【テドイア】禁忌の扉

重音テッド×IAの物語。 パラレル設定で天使ネタ。 --すべては一人の天使が禁忌の扉を開けてしまった事からはじまった。
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大崎巧実(裏) @mboxtw2

時間の許す限り垂れ流す。 テドイアネタで天使ネタ。……相変わらずとか言ってはいけない。 すべての始まりは、禁忌の扉を開けてしまった天使がいた。そこから。

2014-07-25 12:02:46
大崎巧実(裏) @mboxtw2

とある森の中で、イアはテッドさんと出会うのです。 あまり人気のないその場所で。 お友だちになりたいって言ったイアのお願いを聞く形で二人の関係がスタートする。 でもテッドさんは言う。 会いに来るなら一人でおいでって。

2014-07-25 12:06:39
大崎巧実(裏) @mboxtw2

それに疑問を持たず、イアは一人でやってくる。 町に出たがらないテッドさんの為に、イアからいつも会いに来る。 でもイアはそれでよかった。会いに行けば必ず彼はそこにいたし、一緒にいれば優しくて楽しかったから気にもしてなかった。

2014-07-25 12:09:13
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうして一緒にいるうちにイアはお約束通り恋をするわけです。 一緒にいる時間もながくなって、ずっとべったりで。 そんな時、テッドさんが不審な行動を取り始める。

2014-07-25 12:11:00
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんがイアに触りたがるのね。それも首から胸の辺り。肩口というか。 イアがテッドさんの傍で眠ってしまった時とかにそれは良く出る。 けど、触りたがるくせに躊躇って触らないんです。結局。 なにか悩むように手を引っ込めてしまう。

2014-07-25 12:14:50
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そんな時が長く続いたけど、イアは何も言わなかった。 気付かないふりをしてたんですね。 どうしてテッドさんがそんな素振りを見せるのか。その意味を本当は知ってた。 けど言わなかったのです。

2014-07-25 12:17:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ずっと一緒にいられるってイアは思ってた。傍にいれば幸せで、テッドさんもそれを許してくれる。だから、このまま続けばいいって思ってた。 けど、引き離されてしまうんですね。 ある日テッドさんに会いに行くと天使の兵が彼を取り囲んでいた。

2014-07-25 12:19:08
大崎巧実(裏) @mboxtw2

兵士達はテッドさんを探してた。彼は罪人で、脱獄したのだと。だから連れ戻す、そう告げるんですよ。 そして兵士を引き連れるリーダーがゆかりん。 様子のおかしいイアを疑い、そして彼にたどり着いた。 当然イアは反発する。

2014-07-25 12:21:17
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんを守ろうとするイアを制したのはテッドさん本人。 彼は捕まりにいくって言うんですね。けどイアは納得しない。 行かないで、って必死にすがり付くんだけど、テッドさんはその手をほどいてしまうのです。

2014-07-25 12:23:09
大崎巧実(裏) @mboxtw2

どうして、ってイアは言うんですよ。自由を手にする事だって出来たじゃない、って。 テッドさんがイアに触りたがった理由。 イアが彼を解放する鍵を持ってたから。胸の中にしまった鍵がほしかったのです。 だから触りたがった。けど、奪えなかった。

2014-07-25 12:25:02
大崎巧実(裏) @mboxtw2

罪人だと責められるテッドさんに、イアは叫ぶのです。 彼に罪があるというのなら、自分にだって罪がある。何故なら、禁忌の扉を開けたのは自分なんだから、って。 罪人が閉じこめられた牢の鍵を開けてしまったのはイア。だから自分も罪を問われるはずだとそう言うんですね。

2014-07-25 21:38:01
大崎巧実(裏) @mboxtw2

けれどそんなイアの叫びも兵士達には届かなかった。 何故ならイアはテッドさんに唆された娘、となっているから。テッドさんが己の欲のためにイアを利用したと。イアはただ騙されただけなんだと。 テッドさんもそれを否定しない。だからイアの言葉は誰にも届かない。

2014-07-25 21:39:54
大崎巧実(裏) @mboxtw2

必死にイアは叫んで、なんとかテッドさんを救おうとするけれどテッドさん自身が捕まる事を望んでいるし、誰もイアの言い分を聞いてくれない。 結局、縋るイアを振り解いたテッドさんは連れて行かれ、再び牢屋の中に入れられてしまうのでした。 そしてイアはずっとそこから動けない。

