20140720 「利賀から見る世界」「世界から見る利賀」平田オリザ/金森穣 上田洋子さんのツイートまとめ

20140720 「利賀から見る世界」「世界から見る利賀」平田オリザ/金森穣 上田洋子さんのツイートまとめ 2014年の利賀演劇人コンクールでの関連企画のトークショーを、 上田洋子さん(ロシア文学者、株式会社ゲンロン)が実況ツイートしたもの。
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Yoko Ueda @yuvmsk

利賀演出家コンクール3日目。平田オリザさんと金森穣さんのトークが始まります。 pic.twitter.com/Dj9jQjHDBt

2014-07-20 11:00:07
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Yoko Ueda @yuvmsk

金森穣さんのお父様はウエストサイドストーリーでダンスに目覚めた。 ピンポンパンの体操のお兄さんで、後にスタジオを持つ。金森さんは6歳でジャズダンス、10歳でタップ、12歳でバレエを始めた。 16歳で牧阿佐美バレエ団入団。 15歳でNYに短期留学したさいにレベルの違いに愕然。

2014-07-20 11:19:45
Yoko Ueda @yuvmsk

牧阿佐美バレエ団で、ベジャールのバレエ団への留学に抜擢され、10年ヨーロッパで働く。 帰ってきた理由はヨーロッパで20世紀の巨匠が勢いを失い、活気がなくなったこと。 自分の作品を作りたいから、マスターがいるところには行きたくなかった。 10年いると日本のことを知らない自分を痛感。

2014-07-20 11:21:02
Yoko Ueda @yuvmsk

平田オリザさんは富士見の芸術監督を5年。 開館前の準備委員会でさまざまなワークショップをやるなか、平田さんを芸術監督に呼ぶべきだという話が出た。芸術系でない担当者が市長に直談判。予算を組んだ後に導入決定。はじめは月給5万。あまりに安くて断れなかったw

2014-07-20 11:26:38
Yoko Ueda @yuvmsk

りゅーとぴあでは芸術監督で新潟に住んでいるのは金森穣だけ。演劇、音楽部門の芸術監督は東京在住。金森穣が芸術監督就任の際、他の部門もアドバイザーから芸術監督に。舞踊家の年俸は日割り??? 年俸を日割り換算して、外で仕事をしているときはその日の分引かれる。

2014-07-20 11:33:34
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:助成金による海外派遣の際、仕事以外のことをしているとはばかられる。観光は控えるようにという空気になっている。芸術家に取ってはその時間は大事。芸術家の側も、そこがトータルなものであることを意識すべき。在外研修でも、その国を出てはいけないような仕組みになっている。

2014-07-20 11:34:30
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:三重の県立文化会館はSPACなどをのぞいて、最も成功している県立劇場。県からの出向は一人もいない。館長はホルンのマイスターで、ヤマハ→音楽之友社。事務局長は脱サラした元ディーラー。組織改革。銀行出身なので財務も追い返した。図書館もある複合施設。2億の黒字を出したことも。

2014-07-20 11:41:34
Yoko Ueda @yuvmsk

金森:りゅーとぴあでは、音楽・演劇・舞踊という理念の違いをまとめなければならない。 平田:新国立劇場も全く同じ問題を抱えている。3部門が縦割り。諸外国にはない。(役人にしか運営できない。。)音楽・ダンス・演劇が混在する劇場文化は誇っている場合ではなく、どうにかすべき。

2014-07-20 11:42:20
Yoko Ueda @yuvmsk

金森:Noism以外の舞踊プログラムは今はまだ無い。予算の問題。 平田:芸術監督の仕事はクリエイションとプログラム。 富士見ではわかりやすいものをまぜて、そこに超難解なものを混ぜていくと、観客の評価軸が揺れて、拡大する可能性が出てくる。基本いいものを呼ぶ、が、少し規範を緩くする。

2014-07-20 11:47:44
Yoko Ueda @yuvmsk

平田: 米国の劇場は会員制度で、席も決まっている。相続の対象にもなっている。相続しないと隣の席がひとつずつ真ん中にずれていく。初日の真ん中の席は地元の名士の社交場になっている。 日本の劇場法は一昨年できたばかり。劇場を信頼して劇場を見に来てもらうのに20年かかるだろう。

