アイマス　ふたつの理想のアイドル

Teppey @Teppey_F

アーケード版『アイドルマスター』のっていうのは「理想のアイドル」を表現していたと思うんだよね。一口に「理想のアイドル」って言っても色々あるけど、大雑把に「自分の恋人になってくれるアイドル」っていう妄想上の存在と「みんなのアイドル」という聖母的な存在の２者に分かれると思う。

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前者の象徴が「運命の人」を探し求めてアイドルやってるあずささんで、プロデューサーと仕事を通して接しながら恋愛感情を抱くという形で表現されてる。雪歩や千早も同じ系統で、それぞれが抱えている問題を協力して解消していく中で信頼関係を築いて慕われていくっていう形。

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ゲスな言い方をしてしまうと「アイドルとヤりたい」「アイドルと付き合いたい」「アイドルと結婚したい」っていうファンの欲望を満たしたくれる、非常に直接的な“理想のアイドル像”がこっち。

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一方後者は「アイドルはファンみんなの物」っていう、後者とは対立する建前を掲げた存在なんだけど、アイドルに恋愛スキャンダルが発覚したときにファンが「アイドルやってるうちはファンみんなのものでいてくれよ」と思うこともまた、決して偽りのない本音だったりするわけでね。

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具体的に言うと、現役アイドルとして活動してる真っ最中に秋本康と結婚した高井麻巳子にがっかりしたわけじゃない？　「アイドルなのにそれはないだろう」って。そういう建前をきっちり外さない、ファンにとっての「理想のアイドル」として表現されたのがアーケード版の天海春香だったんだと思う。

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前者だけだと「このゲームの理想のアイドルって結局ヤらせてくれるアイドルだよね」ってなっちゃうし、後者だけだと建前ばかりで物足りなくなってしまう。だからバリエーションの中に、春香ややよいみたいな恋愛に寄りすぎない形で「アイドルとプロデューサー」の立場を守った結末も用意した、と。

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そこがギャルゲー濫造期に出て「単なるギャルゲーや恋愛ゲームじゃない、アイドル育成ゲームなんだ」っていう評価に結びついていたはずなんだけど、最近のノリは「単なるギャルゲー、恋愛ゲーム」になってるよね。いまのファンがそれを求めた結果なのかもしれないけど。