奥から出てきた古い短冊。｢○○君と付き合えますように」思い出した。小学校の頃、書いたはいいけれどしまいこんで忘れていた。彼はそれから数ヶ月後に転校。うちの店の軒下に吊るしてみた途端、大雨。｢すみません、雨宿りいいですか？」そこには懐かしい笑顔が。#twnovel　#七夕一夢

まあぷる @nemu_tatibana

去年の７月７日、美しい女性と出会った。夢のような一日を過ごしたあと、夜明けに帰ると言い出した。「ヴェガまで。牽牛には飽きちゃったし来年また来るわ」「もし約束を破ったら？」今年、彼女は来なかったが、ありとあらゆる願い事が叶って地球は大混乱となった。#twnovel　#七夕一夢　

七歩 @naholograph

短冊に願いを書いて吊るすと叶うよ。娘にそう言うと「ホットケーキが食べたい」と書いた。知らない素振りでおやつに出せば驚く娘。次の願いは「お部屋かたづいて」。こっそり片付ける。喜んだ娘は更に短冊を吊るした。「お母さんありがとう」#twnovel　#七夕一夢　なんて短冊でも吊るそうか。

te @te2090

晴れますように #twnovel7 #七夕一夢

こにし うり @uri_novel

あれが欲しい、これが欲しいとわがまま尽くしの僕の彼女。週に一度は必ず会うし、夜には必ず電話する。織姫様と彦星様の話をすると、彼女は拗ねた。「君の姫はあたしだけだよ」わかっているさ。「君はあたしの唯一の……」 #七夕一夢 「唯一の家来だから」王子じゃないんだ？ #twnovel

楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 七夕の日、美しい女性がしくしくと泣いていた。「年に一度の彼と逢える日なのに、大雨の影響で彼が来られないのです。この日のためにエステに通い、ダイエットもして、勝負下着も履いてきたのに……。そうだ！あなた！彼の代わりに今晩つき合って」うぉ！なんてタナボタ！#七夕一夢

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

天の川が見てみたいなんて理由から入った天文部。在学中は七夕はいつも雨で、卒業して数年経った今でもこの時期になると思い出す。それを言い訳に年に一度だけ送るメールは「先輩、今年は天の川見れました？」。七夕に星が見れないのなら、せめて夢を見させて。 #七夕一夢 #twnovel

朱優 @shijin_a

「ほら行けよ」浴衣姿の彼女の背中を押す。なんでもずっと好きだった幼馴染みに告白するらしい。「大丈夫、きっとちゃんと伝えられる」僕の声に弾かれたように彼女が走り出した。#七夕一夢 #twnovel 途端に涙が零れる。神様どうか。僕の恋が叶わなかった分、彼女の恋が成就しますように。

穴井秋乃 @AnaiAkino

#twnovel 笹の葉さらさらと鈴が歌う。ずっと同じフレーズを繰り返している。つまり、部屋に笹を飾りたいという意味だろう。ダメよと私は応える。何も言ってないじゃない、と鈴は応じる。笹を飾るなら自分の部屋にしてと言うと邪魔になるじゃない、と鈴は応えた。 #七夕一夢

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

七夕の雨には星の光が宿る。たくさんの星々を伝い、天の川を下った水が地上に降り注ぐ夜。短冊への願い事に、空を見上げた瞳に、少しだけ切ない心にも、優しく星の雨が降る。雨雲の空に一筋の閃光。一瞬で天の川を渡った龍神が、彦星と織姫に見送られて去って行った。 #七夕一夢 #twnovel

ことり @ktr_song

「おりひめさま、ひこぼしさま、今年も会えてるといいね。」僕にはただの、輝く小さな点にしか見えないけれど。きっと、君の中では、きっと、素敵なストーリーが繰り広げられているのだろうね。 空を見上げる君が、とても綺麗だった。 #七夕一夢

萌葱［moegi］ @hmoegi

#twnovel 紙切れなんかに左右されて堪るものか。願っても祈っても叶わなかったのに、こんな紙切れと葉っぱなんかに叶えられては耐えられない。だからもう、全部どうでも良くなったんだ。#七夕一夢 豪雨降る空を睨みつける。織姫と彦星も逢えやしない。ざまあみろ。私だって。ほんとうは。

蝉時雨/あると @alpacolumn

幾度待ち侘びた星逢に 一層重ねた想いは空に 願い月夜は雲海に 溢れる言葉は笹舟に 載せた言葉は流星に 隔てた彼方のあなたに向けて どうにか届け 愛の唄 #七夕一夢

七歩 @naholograph

これに願いを書いてつるせばお願いごとが叶うって。「おなかいっぱいすきなものをたべたい」兄弟それぞれ書いたというのに同じ願いのできあがり。笹に吊るしてそれから二人でムシャムシャムシャ。#七夕一夢 #twnovel「足りない」「僕も」空腹をごまかすようにパンダ兄弟は丸まって眠ります。

silf⛩️ @athene1020

曇り空から女の人の声がした。おかえりなさい。泣き声混じりの笑い声。しとしと雨が降ってきた。きらきら優しい恵みの雫。恋が溶けた、澄んだ涙はお砂糖水の味がする。お日様の灯りをゆっくり落とし、世界に夜がやって来る。今日の星空はきっと二人だけのものでしょう。 #twnovel #七夕一夢

リュカ @ryuka511

7月7日、人々はこの日の雨を嘆く。これでは天の川が氾濫し、愛する二人は会えないと。だが地上の人々は知らない。雨雲が地上の光を覆い隠し、天の川をくっきりと浮かび上がらせるのだ。普段より明るく輝く天の川の星々は、一夜の逢瀬を静かに見守る。 #七夕一夢 #twnovel