2014-07-20 11:54:28
Yoko Ueda @yuvmsk

金森:海外に出るには時間をかけていいものを作るべき。ローカルはまた異なる。まずは劇場に足を運ばない人たちの目に触れる努力が必要。例えばプロジェクション・マッピングとのコラボ。少しでも興味を持ってもらい、最終的に劇場に呼ぶ。

2014-07-20 12:01:02
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:渡航費を国が負担するのは理由がある。距離は実際に障害で、また作品世界に行くのは日本にとって有益。だが、その作品が海外から招かれているのか、それとも自腹なのか精査が必要。現地の予算と日本の予算が同額、といった仕組みを作るべき。国際マーケットで勝負するのに、国内評価は関係ない。

2014-07-20 12:02:35
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:ヨーロッパではこどもの頃から劇場を機能させている。こどもの頃の体験が身に付いている。お客さんはある程度育てられるし、費用対効果は高い。スエーデン王立劇場の児童劇専門劇団は70人以上には見せない。日本は200人以上じゃないと採算取れない。体育館で三角座り、笑ったら怒られる。

2014-07-20 12:11:39
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:欧州では劇場は楽しい場所だとこどもの頃から洗脳する仕組みが発達。 金森:舞踊を教育現場で必修にするのはやめてほしい。踊るのが嫌いな子は劇場にも寄り付かなくなる。日本は見る文化の育成が弱い。教育現場ではやることと見ることの切り分けが必要。わからなくても強烈な記憶は残る。

2014-07-20 12:14:08
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:欧州では教育担当プロデューサーが地域の学校の事情もよく把握。劇作家として招かれると、いろんな学校に呼ばれたりする。アジアから作家が来るというだけで話をさせられたり。劇場と学校をつなぐ専門家。つなぐ人は重要。

2014-07-20 12:17:34
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:アートマネジメントには火急速やかな課題は無い。日本と欧州の目に見える差異を取り上げ、すべてを劇的に変えるのではなく、できるところから変えていくべき。

2014-07-20 12:18:40
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:コンクールは利賀山房の空間との戦い。東京の小劇場で自分のお客さんしか相手にしていないと、あの空間を過剰に意識し、奇をてらってしまうケースが多い。ここでやるから演出家の基礎力が見える。主催者としてはお祭り的要素も増やしたい。欧州では街を挙げて盛り上がる音楽コンクールなども。

2014-07-20 12:21:50
Yoko Ueda @yuvmsk

金森:利賀に来て、この空間を使うという緊張感が感じられない。。世代問題か。歴史性をふまえたある種のストレスは快楽のためにも必要。

2014-07-20 12:23:28
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:初めて利賀に来たのは93年。95年から作品を作った。春のフェスティバルで、寒さや虫という自然との戦いを初めて経験。利賀という環境のなかでは、買い物に行けば、この人は演劇人で、ある種公的なお金を使っているやつだと意識される。ほとんどの劇団員に取って初めての貴重な経験。

2014-07-20 12:35:35
Yoko Ueda @yuvmsk

Q:日本に歴史の違うヨーロッパの劇場制度を移入するさいの工夫は? 金森:ヨーロッパの劇場にも問題が山積み。個別の劇場では日本と同じ問題を抱える。必要なものを取り入れ、反面教師にしたい。今、ヨーロッパでは劇場文化が崩壊していて、一方日本・アジアでは未熟。今こそチャンスがあると思う。

2014-07-20 12:38:07
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:英国は公的支援は戦後始まった。フランスは初めパリのみで、戦後二段階の時期を経て地方に根付く。チャンスには波があり、それを逃さないことが重要。10年周期で来る次のチャンスのために頑張る。最初はたいへんだが、成功例を作っていき、芸術家同士の信頼と連帯で広げていくことが重要。

2014-07-20 12:40:32
Yoko Ueda @yuvmsk

金森:芸術監督になる人の側の問題としては、気概と実力を伴わなければならない。やらせてもらえるならやります、では行政から話は回ってこない。

2014-07-20 12:41:30
Yoko Ueda @yuvmsk

平田:大阪から東京に演劇人が引っ越す状況がある。大阪には劇場もない。カフェでやっていると、全体で400人しか客が入らなかったりして、どんどん小さなサークルでやるようになってしまう。演劇人の育成のためには、ある程度環境が整うことは重要。

2014-07-20 12:55:09