2014-07-25 21:40:55
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアはまだ鍵を持ってる。だからテッドさんの居る最深部までの扉を開ける事が出来る筈なんだけど、けれど今度はどれ一つとして開かない。 鍵は開く。けれど扉が動かない。それは、テッドさん自身が心を閉ざしてしまったからなんですね。彼が『来るな』と拒絶し、扉を開かせてくれない。

2014-07-25 21:42:09
大崎巧実(裏) @mboxtw2

重罪人が繋がれる牢の入り口で、ずっとずっとイアは嘆き続ける。 テッドさんは優しい人だと、罪なんか犯すような人じゃないと。そして、テッドさん自身に伝わらなかった想いを告白し続けるんです。 ずっと、ずっと貴方の事が好きだと。

2014-07-25 21:43:35
大崎巧実(裏) @mboxtw2

嘆くイアにゆかりんが聞くんですね。どうして?って。あの男は罪を抱えてる。なのにどうしてそこまでするの、って。 イアは好きだからよって答えるんです。けれどゆかりんにはそれがわからない。 だってイアとテッドさんが出会ったのは森の中。彼が捕まった後の事だから。

2014-07-25 21:44:48
大崎巧実(裏) @mboxtw2

何故、知らない男の為に鍵を使い牢から出したのか、どうしてそこまで出来るのか。 繰り返される質問に、イアは愛しているから、と答えるんです。 イアにとっては普通の事。 たった一目で恋に落ちる事だってある。どうしてそれが可笑しいのか、イアにはわからない。

2014-07-25 21:45:54
大崎巧実(裏) @mboxtw2

少し時間は遡って。イアはとある女神からその鍵を託された。重罪人として繋がれたままの男を解放して欲しい、と。 まだテッドさんと出会っていないイアは罪と知り、当然躊躇するわけです。女神はそれをイアの意志に任せた。そして悩みつつ、イアは牢に向かったんですね。

2014-07-25 21:47:29
大崎巧実(裏) @mboxtw2

最初は解放する気などないに等しかった。けれど、闇に包まれたその牢屋の中、最深部にあたるその場所でただ一人孤独に過ごす彼を見て、イアは鍵を開けてしまったんです。 その一瞬で、イアは恋をしたんです。あの人を救いたいと思ったんですね。

2014-07-25 21:49:03
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアはいわゆる一目惚れの状態。たった一度、その姿を見ただけで恋に落ちる事だってあるでしょう? そうイアは告げたわけです。イアにとってそれは事実。その一瞬で彼女は禁忌とされていた牢の鍵を開けたわけです。 そしてその鍵をずっと持ち続けた。彼に会いたくて。

2014-07-25 21:50:27
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その鍵を胸の中にしまってずっと離さなかった。そうしたら、その鍵を狙って彼が来るかもしれない。そう思ったから、テッドさんを釣るエサとして鍵を持ち歩いてた。 そうしてまんまと鍵が放つ光に釣られてテッドさんがやってきた。 最初からイアにはわかってたんですよ、テッドさんの狙いも。

2014-07-25 21:51:46
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアはテッドさんが鍵を狙ってる事を知ってた。それを奪えば自由になるのだから。だからテッドさんが触りたがってる時も身体を許してたわけです。 イアは傍にいられるだけで幸せだった、過ごせただけで良かった。だから、鍵を奪うのなら奪ってしまえばいいと。

2014-07-25 21:53:17
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアがテッドさんの隣で寝たふりをしていた時も、彼の意識が鍵に向けられてるのを感じてた。と言うか無防備な身体をわざと晒し続けてたわけです。 さあどうぞ、って。いつか彼が鍵を奪って消えてしまう、その時までのささやかな夢を見させてくれればいいと。

2014-07-25 21:55:06
大崎巧実(裏) @mboxtw2

でも、鍵を欲しがるそぶりを見せてもテッドさんは一向にそれを奪おうとはしない。どうしてだろう?って思いながらテッドさんの傍にいられる時間が延びるだけだからイアには良かった。 沢山、沢山大好きって伝えて、ずっとその傍にいたけれど、でも最後には拒否されてしまう。

2014-07-25 21:56:29
大崎巧実(裏) @mboxtw2

でもイアは信じてた。絶対、絶対間違ってないって。 一緒にいた時テッドさんは優しかった。それでも愛してくれた。だから彼が罪人だなんて何かの間違いじゃないか、って。 だけど、テッドさんが罪を犯したのは間違いなかったんです。彼もまた、禁忌の扉を開けてしまった。

2014-07-25 21:57:42