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狭間 駿 @c_yu_n

【twishort.com/UmOfc ／twishort.com/XmOfc 】

源 風香 @huka_tis

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狭間 駿 @c_yu_n

狭間】彼女の手を握ったまま、店の裏手に出る。人通りは多く流れていくが、その一瞬の死角になるような、自販機や空調装置の陰。覗き込んでいる物好きは、まあいないだろう場所に跳び、

源 風香 @huka_tis

風香】ぱち、ぱち、と瞬きするともう先程の風景とは全く違う光景が眼前に広がっていた。未だに慣れないこの感覚だが、以前よりはほんの少しだけ慣れてきたような気がしなくもない。移動場所は流石空間移動者というべきだろうか。ぱっと人目につきづらい場所に出ている辺り慣れを感じる

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「　、……、」ほんの一拍の空白のあと、ぱちりと目を瞬く。そこに、つないだ手の感触が確かにあることを確かめる。目をやってみれば、一応、きちんと彼女の姿は確認できる。

ーーー @HaKo_723

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狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「…行こっか、」先ほど別れた相手が向かっただろう場所へと促そう。ここから自分のこの足でも、五分とかからず辿り着ける場所だ。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】｢……｣ほう、と一つ息を吐き、繋いだままの手を見る。そうしたところで彼の意識が戻ったらしく視線をあげていくとぱちんと目があった気がする。｢……おはよ？｣第一声はなんて言えばいいのか分からず、首をかしげる。おはよう、という程の空白でもなかったが

ーーー @HaKo_723

ハイジ】「と、・・・」二人と別れ、今頃騒然としているかもしれないカラオケボックスの建物に背を向ける。裏の路地裏。辺りに人影がないことを確認してから、指定されたコンビニの方向へと歩を進める。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】｢あ、うん。……わかった｣自分の言葉と入れ違いにかけられた言葉に小さく頷き、手を離す。彼が歩き出すのを待ってから歩みを合わせて進みだそう

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】離されようとした手はしかし、離さない。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】｢……？｣手は、離れない。どういうことかと少し不安げに彼を見る

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】意図せず消えられるのも、意図して消えて逃げられることも警戒している。「…杖、片方、持ってくんない？　そんで悪いけど、ちょっと…遠くないから、手ェ貸して。ちょっと体重、支えてほしい、」言いながら、彼女のほうに杖を差しだし、一本を取ってと頼む。

ーーー @HaKo_723

ハイジ】少し落ち着いた様子で、一つ息を吐く。いったい彼らは自分が戻るまでになんの話をしていたのだろうか。目的だと思い当たるコンビニは数分と掛からずにたどり着けるはずだ。たった、と少し早足でそちらの方に向かう。路地裏を抜ければ平日なのに人波の多い通りだ。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】｢……｣少し、間を起き｢……わかった、｣小さく頷いて差し出された杖を持ち、一度ほんの軽く手を離してもう少し強く、言われた通り体重をしっかり支えられるように手を握り直す。それ以上は余計なことはしないし言わない。彼が杖を持ち直し、歩き出そうとするのを待つ

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「ドウモ、」言って、残った杖をつきなおして歩き出す。慣れの分、やはり普段よりは歩きにくいが、仕方ないだろう。ゆっくりと歩を進め出しながら、「…さっきの、壁さ、」ぽつ、と彼女に向けて声を投げる。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】ぎゅ、と手を握って歩き出す。歩くたび、確かに重みを感じる。｢……うん、｣前と、進む先の地面。何か障害物がないか確認しながら応答する。何となく、何を言われるか予想しながら

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「…ハイジの名前で、部屋、取ってなくてよかったよ。あんなの明らかに、異能だ…瑣末ごとでも、異捜が動く案件だ、」ひっそりと、けれど確実に彼女 に届くように言う。「…もしあいつの名前残ってたら、あいつは身を隠してるわけでもないからな、家なんかすぐ割れちまう」

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】そそぎ込むように、まずはしっかりとそれを告げる。…このあたりは、きちんと彼女に、認識しておいてもらわなくてはいけない。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】｢……そこまで、考えてなかった｣ぽつ、と返す。ああ、そうか、彼を巻き込んでしまうところだったのか、とようやく認識する。あの時はただ、あの場から……彼らからはなれる事しか考えていなかった。｢……ごめん｣もう一度、ぽつり、と漏らす｢馬鹿で、ごめん……｣

源 風香 @huka_tis

風香】その謝罪の対象は一つではない気がしつつ、それでも彼にかける

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「謝るとこはそこじゃない。考えないことと、無自覚なところを謝って。…君は馬鹿じゃないけど、考えなしだ、無鉄砲で…誰を巻き込むかを、考えようともしない、」まず淡々とそう告げて、

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「…次からは、誰を巻き込むか、なにが起きるか、考えるようにして。意識は、するようにして。…それでも、その犠牲を払った上ででも逃げたいっていうんなら、」ため息を吐くように告げながら一歩ずつ進む。「…そんなら、もうそれは、止めねえけど、」

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】｢それが、……そういうところが、馬鹿なんだと思う｣小さく答え、｢……ごめん、｣もう一度謝罪して手を握る力を少し強める。眉を寄せ目を細め、｢……出来るかは、分からない。努力は……する｣そう答える。なんとなく、胸がぎゅう、と苦しい

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「そうして。…意識するかどうかだけでも、ぜんぜん違う、」言って、そこでほんの少しだけやっと、笑う気配を零す。苦笑じみたもの。ゆっくり、ゆっくりと歩を進める。